改めまして、新規校舎の開校に向けて、この夏から採用を強化しており、少しでも弊社について知っていただければと思い、現状をまとめておりますので、転職活動中の方や教育業界に興味がある方などの参考になれば幸いです。
株式会社Dream Today 代表の武川広樹です。東京の方南町と西新宿で「ビジョナリー学習塾」を運営しています。
きれいに整理された会社紹介ではなく、僕が普段考えていることをそのまま書いていこうと思っています。なぜこの事業を始めたのか、どんな組織を作ろうとしているのか、そして今どこまで来ているのか。
まずは、きっかけとなる、最初の話からさせてください。
二軍の4番で、スタンドで応援していた
小学校から大学まで、16年間野球をやっていました。高校は、プロ野球選手になりたくて、甲子園に行けるチームに入りたくて、部員が140人いる強豪校に進みました。
ただ僕は一般入試での入学です。一学年40人のうち、半分はスポーツ推薦で入ってきた選手でした。誰よりも早くグラウンドに行きました。努力は、めちゃくちゃしたつもりです。
それでも、努力では埋められない差があるということを、そこで初めて知りました。
最終的に二軍の4番までは行きました。でもAチームには上がれなくて、最後はスタンドで応援していました。しかもうちの代は、あと一歩で甲子園に届かなかった代なんです。
プロ野球選手になるという夢を諦めた、あの瞬間のことは今でも覚えています。何が起きたかというと、自分の未来が、まったく見えなくなったんです。
夢がなくなるというのは、目標をひとつ失うことではありませんでした。何のために毎日を過ごせばいいのか、自分に何ができるのか、その全部が同時にわからなくなる。
この感覚が、今の仕事の全部の出発点になっています。
「やれば返ってくる」。勉強が救いだった
そんな中で、唯一そうじゃなかったのが勉強でした。勉強は、やればやるほど成績が上がったんです。
やれば返ってくる。
野球は、あれだけやっても返ってこなかった。でも勉強は返ってきた。当時の僕にとって、それは本当に救いでした。勉強を通して、自分に自信を持つことができたんです。
だから僕は、勉強を「点数を取るための作業」だとは思っていません。自分の可能性に気づき直すための道具になりうると、実感として知っています。
熱い先生になりたかった。でも、いい先生に出会ったことがなかった
ちょうどその頃、『ROOKIES』というドラマが流行っていました。川藤先生がすごく好きで、自分もああいう先生になりたいと思ったんです。今度は自分が、誰かを甲子園に連れて行く側になりたい、と。
ただ正直に言うと、動機はそれだけではありませんでした。僕自身、いい先生にほとんど出会ってこなかったんです。野球部もかなり理不尽な世界でしたし、教室でも「この人みたいになりたい」と思える先生に出会えなかった。
だからこそ、自分がいい先生になりたい。そして、いい教育者を増やしたい。憧れと、少しの怒り。その両方が最初の志でした。
制度をつくる側か、現場か
大学は法政大学の理工学部です。高校受験も大学受験も、どちらかというと失敗しています。大学では野球部を続けながら、数学の教員免許を取る勉強をしていました。並行して、東進ハイスクールで4年間アルバイトをしていました。これが後で効いてきます。
転機は大学2年の留学でした。
正直に言うと、1ヶ月ほとんど遊んでいて、TOEICの点数はむしろ下がりました。それでも、世界を見て視点が変わったんです。漠然と学校の先生になりたいと思っていたのが、「学校の先生になるだけじゃもったいない、日本の教育そのものを良くしたい」に変わりました。
最初は制度から変えようと思いました。東大の大学院に行って官僚になろうと考えて、3年生のときは受験勉強もしていました。でも、東進で子どもたちと実際に接している時間が、本当に楽しかったんです。やっぱり僕は現場だな、と。制度をつくる側ではなく、現場から教育を変えるリーダーになろうと決めました。
「先生には、いつでもなれる」
大学4年の11月。先生になる道も、大学院に行く道も、就職する道もありました。そのとき思ったのが、これです。先生には、いつでもなれる。だったら今、自分ができる最大限のチャレンジをしよう。そう思って、学習塾を起業しました。
〈要確認:創業直後のリアルをここに。最初の生徒数、教室をどう借りたか、生活はどうしていたか、何年目から手応えが出たか〉
夢を持たせるだけでは、足りなかった
もうひとつ、大学時代に気づいたことがあります。
心理学やコーチング、目標達成の技術をずっと学んできました。学ぶたびに思ったのは、「これ、もっと早く知りたかった」ということです。中高生のうちに知っていたら、人生が変わっていたな、と。
というのも、夢を持っただけで放っておくと、人はむしろ苦しくなるんです。
やりたいことはある。目標もある。それなのに、思ったように自分を動かせない。計画は続かない。決めたことをやりきれない。そして、できない自分をまた責める。
僕自身がそうでしたし、生徒たちも同じでした。「夢を持て」と言われて持ったところで、その先の進み方は誰も教えてくれない。だから僕は、夢を持たせるだけの教育は、ある意味で無責任だと思っています。必要なのは、夢を持たせることと、それを叶える力をセットで育てることです。
だから「夢教育」です
僕らが掲げているのが「夢教育」という考え方です。定義はシンプルで、
勉強を通して、夢を叶える力を身につける。
誤解のないように言うと、夢を持つこと自体が善だとは思っていません。大事なのは、叶えるために必要な力のほうです。それを3つに分けて、日々の運営に落とし込んでいます。
① 学力
勉強法そのものを教えます。何を、どの順番で、どうやるか。
講習会でも、講師が前で教え込む形はほとんど取りません。生徒が自分で解いて、分からなければ手を挙げる。自立学習型です。教えてもらう時間より、自分で考える時間のほうが長い教室にしています。
② 人間力
僕らが目指しているのは、「なぜ勉強するのか」を自分の言葉で語れる子を育てることです。
講師が生徒を担当する担当生徒制を敷いていて、週1回の1対1のコーチング面談で、学習計画を一緒に立てます。講習の初日には全員で「夢・目標を考えるシート」を書く時間も取ります。「将来やりたいことがわからない」という子が大半なので、そこから一緒に考えるところが出発点です。
③ 目標達成力
受験指導です。目標から逆算して、やりきる経験を積んでもらいます。
たとえば、いつまでにどの検定を取るか、次の定期テストで何点取るかを具体的に決める。英検は特に有効で、「目標を決めて、そこに向けて計画を立てて、達成する」という一連の経験を、受験本番より前に積むことができます。
高校時代の僕に足りなかったもの(自分の可能性への気づき)と、大学時代の僕に足りなかったもの(叶える力)。その両方を、今の子どもたちに渡している。そういう感覚でやっています。
ある高3の男子生徒の話
去年、ひとりの高3の男子生徒がいました。
彼は英検に一度落ちています。それでも12月にもう一度チャレンジして、合格しました。この英検合格が、結果的に受験戦略上とても大きな意味を持ちました。最終的に、彼は4校に合格します。
受験が終わったあとの面談で、彼が言っていたことが印象に残っています。
「4校受かったので、運じゃなくて実力がついたんだと思う」
「自分を追い込める環境があった。ちゃんと管理されているのが、結果につながった」
やり方の話(日本史は動画で流れを掴んでから一問一答、古文は単語と文法を徹底的に詰め切る)も具体的に語ってくれたのですが、それ以上に大きいのは前半の2つだと思っています。
運ではなく実力だ、と自分で言えるようになった。これはもう、志望校に受かったかどうかとは別の話です。この感覚を持って社会に出ていく子と、そうでない子とでは、その後の人生がまるで変わると本気で思っています。僕がやりたいのは、こういうことです。
先生が疲弊している塾で、生徒がいきいきするはずがない
塾を始めてから、もうひとつ強く思うようになったことがあります。学習塾業界は、働く人にとってあまりに厳しい世界だということです。
長時間労働、休みの取りづらさ、キャリアの見通しの立たなさ。それでも「子どものためだから」の一言で片付けられてしまう。教育が好きで入ってきた人が、すり減って辞めていく。
でも僕は、先生が疲弊している塾で、生徒がいきいきするはずがないと思っています。うちの仕事は13時半から22時半です。遅い時間の仕事であることは、隠しません。
だからせめて、休みと待遇はきちんとしたい。年間休日は121日、賞与を含めた支給は年間14ヶ月分という設計にしています。評価制度も、この2年で作り直しました。〈要確認:この数字を公開してよいか〉
そのうえで僕が作りたいのは、教育で選べる会社です。学習塾以外の事業も立ち上げていって、ライフステージが変わったときに、昼間に働きたければ昼間に働ける。また塾に戻りたければ戻れる。教育という軸の中で、働き方を選べる会社にしたい。
そしてもうひとつ大事にしているのが、会社は社員の自己実現の舞台だという考え方です。会社が社員を使うのではなく、社員が自分の夢を叶えるために会社を使ってほしい。
社員のことは、家族だと思って関わっています。正直、今の会社があるのは社員の先生たちのおかげです。
僕が本気で目指しているのは、これです。学習塾でモデル経営をつくって、「学習塾は天職だ」と言える人を増やす。全国に5万件以上あると言われる学習塾を変えていく、その一歩目になれたらと思っています。
10年目の現在地
あれから10年目に入りました。今の状況はこうです。
- 教室…杉並区・方南町校/渋谷区本町・西新宿校の2教室
- 対象…小学生・中学生・高校生。中学生の高校受験と、高校生の大学受験が柱
- 生徒数…2教室で約200名
- 体制…社員の教室長とアルバイト講師のチーム。担当生徒制で運営
- 勤務…13時半〜22時半/年間休日121日
- その他…学習法YouTube、夢発表会、コーチング面談、理科実験教室など
最近うれしかったのは、卒業生が講師として戻ってきてくれるようになったことです。
大学生になって、実家に帰省するタイミングだけ教室に立ってくれる子もいます。自分が教わった先生の名前を挙げて「あの頃お世話になったので」と言ってくれる。
こういうことが起きるようになったのが、10年やってきて一番の手応えかもしれません。数字だけ見れば、大学4年生の秋にひとりで始めた頃からは、考えられない場所まで来ています。ただ、正直に言うと、「これで満足」という感覚は1ミリもありません。
今年度の社内テーマは「仕組み改革1.0」。まだ1.0です。土台を作っている最中だと思っています。
これから作りたいもの
教室は5〜7、多くても10までと決めています。たくさん出店して世の中を変えたいわけではありません。地域に集中して出す、ドミナント戦略です。「この地域で塾といえばビジョナリー」という状態をつくりたい。
理由は、小学生から高校生まで、同じ地域で一人の子を長く見続けられるからです。中1で出会った子の大学受験まで一緒に走れる。転勤もありません。これは大手にはなかなかできないことだと思っています。
僕は学習塾を、いい意味で研究機関だと捉えています。理想の教育とは何かを、現場で試しながら探し続ける場所です。
そこで磨いた夢教育を、これから外に出していきます。先生向けの人材紹介、教材会社、体験教育、通信制高校、学習塾業界へのコンサルティング、企業研修や学校講演会。
そして最終的には、学校を創りたいと思っています。自分たちが磨いてきたものを届けられる学校ができれば、公教育が変わるきっかけになる。「日本の教育を変える」というのは、そこまで含めた話です。
あと、これは個人的な夢ですけど——いつか、甲子園に連れて行きたいですね。高校のときに叶わなかったので。
おわりに
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。今後も下記のような内容で書いていく予定です。
- 夢教育の考え方と、導入してから生徒に起きた変化
- 教育業界の労働環境と、僕らが用意したい環境
- 今の日本の教育と、目指す大学に行くために本当にすべきこと
塾を探している保護者の方、教育業界で働いている方、これから教育でキャリアを作ろうとしている方。誰かひとりにでも届けば嬉しいです。
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