なにをやっているのか
会議の様子
INCUBSTE CAMP 18THに登壇
医療を“人生”から再設計する。「SaaS」と「個人の支援」で、医療とケアのあり方を変えていく。
私たちは、「医療を人生から再設計し、“個”の限界を超えて価値を届ける」をミッションに掲げる、医師発のヘルステック・スタートアップです。
医療現場が抱える構造的な課題に対し、「業務の仕組みを変えるBtoB事業」と「働く個人の人生を支えるBtoC事業」の2つのアプローチで挑んでいます。
1. 医療DX事業(BtoB):在宅医療SaaS『kowairo』
在宅医療・介護の現場で使われる「音声認識 × 生成AI」プロダクトです。
訪問看護や診療の現場では、患者さんと話した内容をメモし、事務所に戻ってからPCに打ち込み、さらにケアマネジャーや医師への報告書を作成する…という「記録の多重苦」が存在します。これが、医療者の時間と精神的余裕を奪っています。
『kowairo』は、訪問中の会話をスマホで録音するだけで、AIが自動で記録・要約・報告書作成までを行います。 これまで二重・三重の転記が必要だった業務をワンタップで完結させ、**「本来向き合うべき患者さんとの時間」**を取り戻します。
しかし、私たちが目指すのは単なる効率化ではありません。 会話データから、バイタル数値だけでなく**「その人の価値観」や「これまでの人生背景」**までも掬い上げ、多職種チームで共有する。 病気だけでなく「その人らしさ」が真ん中にある医療(ACP:人生会議)を実現するための、新たな情報インフラを構築しています。
2. ライフ・リデザイン事業(BtoC):個を守り、人生を再起動する
現場の仕組みを変えるには時間がかかります。しかし、その変革を待てず、過酷な環境で心身の限界を迎えてしまう「個」が今、目の前にいます。
この課題に対し、私たちは外部の専門家に頼るのではなく、代表である医師、そして看護師や医学生が集う「医療者チーム」として真正面から向き合います。 現場のリアルな痛みを知り尽くした私たちだからこそ、単なる手続き代行ではなく、人生のフェーズに合わせた一気通貫の支援を行います。
▼守る(退職・給付金サポート) 「辞める=逃げ」ではなく「戦略的な撤退」と捉え直し、医学的見地からの退職支援と給付金サポートを提供。経済的な不安なく休息し、心身を回復させるための時間を確保します。
▼攻める(キャリア支援) 心身が回復した後は、その人の価値観や適性に合った「本当に輝ける場所」へのマッチングを行います。訪問看護に限らず、医療職からビジネス職まで、企業都合ではなく「個人の人生」を主語にしたキャリア支援を展開しています。
「痛みを知る医療者が、自らの手で仲間を守り、次へ送り出す」。 それが、私たちがこの事業を展開する理由であり、他の誰にも真似できない強みです。
▼現在のフェーズ 2025年5月に『kowairo』β版をリリースし、現在は20施設近くで実証実験を展開中。現場からの熱烈なフィードバックをもとに、週単位でのアップデートを繰り返しています。 今後は訪問診療やケアマネジャー向けにも展開し、地域医療全体のOSとなることを目指しています。
なぜやるのか
エンジニアの小笠原
きっかけは、医師である私自身の“後悔”でした。「個人の限界」を超えなければ、救えないものがある。
▶救えなかった「対話」の時間
ある癌患者さんを診ていた頃の話です。 当時、勤務医だった私は、満員の外来と膨大な書類作成に追われる日々を送っていました。 診察室に入ってきたその方に、PC画面を見ながら「調子はどうですか?」と聞くと、その方は「大丈夫です」と静かに微笑みました。
しかし数週間後、その患者さんの状態は急変してしまいました。 後からご家族に聞いたのは、こんな言葉でした。 「先生が忙しそうだから、長く話すのは悪いと思って言えなかった」
その瞬間、頭を殴られたような衝撃を受けました。 私は「医療」を提供していたつもりで、一番大切な「患者さんの不安」や「小さな変化」を取りこぼしていたのです。
▶仕組みの限界、個人の限界
医療者の手を縛り、患者さんの口を閉ざさせているのは、**「非効率な仕組み」と「余裕のなさ」**です。 そしてこの問題は、患者さんだけでなく、働く医療者自身をも蝕んでいます。
「もっと良いケアがしたいのに、体がついていかない」 「組織の論理に押し潰され、自分が自分でなくなっていく」
高い志を持っていても、**“個”の限界(時間・体力・環境)**によって、心身を壊してしまう仲間を数多く見てきました。
▶だから、私たちは「再設計」する
仕組みを変えるには時間がかかります。しかし、今まさに限界を迎えている「個」を放置することはできません。 だからこそ私たちは、テクノロジーと泥臭い伴走の両方で解決します。
・B2B(SaaS)で、 現場の業務そのものを変え、働きやすい環境をつくる。
・B2C(支援事業)で、 環境が合わずに傷ついた人を救い出し、最適な場所へつなぎ直す。
「辞める」という選択は、逃げではなく「人生の再設計」です。 私たちは、退職支援や給付金サポートで生活の基盤を守り、さらにその後のキャリア支援を通じて、その人がもう一度輝ける場所まで伴走します。
患者さんも、医療者も、働くすべての人も。 関わるすべての人の人生が大切にされる世界をつくる。 それが、株式会社医伝士の揺るがない使命です。
どうやっているのか
承知いたしました。 先ほどの「何をやっているのか」のB2C部分(守る・攻める)を受けて、なぜSaaS企業である私たちが、あえて泥臭い「個人の救済(B2C)」に取り組むのか、その必然性とストーリーを繋げた全文を作成しました。また、「どうやっているのか」にも、ご要望のあった「医療者チームとしての強み」を反映しています。【なぜやるのか】見出し:きっかけは、医師である私自身の“後悔”でした。「個人の限界」を超えなければ、救えないものがある。救えなかった「対話」の時間ある癌患者さんを診ていた頃の話で
出資先のVCの方と、経営陣
痛みを知る「医療者チーム」だからできること。医師・エンジニア・ビジネス職がフラットに挑む。
▶私たちにしかできない「共感」と「解決」
現在は、代表の宗(医師)をはじめ、看護師、元MRの事業開発、フルスタックエンジニア、医学生インターンなど、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集う少数精鋭のチームです。
私たちの最大の強みは、**「現場の痛みを知る医療者チーム」**であることです。 SaaS開発においては「現場の細かな機微」を即座に機能へ反映し、B2C事業においては「相談者の辛さ」に心から共感し、医学的見地から正しいサポートを行うことができます。 外部のコンサルタントや代行業者には真似できない、**圧倒的な「当事者性」と「解像度の高さ」**が私たちの武器です。
▶心理的安全性と、柔軟な働き方
扱うテーマが「人の命」や「人生」に関わるため、チーム内の対話も大切にしています。 「それは本当にユーザーのためになるか?」「医師として、人として正しいか?」を常に問いかけ合える、心理的安全性の高い環境です。
働き方はフルリモートをベースに、副業や週1からのコミットも歓迎しています。 「病院勤務のあとにコードを書くエンジニア」や「育児と両立しながらカスタマーサクセスを担うメンバー」など、それぞれのライフスタイルに合わせて、自律的にプロジェクトを進めています。
▶シード期の「今」しか味わえない熱狂
私たちは今、まさに「0→1」のフェーズにいます。 プロダクトも組織も、まだ完成していません。だからこそ、あなたの一つの提案、一つのアクションが、ダイレクトに会社の未来、そして誰かの人生を形づくります。
「医療の仕組みを変えたい」 「誰かの人生の転機を支える仕事がしたい」
そんな想いを持つ方にとって、ここは最高の挑戦の場になるはずです。 痛みを知る私たちだからこそつくれる「優しい未来」を、一緒に実装していきませんか?