1945年創業、10万点の調理道具で日本の「食」を支える岸保産業。私たちは今、創業80年を前に変革を加速させる「第二創業期」の真っ只中にあります。老舗ならではの盤石な基盤を持ちながら、ベンチャーのように「若手に本気で大きな裁量を任せる文化」が私たちの何よりの強みです。
今回は、そんなカルチャーを象徴する「九州での一大展示会プロジェクト」にフォーカス。
大抜擢されたのは、若手営業コンビの浅野さんと唐木さんです。認知度わずか2割という完全アウェイの地で、プロジェクトの主導権を丸ごと託されました。 「失敗してもいいからやってみな」——。トップの言葉を背に、次々と降りかかる予期せぬ壁を二人はどう泥臭く乗り越えたのか。
大舞台で度胸を発揮し、確かな手応えを掴むまでのリアルな舞台裏に迫ります。
目次
1. 「失敗してもいいからやってみな」大きなボールを若手に託す、岸保産業の器
――まず、今回の展示会プロジェクトのメインメンバーに大抜擢された時、率直にどんなお気持ちでしたか?
浅野: 率直に言うと、「びっくり」と「嬉しい」が半分半分でした。まだ入社3〜4年目で経験も浅い中で、「自分たちで好きなようにやってみなよ」と大きなボールを渡されたので、もちろん不安もありましたね。しかも、僕は九州エリアのお客様を担当しているわけでもなかったので、「なぜ自分が!?」という驚きの方が最初は強かったです(笑)。
唐木: 私も同じです。任せてもらえる嬉しさと同時に、何もわからない状態からのスタートだったので不安ばかりでした。でも、プロジェクトを終えた今振り返ると、「本当に経験してよかったな」と心から思っています。
――代表の岸さんからは、「失敗しても成功してもどっちでもいいから、とにかくやりたいことをやってみてほしい」という言葉があったそうですね。お金も大きく動くイベントで、そう言ってもらえる文化についてどう感じましたか?
浅野: 実は以前、代表の岸と四国へ同行させていただく機会があったんです。その時も岸は「失敗を恐れて何もやらないというのは求めていない。転けてもいいから、実際にやることで色々な経験を積むことが大事だ」と話していて。
ビジネスである以上、失敗しても成功しても最後には責任がついてまわりますが、トップである岸自らが「責任は私が持つから、全力で思いっきり挑戦してください」と声をかけてくださった。だからこそ、私たちは余計な恐怖心を持たずに、安心して「とにかくやってみよう!」と前を向いて突き進むことができました。
唐木:経営者から直接そういう言葉をかけてもらえるのは、うちのような規模感の会社ならではの良さだと思います。普段から「やらないよりは、まずはやってみよう」という挑戦を後押ししてくれるスタンスが会社全体に根付いているので、若手としてもすごく意見が言いやすく、やりやすい環境ですね。
2. 繁忙期と出産、そしてカタログ白紙。次々と降りかかる壁をどう乗り越えたか
――2月半ばに任命されてから5月の本番まで約2ヶ月半。準備期間は会社が一番忙しい「3月の繁忙期」の真っ只中で、かなりタフなスケジュールだったと伺いました。
浅野: 結論から言うと、めちゃくちゃハードでした(笑)。繁忙期はいつも以上に大きな案件が重なるので、日々の業務だけでスケジュールがパツパツになってしまうんです。
さらに個人的な話ですが、ちょうどその展示会準備のラストスパートの時期に、妻の出産が重なりまして……。本当に怒涛の日々だったのですが、そこは同じ課のメンバーが僕の顧客対応を代わりに引き受けてくれたり、唐木さんや上司でアドバイザーとしてチームに参加した宮内さんが僕の抜けた穴をカバーしてくれたりしました。周りのメンバーが当たり前のように手を差し伸べてくれる「横の繋がり」の強さがあったからこそ、乗り越えられたなと感じています。
――さらに準備の途中で、中東情勢によるメーカーの値上げラッシュの影響を受け、メイン目的だった「最新の自社カタログを現地で大量に配る」という計画が急遽白紙になりました。やるべきことが一瞬見えなくなった時、どうやってモチベーションを立て直したのでしょうか?
唐木: 正直、あの瞬間はモチベーションが下がりましたね。「これからどうする!?」と。でも、浅野君や宮内さんと3人で話し合っていくうちに、だんだんポジティブにシフトチェンジしていけたんです。
よく考えてみたら、弊社の自社カタログって辞書みたいに分厚くてすごく重いんですよ。展示会に来るお客様にとっても、持ち帰るのって実は至難の業なんです。だから「最新カタログを大量に余らせなくて逆に良かった。目的を『カタログを配ること』から、『ユーザー様の生の声やエリアのトレンドを徹底的に拾ってくること』に変えよう!」と、前を向くことができました。結果的に、既存のカタログを持っていって活用したのですが、半分以上はお客様が「欲しい」と持ち帰ってくださったのも嬉しかったですね。
3. 「愛知の強み」を武器に、認知度2割程度の九州エリアで掴んだ確かな手応え
――迎えた展示会当日。ブースの配置やプロモーションもお二人でかなり考え抜かれたそうですね。新潟に競合他社が多い中、愛知に拠点がある岸保産業ならではの強みをどうアピールしたのですか?
浅野: 九州エリアにおけるうちの認知度は、正直2割程度。8割くらいのお客様は私たちの社名すら知らない状態でした。ただ、新潟の商社さんの名前はみんな知っていたので、逆に比較がしやすかったんです。新潟から九州へ配送すると2日かかりますが、日本の真ん中である愛知に大型倉庫を持つうちなら、翌日午前にお届けできる。この物流の利便性をフックにすると、お客様もすごく興味を持ってくれました。
ただ、ブースの前を素通りされてしまっては意味がないので、足を止めてもらう工夫として、ポップコーン機やかき氷機を設置して実食できるようにしたんです。お客様が会場の通路で立ち止まると邪魔になってしまうので、「こっちから人が流れてくるから、機械はここに置いて、立ち止まったらブースの中に引き込もう」と、動線や配置も自分たちで1から設計しました。作戦が綺麗にハマって、たくさんの人がブースに足を止めてくれた時は快感でしたね。
――岸保産業はユーザー様(飲食店やホテル)への直接販売ではなく、現地の「代理店(販売店)様」を通したビジネスモデルです。事前のフロー構築や調整も難しかったのではないでしょうか?
浅野: そうなんです。専門商社だからこその難しさというか、「やることがとにかく多い」のを実感しました。メーカーとして出展するなら自社の商品知識を生かして細部まで説明することがメインになりますが、私たちは他社(メーカー)の商品を扱って出展します。展示会で初めて触る機械もありましたし、ホテルのビュッフェ担当の方などプロの顧客が来られた際、的外れな提案にならないよう、事前に商品知識を一生懸命キャッチアップしました。
さらに、展示会で興味を持ってくださったユーザー様近隣の「代理店様」へスムーズに見積もりを繋げられるよう、事前の確認フローを社内の各営業マンと連携して作ったり、仕入れに関しては「購買部」、お金に関しては「管理部」など、社内中の部署や多くのメーカー様を巻き込んで調整していく必要がありました。動かしている規模の大きさを肌で感じた瞬間でしたね。
唐木: 当日はメンバー4〜5名で、事前に作った「ヒアリングシート」を元にお客様が今何を求めているのかを徹底的にヒアリングしていきました。結果として、当初予定していた目標枚数のシートと名刺を獲得することができ、大きな手応えを感じました。
宮内さんからは「二人は度胸があって商談を完結させていた」と褒めていただきましたが、実際は必死に情報交換をして、次のステップへ繋げたという形です。でも、現地で新規の取引依頼をその場で数社から持ちかけられた時は、大きな達成感がありました。
――普段のルート営業と、展示会という100%新規の場。プレッシャーの違いなどはありましたか?
唐木: もちろん初めて提案する機械への不安や、どれだけ人が来てくれるかという緊張はありました。ただ、私個人の感覚としては、実は新規営業よりも、普段の既存のお客様への「ルート営業」の方が難しいと感じているんです。
ルート営業は、これまで先輩たちが築いてきた大切な信頼関係を「絶対に切らさずに継続・深掘りしていく」という大きなプレッシャーや気遣いがあります。それに比べたら、新規のお客様が集まる展示会は、もし門前払いを食らってしまってもそこで終わり。だからこそ、変に怖がらず、ルート営業で培ったコミュニケーション力を信じて、度胸一発で積極的に声をかけることができました。
4. 「緩めのブレーキ」で若手を守る、老舗商社の手厚いサポート体制
――展示会初挑戦のお二人を、統括の宮内さんはどのように支えてくれたのでしょうか?
浅野: 宮内さんは本当に「緩めのブレーキ」を踏んでくれる存在でした(笑)。基本的には僕たちのやりたいことを100%尊重して、好きにやらせてくれるんです。その上で、僕たちが行き届かないメーカー様との折衝や連絡を快く引き受けてくれたり、見えないところで裏の調整や根回しを完璧にやってくださっていました。
あと、何より今回は唐木さんと一緒にこのプロジェクトをやれたことが本当に大きかったです。年齢も同じで、社内で一番何でも話せる仲間なんです。他の人だったら、ここまで楽しく、お互いを補い合いながら突っ走ることはできなかったなと思います。
唐木: 宮内さんが常にバックについて、セーフティーネットとして見守ってくれていた安心感は凄まじかったですね。だからこそ僕たちも思い切り動けました。
岸保産業は、トップである岸社長にしっかりと思いをぶつけて「GO」が出れば、若手の意見でも本当に実現できる会社です。サポート体制の厚さと風通しの良さは、働いていて本当に心地いいなと感じます。
5. 「突っ込む度胸」と「なんとかなる精神」。未来の仲間に求めるもの
――この一大プロジェクトをやり遂げた経験は、今後のキャリアにどう活きてきそうですか?
浅野: 私たちが扱っている商品は、極論、同業他社からでも買えるものです。だからこそ、お客様の状況をしっかりとヒアリングして、他社が気づかない提案をこちらから仕掛けにいくプロセスが一番面白い。今回の展示会で、現場のリアルな状況やニーズを直接肌で知ることができたのは、今後の提案の幅を広げる上でものすごい武器になったと感じています。データを分析して、自分の提案がハマって数字が出たときの楽しさを、もっと追求していきたいですね。
唐木: この展示会での経験や、仕入れた最新の情報・知識は、確実にこれからの仕事に直結しています。例えば今後、僕たちのお客様(販売店様)が自ら展示会に出展されるとなった時、「こういう見せ方をすると人が集まりますよ」「今九州ではこれが流行っていますよ」と、今回のノウハウを共有して頼られるパートナーになれる。
出張先やプライベートで飲食店やホテルに行った際、自分が提案した調理器具や機械が実際に厨房に置かれているのを目にすると、「あ、日本の食文化のインフラを自分たちが支えているんだな」と、たまらないやりがいを感じます。
――最後に、これから岸保産業への応募を考えている未来の仲間に向けて、メッセージをお願いします!
浅野: 一貫して思うのは、失敗するのにも、新しいことに挑戦するのにも「度胸」が必要だということです。だから、失敗を恐れずに「ゴリゴリ前に突き進める度胸がある人」は、うちの会社にめちゃくちゃハマると思います。「すごいやつが入ってきたな!」と、みんなが興味を持ってチャンスをくれる風土があります。前向きなやる気さえあれば、いくらでも輝ける環境です。
唐木: 僕は「なんとかなる精神」を持っている人と一緒に働きたいですね。仕事を進める中で、不安なことや準備がスムーズにいかないことは絶対にあります。でも、そこで立ち止まらずに「最終的にはなんとかなる!」と前向きに考え、行動できる若い人は、この会社で間違いなく期待されて、どんどん面白い仕事を任せてもらえるはずです。そんなポジティブなエネルギーを持った方と、ぜひ刺激し合いながら一緒に働きたいですね!
――数々の壁をリアルに乗り越えたからこその、熱いストーリーをありがとうございました!
6. 編集後記
80年の歴史を持つ老舗専門商社でありながら、入社3〜4年目の若手にプロジェクトの主導権を丸ごとパスする。岸保産業には、そんな圧倒的な「若手の裁量権」と「挑戦を称えるカルチャー」がありました。
ただ自由にやらせて放置するのではなく、先輩や上司が「緩めのブレーキ」となり、裏で全力のセーフティーネットを張ってくれているからこそ、若手は孤独を感じず、物怖じせずに大舞台で度胸を発揮できる。
「伝統」という盤石な土台を最高の「踏み台」にして、自分の力でビジネスを動かしてみたい、前向きに打って出たいという方にとって、ここは最高の挑戦の舞台になるはずです。
インターン篠田より: 記事を読んで少しでもワクワクしてくださった方、まずはフランクにカジュアル面談でお話ししませんか?「話を聞きに行きたい」ボタンからのご連絡、心よりお待ちしています!