■ 地方局記者と「リアルアトツギ」。異なるバックグラウンドを持つ2人がベンチャー型事業承継に飛び込んだ理由
ーー 今回は社団で活躍するメンバーに集まってもらいました!コニーは元地方テレビ局の記者、ビフは実家が久留米の老舗(甘味処)を営む3代目のリアルアトツギです。まずは、それぞれどんな経緯で社団に参画したのか教えてください。
コニー(元記者):私は元々、岡山のテレビ局で記者をしていました。マスコミの仕事はやりがいもありましたが、「取材して終わり」という点にどこかモヤモヤしていたんです。対象者の方と継続的に深く関われないのが寂しくて。
そんな時、取材で同世代のアトツギ(株式会社マクライフの牛垣希彩さん)にお会いしました。お父様の仕事も含めて自分の会社に誇りを持ち、目をキラキラさせて語る姿に強烈な衝撃を受けたんです。「私もこんな風に誇りを持って、挑戦する人を一番近くでサポートできる仕事がしたい」と。
その後、転職のタイミングで『アトツギ甲子園』を運営するベンチャー型事業承継を知り、「ここだ!」と飛び込みました。
ビフ(寄り道採用・アトツギ):僕の場合は、かなり特殊かもしれません。大学中退後、就活もせずにすぐ福岡の家業(甘味処)に入りました。20代はずっと家業の改革に挑み、新規事業でアイスクリームメーカーを立ち上げたりしたんですが、社内からは反発ばかりで、全て跳ね返され続けてしまって。
「どうにかしたいのに歯車が合わない」と自営業の難しさに少し疲れていた今年、今までの失敗も含めて自分のアトツギとしての経験や苦労が一番活きる場所を探そうと、Wantedlyで会社を探し始めたんです。そこでベンチャー型事業承継を見つけたのがきっかけです。
※「寄り道採用」とは: 家業に入るまでの数年間など、時限的に勤務する採用形態。全国の事例や人脈を吸収しながらアトツギとしても成長できる機会となる。
■ リアルアトツギが「隣の席にいる」環境が、支援の解像度を爆上げする
ーー 支援者(PM)であるコニーから見て、ビフのように「当事者(アトツギ)」が同僚として隣で働いている環境って、どんなインパクトがありますか?
コニー: 私は外部から入ってきたので、最初は『アトツギ甲子園』のようなキラキラした表面しか知りませんでした。さまざまなペイン(悩み)があることを頭では理解していても、本当の泥臭い悩みまでは解像度が上がらなかったんです。
でも、社団のオフィスにはリアルアトツギがメンバーとして隣にいて、普段の雑談の中で「家業で今こんなことに悩んでて…」という生の話が聞こえてくる。教科書やニュースじゃない「当事者の生の声」をリアルタイムで聞けるので、アトツギに対する解像度が格段に上がります。お互いをリスペクトしている仲間だからこそ、深い悩みも打ち明けてもらえるのは本当にありがたい環境ですね。
ビフ:僕にとっても、この「寄り道」は家業を客観視する最高の機会になっています。自分の家業の中に閉じこもっていると、どうしても主観的になりすぎて自社の強みや資産が見えなくなってしまうんです。
でも、社団で全国のいろんなアトツギとフラットに関わることで、「あ、うちの家業の強みって実はここなのかも」と客観的に見分けがつくようになりました。
実は先日、しばらく距離を置いていた家業で予期せぬ出来事がありました。そうした家業の突発的な事情や悩みに対しても、メンバーが「ビフ、家業を優先していいからね!」と当たり前のように背中を押してくれる。アトツギの挑戦を本気で肯定してくれるこんな環境、他に絶対にないなと感じています。
■ 「正解のレール」はない。大企業やマスコミとは180度違う仕事の面白さ
ーー 前職での働き方と比べて、社団のカルチャーや空気感で驚いたことはありますか?
コニー:180度違いますね!マスコミ時代は自分のやるべきタスクが明確に決まっていて、与えられた役割を全うする仕事でした。でも社団には決まった正解も前例もありません。「組織やアトツギのために、自分はどう動くべきか?」を自ら考え、カルチャーそのものを育てていく感覚です。
最初は「ゼロイチの環境で、私にどんな価値が出せるんだろう」と悩むこともありました。でも、社団には本当にいろんなバックグラウンドの人が集まっていて、それぞれの経験を武器にアトツギに向き合っている。「正解がないからこそ、自分自身の経験やスタンスで勝負していいんだ」と気づいてからは、毎日が刺激的で本当に楽しくなりました。
ビフ: 僕は、自分で事業を立ち上げるといった、1人でゴリゴリ推進していく仕事ばかりしてきたので、「チームで仕事をする」という経験が初めてでした。それだけでホウレンソウの重要性を改めて実感しましたし、すごく鍛えられています。
福岡県庁のプログラムで集客の壁にぶつかった時も、今までの社団が築いてきた信頼関係があったからこそ、はじめましての人たちにも泥臭くメッセージを送って協力してもらうことができました。自分で殻を破って一歩踏み出し、人を集めきれたのは、小さいけれど大きな成功体験になりましたね。
■ 漢字の「後継者」が、ベンチャー精神を持つカタカナ「アトツギ」に変わる瞬間に立ち会える喜び
ーー 社団のPMとして働いていて、一番嬉しい・やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
コニー:プログラムの初日って、最初は「ベンチャー型事業承継って何のこと?」となっている参加者(後継者)の方も少なくないんです。
でも、3ヶ月のプログラムを通じて自分の家業の可能性に気づくと、最終発表ではみんな目の色が変わっているんですよ。「ベンチャー型事業承継という考え方に出会えてよかった」「自社や地域にも可能性があるんだと気づけた」と感謝してくれる。
人の意識が変わる感動的な転換期に一番近くで立ち会えること、そして卒業後も温かいコミュニティとして繋がり続けられることが、この仕事の最大の喜びです!
■ 最後に:応募を迷っている同世代の求職者・アトツギへメッセージ!
ーー 最後に、この記事を読んでいる同世代の挑戦者へメッセージをお願いします!
ビフ:家業以外の仕事を検討しているアトツギにとって、社団はこれ以上ない最高の選択肢です。家業の悩みを本気で理解し、応援してくれる仲間しかいません。迷っているアトツギがいたら、ぜひ一度飛び込んできてほしいです!
コニー: 社団に入った初日、代表理事のジルから「この仕事に正解なんてない。でも正解がないのを切り拓いていくのが楽しいんだよね」と言われた言葉がずっと心に残っています。
決まった型がないからこそ、やったことがない挑戦をチーム全員で楽しめる環境です。「自分の手で未知のカルチャーを創ってみたい」という野心を持った方と一緒に働けるのを楽しみにしています!