株式会社immedio 代表取締役 浜田英揮
AIの進化によって、営業やマーケティングの前提が音を立てて変わりつつあります。検索も、電話も、これまで当たり前だった顧客接点のあり方が変化していく中で、immedioはなぜ「AIインサイドセールス」という市場に本気で向き合っているのか。代表・浜田英揮に、市場の現在地から今後の構想までを聞きました。
「検索」と「電話」、2つの接点が同時に失われている
― AIの進化によって営業・マーケティングの前提が変わりつつあると言われますが、今の市場をどう見ていますか。
営業やマーケティングはAIによって便利になっています。ただ、同じように購買者側もAIで便利になっている。この両方の変化が同時に起きていることで、現場には大きな地殻変動が起きています。
代表的なのが「検索行動」の変化です。検索エンジンではなく、ChatGPTのようなLLMで調べ物が完結してしまうケースが増え、これまでマーケターが検索エンジン経由で獲得できていたトラフィックが取りづらくなっています。お客様との最初の接点そのものが減っているというのが、1つ目の変化です。
もう1つがその先です。仮に資料請求をいただけたとしても、電話をかけた先のスマートフォンにもAIがいます。昨年9月にiOSの標準機能として「AI着信スクリーニング」が搭載されました。AIが要件を聞き取って要約を画面に表示してくれるため、お客様は「自分が本当に出るべき電話」だけを選んで出るようになっています。
私たちのデータでは、AI検索の影響でウェブサイトへのトラフィックが3割ほど減少し、このAIスクリーニングの影響で通電率もさらに下がっています。これまで20%程度と言われていた通電率が、体感として15〜16%程度まで落ちてきています。
こうなると、戦い方そのものを変えなければいけません。たとえばインサイドセールスのKPIとして最も重視されてきたのは行動量、特に架電数でした。「5回電話をかければ1回は繋がる」という前提で組み立てられていた組織が、通電率が下がった今、同じ数の顧客と接点を持つためには、何十回、何百回とかけ続けなければならなくなっています。
これまでと同じことをしていても、同じ成果は出ない。それが今、営業・マーケティングの現場で静かに、しかし確実に起きていることだと捉えています。