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CMSとSNSの台頭Web制作案件が減少!?・・・Web屋はどう立ち回る?

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。

今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「CMSとSNSの台頭Web制作案件が減少!?・・・Web屋はどう立ち回る?」についてお話ししていきます。(元記事:https://wizpara.com/2434/

じぶんはフリーランスとして独立してから14年にもなります。

当初からWeb制作の受託案件がメインのナリワイで、収入の8割はWebサイトやECサイトの受託制作案件になります。

ただ、最近、何社かお付き合いのあるクライアントから、これからはSNS一本でプロモーションしていくという意向を伝えられることが増えてきました。

要は、これまでWebサイト一辺倒だった、Webマーケティング手法をWebサイトからSNSにシフトするなどして、Webサイト制作や更新に費用をかけるのをストップするという方針です。

これにはコロナを発端とする不景気もあるのでしょうが、原因はそれだけではなさそうです・・

Webサイトの制作にお金をかけなくても、無料のWebサイト制作サービスにて簡易のWebサイトを用意して最低限の情報を掲載しておき、あとはSNSでプロモーションを行えば、たいして費用をかけずに集客できるという考えに至ったそうです。

たしかに一昔前であれば、インターネット上でプロモーションを行う場合は、Webサイト一択だったものが、最近ではTwitter、Facebook、Instagram、Youtube、ジモティなどのSNSなどで、費用をかけることなくプロモーションを行う事ができるようになってきました。

インターネットユーザーの情報を得る手段の選択肢が増えてきたという事でしょう。

検索エンジンGoogleのトラフィック量も頭打ちとなっているようです。

参考記事:Google検索の利用者が減少傾向に。その背景とは
https://www.weblab.co.jp/blog/staff/other/4594.html

Webサイトの制作がメインのナリワイである、Web制作系フリーランスやWeb制作業者にとっては、この傾向は死活問題とも言えるかもしれません。

そしてこの流れはさらに加速することが予想されます。

今回は今後のWeb業界の動向を予測して、Web制作屋がいかに立ち回れば仕事を奪われずに済むか考察していきたいと思います。

Web制作業者の必要性が低下?WebサイトやECサイトの制作にWeb制作の知識が必要ないプラットフォームの登場


テンプレートを選ぶだけ・・Webサイトを作るのにHTML/CSS/PHP/Javascriptの知識がいらなくなった

Webサイト制作の受託案件が減少する原因は、何もSNSの台頭だけではありません。

ペライチ やCLOUD LINE、Wix(ウィックス)、Jimdo(ジンドゥー)に代表されるような無料ホームページ作成ツールを駆使すればHTML/CSS/PHP/Javascriptの知識が無い担当者でも簡単にWebサイトを作成して持てる時代になりました。

昔から無料のホームページ作成ツールは、いくつか存在していましたが、最近の無料ホームページ作成ツールで作成するホームページはクォリティがかなり上がっています。

テンプレートの数も多く、飲食店・クリニック・士業・コーポレートサイト・エンタメ系・アーティスト系など、様々な系統ごとに、キレイなデザインのテンプレートが用意されています。

未熟なWebデザイナーにデザインを依頼するより、クォリティは全然高いであろう水準です。

またデザインがキレイなだけではなく、イメージスライダーや、コンタクトフォームなどスクリプトを書いて実装せずとも利用できるようにもなってきています。

しかも無料なわけですから、Webデザイナーに数十万円という高いお金を支払ってオリジナルなWebサイトを作成しなくても無料の作成ツールで用意すれば良いかと考えるのも無理のない話です。

もちろん、この手の無料Webサイト制作サービスでWebサイトでは実現できない事もあったり、機能面でのデメリットもあるのですが・・・Webサイトはどこで制作しても集客効果は変わらないと判断しているクライアントにとっては、これで充分なわけです。

ショッピングサイトですらWeb制作のスキルが必要なくなってきた


通常のWebサイトはともかく、ECサイトの制作にはWeb制作者の高度なスキルが必須なケースがほとんどでしたが・・・

今はECサイトであってもテンプレートとウィザードに従って必要事項を入力するだけでECサイトが持てる時代になってきています。

代表的なところだと下記のようなプラットフォームなどが挙げられます。

・Yahoo! ショッピング
・BASE(ベイス)
・STORES.jp(ストアーズジェーピー)
・Ameba Ownd(アメーバオウンド)
・Jimdo(ジンドゥー)

自分は昔から楽天RMSやYahooストアクリエイターで、楽天・Yahooのモールに出店するショッピングサイトの作成に携わってきました。

昔はショップサイトのカスタマイズにHTMLやJavascript、CSSなどWeb制作に必要なスキルが求められました。

ただし度重なる仕様変更で、これらのHTMLやJavascript、CSSなどを利用する事がそもそも制限されるようになり、Web制作者の仕事がだいぶ無くなったなぁという感覚があります。

もちろんショップの出店者からすれば、Web制作業者に外注する必要がなくなり、大幅にコストが削減できる訳ですから、その分を、これらのモールに広告費用に割けるわけです。

モールからすれば、Web制作のスキルが無くてもショップを立ち上げ・カスタマイズできるようにシステムを用意した方がメリットが大きいのでしょう。

プロモーションはSNSのみで充分という価値観のクライアントの増加

最近、ビジネスを行う事業者が、Webサイトにリソースを割くよりもSNSのみのプロモーションで充分なのではないかと考える傾向が増えてきたと考えています。

とくに飲食店やアパレル、エステ、美容、音楽教室、スポーツチームなどSNSと相性の良い業態は、Webサイトに頼らずともSNSだけで、多くの集客を達成できています。

SNSはSNSで多くのフォロワーを獲得するのにノウハウや労力が必要で一朝一夕には達成できない面がありますが、Webサイトを作成するよりもハードルが低く、外注費用も必要ないため、Webサイトの制作を専門の業者に外注する事を見送り、事業者自らSNSで情報を発信し、プロモーションする流れが起きているのも納得できる流れです。

また、これまでインターネットユーザーが情報を得る手段が今まで検索エンジン一択だったのが、YoutubeやTwitter、Instagramなど、情報を検索する手段の選択肢が増えたのもWebサイトのみでプロモーションせずに、別のプラットフォームでプロモーションをかけようという流れにつながっている一因でしょう。

Web制作業はオワコンなのか?これからもWeb業界の人材不足が続く理由

とここまで、オーソドックスなWebサイトを制作するという案件自体は縮小傾向が続いている事とその理由について話してきました。

しかしインターネット上での発信情報量自体は日に日に指数関数的に増えていっており、それにともないWeb業界はまだまだ多くの働き手を求めており慢性的な人材不足が続いています。

要は案件の内容が時代とともに変わってきているだけなのです。

例えば一昔前であればAdobe社のFlashを用いたインタラクティブな表現をブラウザ上で表現する手法が盛んであったため、Flashを駆使するエンジニアが重宝され、フラッシャーと呼ばれるそれらのエンジニアには多くの仕事が舞い込んでいました。

その後、Flashの問題点(セキュリティの脆弱性、メモリーの大量消費、指先での操作には向いていないこと)が指摘され、AndroidがFlash非対応となったことをきっかけに、スマホでのインターネット閲覧環境の増加に反比例するように、Flashの存在価値は薄れ、ついには姿を消すこととなりました。

当然、Flashというスキル・プラットフォームをナリワイにしていたFlashエンジニアは、別の仕事を見つけざるをえなくなったわけです。

オーソドックスなWebサイトを制作していたフリーランスにも、これと同じことが起きようとしているわけです。

インターネット・Web業界には、日々様々なプラットフォームやソフトウェア・言語・スキル・バックボーン・Webサービス・SNS・概念が登場してきており、日々それらに付随する関連ビジネスが誕生しています。

要はWeb系フリーランスは、一度身につけたスキルで一生食べ続けるというのは、現実的には無理で、日々Web業界の動向を見定めつつ、新しいメシの種を開拓し続けなくてはならないということです。

変化が激しすぎるWeb業界で生き残るためのフリーランスの立ち回り方


仕事が終わることを予め想定する

終わらない仕事はない・・・わかりきっている事なのに、長く続いたクライアントとの案件が終わりを告げると、かなりの絶望感に苛まれますよね。

気持ちはわかりますが、案件はいつかは終わる・・というよりはじめから数か月以内には終わるものとして予測して立ち回る事が必要になります。

むしろ一社のクライアントに収益の大部分を依存した状態で、長らく恩恵を受け続ける状況は非常に不健全です。

同じ業務内容で、毎月コンスタントに報酬があてにできる状態になると、フリーランスはついつい胡坐をかいてしまうものです。

スキル獲得や、今のWeb業界はどのような動向になっているかアンテナをはることも怠ってしまいがいちです。

であれば、今ある仕事は遠くない未来に必ず終わるものとして想定して、先手先手を打ち続ける、そんな姿勢が必要だということです。

フリーランスは複業ワーカーを意識する

多角化は多悪化という、ネガティブな表現もありますが、Web制作の仕事と別の仕事をいくつか並行して走らせておくと収益が非常に安定しますし、精神的にも非常に楽になります。

同じWebの仕事でも、エンジニア(プログラミング)系の案件、デザイン系の案件、マーケティング系の案件、ライティング系の案件、運用・保守系の案件など、分散したり、一社のクライアントからの報酬がじぶんの報酬の大部分を占めるのを回避して、クライアントを分散させたりなど収益源を分散するわけです。

コツとしては報酬は良くても、多くの時間を拘束される仕事はあえて見送り、小さな拘束時間で細かい報酬の案件をたくさん請けるというものです。

経営が非常に安定していくのがわかると思います。

特定のクライアントに依存しなくても良くなるため、変な気を遣ったり、足元を見られて立場が低くなったりすることも無くなり、フラットな気分で毎日仕事に打ち込むことができるようになります。

組織にして利益を追求する株式会社であれば、そんなスタンスでの働き方は難しいかもしれませんが、フリーランスであればあくまで自分個人と家族が幸せに生きていくために必要最低限のお金を稼げば充分な訳ですから、幸福度の高い働き方を自ら設計できるフリーランスはやはり魅力的なのです。

マーケティング分野にとことん精通すべし

やはりマーケティング分野にはお金が集まるなぁと実感しています。

また、マーケティング分野はブラックボックス化されている事が多いため、クライアントに費用を出してもらいやすいという特徴もあります。(良いか悪いかは別にして)

たとえばインターネットの特に検索エンジン上で露出を増やすSEOなどは、クライアントにとっては是が非でも何とかして欲しい気持ちはあるものの、どのような施策で実現しているかは見えずらく、報酬はマーケティング業者の言い値になってしまうことが多い状況です。

そもそもWebマーケティング会社であっても、Googleの内部情報を得る事はできないので、どうすれば検索エンジン上で露出を高められるかは、それまでの経験則に頼って試行を繰り返すしかないわけです。

ただそれでも、やはりWebマーケティング工程がプロモーションがうまくいくかどうかにダイレクトに関わっているので、ここに一番の予算が投入されます。

Webにまつわる仕事にもお金が稼ぎやすい職種と、稼ぎずらい仕事が存在しているのです。

今からスキルを身につけるのであれば、Webマーケティングはおススメ中のおススメです。(変化が激しく最新のマーケティングスキルを維持するのは大変ですが・・・)

強いて死ぬまで食えるスキルを挙げるとすれば営業術

せっかく身につけたスキルであっても、時代の流れとともに陳腐化して、Web業界でのニーズが最盛期よりだいぶ少なくなることが多々あります。

ただ卓越した営業スキルがあれば、ぶっちゃけ仕事に困る事はありません。

そういう意味では最新のスキルやWeb業界の動向を負うよりも、絶対的に突出した営業スキルを身につける方が優先度が高いかもしれません。

むかし、ソフトウェアの輸入代理店で働いているときに、お世辞にも魅力的とは思えないダメソフトウェア商品を、売りさばく営業マンたちはやはり凄いなぁと思ったものです。(心情的には苦しいでしょうし大変でしょうけど)

もちろん提供するサービスがハイクォリティで、他の業者でもなかなか代替えできないような水準であれば、商品やサービスはほっておいても売れますけどね・・・。

自分のスキルに自信が無いのであれば、ぶっちゃけ、スキルを磨くよりも、営業術を身につけた方がよっぽど仕事にはありつけます。

それが長い間Web業界に身を置いてきた自分が悟った現実です。

AIで代替えできない仕事とは?

昔は写真のレタッチや背景の切り抜きだけでもある程度のお金を稼ぐことができました。

今はPhotoshopやスマホの標準の機能で一瞬で実現することが可能になりましたので、写真のレタッチや背景の切り抜き程度ではほとんど稼ぐことはできなくなりました。

さらに現在は人間でなくては無理だと思われていた高度な芸術的なしごともAIがこなすことができるようになってきました。

このAIの進歩は日々加速していますので、AIでは出来ず、人間だけができる仕事というのは年々少なくなってきています。

Webサイトやショッピングサイトを作成するのも、ウィザードで好みのデザインを選択して、必要事項を入力するだけで作成できてしまいますしね。

結局、AIで実現・穴埋めできないものって、AIやロボットではなく、人と接したいという気持ちを満たすことかなと思っています。

効率とか生産性で言えば、正直AIやロボットに勝つことはできないでしょう・・・

そんな事より、この人と仕事をしていると楽しい、この人に仕事を依頼したい、この人、単純に楽しい・応援したい・・そんな気持ちを満たせる人材になる。

ここにこれからの時代の秘訣があると考えています。

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