後輩から質問が来ました。
「この製品のこの挙動なんですけど……対処法わかりますか?」
出てきたのは私が一度も触ったことのない製品名でした。
エンジニアならこの瞬間の内心をわかってもらえると思います。
「触ったことがない」のは事実。でも知ったかぶりは事故のもと。調べるにしても公式ドキュメントは数百ページ、issueも山ほどある。従来ならここから数時間コースで、少々気が重い話です。
こんにちは。株式会社トレスアルコンです。
(この連載のこれまでの話:[Vol.1]・[Vol.2])
今回はこの「数時間コース」が15分になった話です。
AIに「読む」を任せた
やったことはシンプルです。
その製品の公式ドキュメントとissueをAIに読ませて、後輩が直面している事象を伝えて「該当箇所と対処法の候補を挙げて」と指示しました。
15分後、手元にあったのは:
・膨大なドキュメントの中から抽出された「該当する記述」
・既知の不具合との照合結果
・対処法の候補(複数、根拠つき)
私がやったことは 候補を読んで妥当かどうか判断すること です。
「奪われた」のは仕事ではなく苦役だった
この経験のあとタイトルの意味が自分の中でハッキリしました。
AIに奪われたのは「数百ページを人力で読む時間」です。
残ったのは「アウトプットの妥当性を判断して、責任を持つ」という仕事。
正直、奪ってくれてありがとう!!という感想しかありません。
そして後輩には「触ったことがない製品でもここまでは自力でたどり着ける」という調べ方をまるごと共有できました。Vol.2で書いたTeamsのおかげでこのやりとりは社内全員に見えています。
私たちの会社でAI活用は「恐る恐る試す特別なこと」ではなく、日常の道具になりつつあります。それも誰かに言われたからではなく、自分自身が「楽になるから」使っている。この順番が大事だと思っています。
あなたが最近AIに任せて「一番助かった」仕事はありますか?
次回Vol.4は、こうした新しいやり方を試すときの合言葉——「前例がない」は、やらない理由にならない という話です。