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人生が上々になるクリエイターの9ルール/後編

クリエイターが大切にしている「人生が上々になるための9ルール」の後編です。

それでは【クリエイティブ界の吉田松陰・村上モリローの上々村塾(じょうじょうそん塾)】後半戦もスタートです!

5.可能性より必要性

いきなり禅問答のような言葉が飛び出してまいりました。これは一体どういうことなのかモリロー氏に聞いてみると・・・

「たとえば、小麦粉を一切使わないうどんを作りたい!という企画があがったときに、それを実現するのはめちゃくちゃ難しいと思うんですよ。ただ小麦粉を使わないグルテンフリーの食品は、小麦アレルギーの人にとっては、間違いなく必要なもの。できるかどうかという可能性よりも、必要性があるプロジェクトなら、やるべきだという考え方です」

なるほど、できる・できないではなく、必要とされているか・どうか、ということですね。

「人って可能なことをやりがちですけど、それってクリエイティブじゃないないな、と。できることだけをやっていたらイノベーションなんて起こりませんから」

確かにできることだけをしていたら、進化とか進歩というのは止まります。クリエイティブって、文字通り「創造」することなんですね。

6.二番煎じ禁止

模倣とか、パクりとか、クリエイティブ業界は特に厳しいイメージがあります。これだけ情報が簡単に集められる世の中になると、模倣のリスクはどんどん増えていきそうですが・・・

「よく言われるのが、『あの店は売れているから、ああいうイメージの看板やメニューのデザインにしたい』という相談。でもそれって、たとえば同じ業態の飲食店でも、まったく同じ条件というのはないわけで。想定しているターゲットが同じだったとしても、お店の場所が違えば、そこに住んでいる人も違う。全く同じ条件ってあり得ないので、二番煎じは成立しないんですよ」

それでも、この商品売れているから、と言ってくるクライアントもいそうですが・・・

「同じことやったら絶対失敗しますし、自分に嘘をついてまで仕事はしたくないですね」

こういう業界だけに自分たちが手がけたデザインに近いものを見かけることもあるようで。

「クリエイターとしては、やっぱりイヤなんですよ。このデザインって、うちのと似ているなって。それを思うと、誰かのデザインを真似て誰かが不幸になる仕事は、『人生が上々』になっていない。そういう仕事は絶対にやらないようにしようとメンバーにも伝えています」

7.人の心を動かす




一見、人を動かすのが広告、というイメージもありますが、人の「心」を動かすのが重要だというモリロー氏。

「30%オフというPOPをつければ、人は動くかもしれないけれど、人の『心』までは動いていません。アイデアもなく、有名人や著名人をただ起用するだけの広告も、お金や人は動くかもしれないけれど、人の心は動いていない。心が動いていないから意識までは変わらない。意識に定着していないから、結局また人を動かすための広告を出さなきゃいけない。結果、お金ばかりかかってしまう。そのやり方では、地方だとやっていけないんですよね」

モリロー氏が代表をつとめる「(株)人生は上々だ」の拠点は香川県。四国という地方こそ、人の心を動かすクリエイティブが必要だ、というのがモリロー氏の持論のようです。

「うちはブランディングまで手がけるので、記憶に残ってなんぼ、というか。長期記憶って、心が動くからこそ残っていくものなんです。人を動かすための力技のクリエイティブだけじゃなくて、心を動かすためのクリエイティブが、地方の中小企業には不可欠だと思っています」

心を動かす、というのも絶妙なバランスが必要そうですね。強引に心を動かしても意味がないというか。

「そうなんです。動かす、と言ってもクリエイターのエゴになってはいけない。いかにエゴにならないようにするか、というところにアイデアがあるんですよ。その広告を見た人が『エゴ』ではなく、『愛』を感じてもらえるような」

エゴより、愛。深い言葉です・・・簡単に言えば、広告を見た人が「大きなお世話だよ!」と感じるか、「自分のために言ってくれている!」と感じるかどうかの違いかもしれません。

8.選択と責任

純文学のタイトルみたいですね。モリロー氏は高校や短大で講義をすることもあるようで・・・

「高校生によく言うのが、この先の進路でAとBという道があったとして、自分はAに行きたいと思っていたのに、親に言われてBに行ったとします。そのBの道で挫折したときに、やっぱりAに行っておけば良かった、親のせいや、と人のせいにしていたら成長することはないよ、と伝えています」

何かを選ぶときに、しっかりと自分で責任を持つということですね。

「人のせいにするのは、自分の頭で考えていない証拠。もしBの道を親に言われて選んだとしても、それは自分の責任という意識があれば、なんでダメだったのか振り返ることもできるし、自分ごととして捉えているから次への切り替えも早くなるんです。これを他人や環境のせいにしている限りは、一歩も前に進めないんですよ」

人に言われたから・・・という話をしたら、そこで終わり。仕事でも、上司に言われたから、というところで思考が止まっている人は、ただの伝書鳩でしかないとつくづく感じます。

県立高松北高等学校での講演に様子



株式会社人生は上々だ
村上モリローが代表を務めるクリエイティブカンパニー。地域や企業のブランディング、広告、PRの提案から、販路開拓支援まで、様々な課題をクリエイティブでよくし続ける会社。 牟礼町牟礼261-2, Takamatsu-shi, Kagawa, Japan 761-0121
https://www.facebook.com/scurtomm88/?ref=nf&hc_ref=ARSY_WjEHHmS60GTVXGaipeV7UFyk4G6JqcNzgNDfCyqHpC6c72OMnG17AFTe_nqy7o

9.ここが世界の中心

かつてモリロー氏が、広島を拠点に世界で活躍する建築家・谷尻誠さんと話をする機会があったときに、「ここが世界の中心」という想いを強く持ったようです。

「地方だから、というのはできない理由にならないな、と。地方を言い訳にもできんし、ここで踏ん張って色々な仕事をしてやろうと。東京が世界の中心でもないですし、『人生は上々だ』がある高松市牟礼町を世界の中心と思えば、やれないことはないと思っています」

ちなみに高松市牟礼町の隣町・庵治町は、映画「世界の中心で愛を叫ぶ」のロケ地にもなっています。人それぞれに世界の中心があるということですね。



映画ロケ地巡り | 牟礼町庵治町あれこれ
2004年に公開された「世界の中心で愛を叫ぶ」は、観客動員数620万人を記録し、この年の実写映画No.1として、"セカチュー"ブームを巻き起こしました。その主人公、朔太郎が回想する故郷のロケ地となったのが庵治の海と街並み。瀬戸内海の澄んだ海が登場人物の心象風景と重なり、数々の名場面を生みました。今回はロケ地の中でも、特におすすめのスポットをご紹介。その場所に立てば、今も変わらず映画の世界が蘇...
https://mureaji.jp/?cat=32

「デジタルが発展したから、情報の差がなくなったとかそういった話ではなくて、地方を拠点にするクリエイターとしての感覚とか覚悟の問題です」

モリロー先生!力強いお言葉ありがとうございました。

まとめ

モリロー氏による「人生が上々になるための9ルール」いかがだったでしょうか。前編・後編に渡りお送りしてきましたが、クリエイティブの枠を超えて役に立ちそうな考え方が満載でした。さすが、クリエイティブ界の吉田松陰!
次回は、モリロー氏のクリエイティブに対する想いをさらに掘り下げてみたいと思います。

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