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【対談】見て・触れて・食べて・感じて。先入観も地域の課題も「食」の力で解決する。

グリラスの歴史と未来を語るメディア「グリラスストーリーズ」

今回は、グリラスのコオロギパウダーを使用して新しいカフェメニューの開発に踏み出してくださった、徳島県東みよし町加茂のカフェ「みかも喫茶」を訪れました。

新作のコオロギソフトクリームには、コオロギから抽出したエキスとコオロギパウダーを使用し、トッピングには油で揚げた乾燥コオロギが添えられています。他にも、控えているコラボ新商品が続々......。今回の取材ではコオロギから見据える地域と環境のお話について、グリラスと同じくらい(それ以上に⁈)熱く語ってくださいました。

そんなみかも喫茶さんですが、最初から「コオロギを食べること」にポジティブな印象を持っていた訳ではないのだとか。そこから、どのようにして今回のコラボメニューの開発に至ったのか、お話を伺いました!


株式会社みかも|徳島県三好郡東みよし町mikamo.tokushima.jp

株式会社みかも
おでかけ支援業として、ガソリンスタンド、カーコーティング、中古車買取・販売、桐下駄販売、発達支援下駄の開発、みかも喫茶を展開。徳島県にし阿波地域の活性化に取り組む。

写真右から
株式会社みかも 金村盟さん
大阪経済法科大学卒。大学を卒業後、香川県高松市にあるエネルギー関連会社に就職。1997年に地元に戻り、現在の会社に入社。2015年から桐下駄事業に取り組み「みかも木履」を立ち上げる。自社を「お出かけ支援業」と位置付け、下駄を通じたライフスタイルの提案、そして地域の活性化のためのカフェ事業にも取り組んでいる。また現在は観光地域づくりマネージャーとして、にし阿波観光圏の活性化にも携わっている。

株式会社グリラス 西郷琢也
徳島大学卒。大手物流系企業を経て2020年9月にジョイン。営業及び商品開発、ロジスティクスを担当。

きっかけは常連さんの一言

西郷 最初はグリラスのHPからご連絡いただいたと思うのですが、そこに至るまでの経緯を伺いたいです!

金村さん(以下、金村) きっかけは、いつもいらしてくださる常連さんの一言でした。よく日経新聞を読む方で、ラーメン田村さんとグリラスさんで開発したコオロギラーメンの記事を見せてくれたんです。「コオロギが流行っているらしいから、喫茶店のメニューにどう?」と声を掛けてくださって。

西郷 そうだったんですね、お客さんが!

金村 当時は昆虫食にポジティブなイメージを持っていなかったし、カフェのイメージもあるしなぁ......と。お客さんに受け入れてもらえるかどうかも全く検討がつかず、かなり消極的でした。

でも、その(最初に声をかけてくれた)常連さんはその後もかなり熱心にオススメしてくださって、そのうちにどんな会社かな?と興味を持つようになったんです。

何となく気になってHPを覗いてみたのですが、全くイメージと違って驚きました!かなりクオリティ高く作りこまれているし、環境問題や食品ロスなど大きな課題に挑まれている。

アカデミアとも連携して「コオロギ」というものに真摯に取り組まれているのが印象的で、連絡してみよう!と思いました。

本当に返事が返ってくるのかと、メッセージを送った瞬間はかなり半信半疑だったのですが、すぐにご返信をくださって。

西郷 ちょうど美馬にオフィスを移したタイミングで、その地域の企業からご連絡をいただいて。こちらとしてもタイムリーで嬉しいタイミングでした!

金村 そうそう、ご連絡させていただいたときに「美馬なの?!」と驚きましたね。てっきりオフィスは鳴門にあるイメージだったので。

西郷 そのあと美馬ファームに来てくださったんですよね。そこでまた改めてお話させていただいて。当時の印象はいかがでしたか?

金村 いやー......想像を超えていましたね。ブレないビジョンを熱くお話してくださって、ともすれば会社は目の前の利益優先になってしまいがちになると思うのに、グリラスさんからは全くそういうことを感じませんでした。

西郷 そこまで言っていただけると僕らも嬉しいです(笑)。実際に来ていただいたときに、C. TRIA(=グリラスオリジナルブランド)のクッキーやクランチも試してくださいましたよね。

金村 食べました!コオロギは初めてだったのですが、美味しかったですね。パッケージもオシャレだし、一般に言われているようなネガティブなイメージは全く感じませんでした。

方法次第で(カフェの)お客さんにも届けられるんじゃないか、と可能性を感じましたね!

西郷 その後、実際に原材料をお渡ししたのですが、みかも喫茶さんの試作のスピードには社員一同驚かされました!パウダーやエキスなど、原材料を渡した数日後に連絡をくださって!しかも、それがまさかの完成度......。

金村 やるとなったら、僕はせっかちなんです(笑)。それに、いただいた原材料を使うハードルも全然高くなくて。コオロギを使えば、今まで食べたことのない料理の味わいになる。

パウダーを使えば味にコクが出るし、エキス自体もうまみ成分が豊富で、新メニューの開発にも苦労は全くありませんでした。僕もそうだったように、先入観のある人も多いとは思いますが、今はそこを何とか美味しさで覆したい!という気持ちでいっぱいです。

持続可能な地域のこと。

西郷 同じ美馬地域で、という以外にも、みかも喫茶さんで大切にしていることとグリラスで大切にしていることが近いと感じていて、それがこのコラボの効果を何倍にも引き延ばしてくれていると思うんです。そのあたりは、みかも喫茶さんから見ていかがでしょう?

金村 そうですね。僕らは「EAT LOCAL, FEEL LOCAL」をコンセプトに徳島で活動をしていますが、その根底には「とにかく地域の良いものと出会ってほしい」「この地域の良さを知ってもらいたい」という想いがあります。

美味しい野菜や、素晴らしい下駄があること。コオロギもそうですよね。とにかく見て、触れて、感じてもらうことで、その先に「持続可能な地域」があると思っていて、グリラスさんのサイトを見てビビッときたのも「環境」という僕らと近いキーワードに挑まれていることも関係していたのだと思っています。

西郷 「地域」が一つキーワードになってくるかもしれませんね。その下駄の話もすごく好きなんです。お店に展示されていて、美味しいカフェのご飯を食べに来るだけで徳島の良いものと触れ合うことができる。

金村 下駄は、このお店のすぐ横に工場があるんですよね。徳島の伝統工芸品で、もともとここは大昔に下駄工場があった土地なんです。でも残っている工場はその一軒のみで、地域の伝統的に受け継がれてきたものを何とか未来に繋げて、文化として多くの人に知ってもらいたいと思いました。

私達にとって下駄は「非日常」のアイテムかもしれません。けれど、カフェにあれば親しみやすく、初めて触れるのに良いきっかけになるんじゃないかという思いつきが、下駄の展示に至ったきっかけです。

西郷 初めて美馬ファームに来ていただいた時もその話をしてくださって。そこで、僕らとしてもビビッと。もしかするとすごく相性の良いコラボなんじゃないか、と思うようになったんですよね。

グリラスとしても一番やりたいのはタンパク質危機や食品ロスの解決。けれど、あまりに大きなテーマなので、どうしても「非日常」という枠組みから出ることが出来ず、だからこそ身近な「食」を通じて伝えたいと思っていました。コンセプトが近く、やりたいこともかなり重なっている。みかもさんのストーリーに共感して、一緒だからより意味のあることにできるんじゃないか、と思っています。

最後に

西郷 では、最後になりますがみかも喫茶さんとして、今回のコラボを通じてみなさんに伝えたいことがあれば、お聞かせください!

金村 まずは「気になるな」というきっかけでも良いので、コオロギが地球にどういった意味のある貢献をしていて、どのような問題をどう解決しているのかを知ってほしいです。

「世界」や「環境」など遠く感じてしまうキーワードではありますが、美味しく食べることが実は環境問題の解決に繋がっている。それだけでも感じてもらえたら今回のコラボは大成功だと思うし、僕らはそのお手伝いができます。「食」の力で、少しずつ未来にストーリーが繋がっていけば嬉しいです!

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