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ブランドは、どう見えるかではなく、どう機能するかだ

車を運転するときの良いポジションを探し続けている

車を運転するときの正しいポジション。

これが、いまだによくわからない。

教習所などで教わったのかもしれないが、もちろんそんなことは覚えていないし、求めているのは、そもそも教習所で教わる類のものではない。

正しいポジションというよりも自分にとって一番心地よいポジションと言った方がいいのかもしれない。

自分がこの車を支配し、自在に動かすのに最もストレスのないポジション。それがほしいのだ。だが、それはこれまで得られたことがなく、毎朝車に乗るたびにしっくりきていない感じがなんとなくする。

だからだろう。細い道に入って視界が悪くなったりすると、もっといいポジションに自分が座っていればと苦虫を噛むのだった。


ソムリエのように、最高の車体験を提供してくれる人がいたら?

最近はビールを美味しく飲ませてくれる「ビアマイスター」の称号を持つ人がいる。

ソムリエなんかもそうかもしれない。彼らはビールやワインのことをよく知っていることはもちろん、ビールやワインで最高の体験を得られるようにしてくれるのが仕事である。

ビールの温度やグラス、注ぎ方などを研究し、一杯のビールを最高の体験に変える。ソムリエは料理や好みに合わせてワインを選び、ワインのあるテーブルを最高の体験に変えてくれる。

世界一の眼鏡屋に輝いたグローブスペックスでメガネを買うと、レンズを選ぶことだけでなく、メガネをかけた時のかけ具合や見え方をとても細かく調整してくれる。

そういう場にいると、メガネの機能が「自分に似合って視力が上がる」というものから「自分のイメージを引き上げてくれて、どんな時もモノをよく見えるようにしてくれる」ものにバージョンアップされる。

大げさかもしれないが、車のポジションは車体験にとって、とても大きな存在なのではないだろうか。メルセデスであろうがスバルであろうが、その車を体験として最高のものを提供してくれる人がいたら、どんなに素晴らしいだろうと思うのだ。

設計した人はきっと一番よいドライブポジションを想定しているはずだ。少なくともそれがどこなのか聞いてみたい。

最近の車は自由にポジションを変えられるが、このポジションを軸に設計しているから、安全性を気にする人はここ、ドライビングフィールを気にする人はここ、というようなアドバイスがあったら、車に対するブランドイメージも変わってくるのではないかと思う。


機能を起点にブランドポジションを考えてみる

スティーブ・ジョブズは、
デザインは、どう見えるかではなく、どう機能するかだ
と言った。

これはブランドにも言えることだと思う。

ブランドは、どう見えるかではなく、どう機能するかだ

レッドブルは、その赤い牛のマークを見ると、なんかエネルギーチャージができるような気がしてくる。そのエネルギーとは栄養成分ではなく、心から沸き立つエネルギーだ。

ある人にとってレッドブルを飲むことは、「よっしゃ気合い入れるかー」と言葉で言う代わりに態度で示すようなことを意味する。

そしてレッドブルを誰かに差し入れることは、相手に「気合い入れてけよ」というちょっとした圧をかける機能を果たす。

機能によるブランドポジションを考えるというのも大事なことなのだろう。

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