こんにちは。
日本一ワクワクする会社、インバウンドホールディングスの山崎です。
今日は、「レビューの点数ではなく、レビューが生まれる組織をつくる」という話をします!
このシリーズでは、NAGIホテルが売上昨対150%へ至るまで、ホテル事業を任せた統括責任者の「Yさん」が、現場の仲間と重ねてきた試行錯誤を紹介します。
評価は高い。でも、何かが足りなかった
倉敷のホテルに届いたレビューを見て、Yさんが落ち込んでいた時期がありました。
点数が悪くなったわけではありません。予約サイトの「スタッフ」項目は高い評価を維持していました。失礼な対応があったわけでも、大きなクレームが続いたわけでもない。
それでも、以前は多かった「スタッフが親切だった」「心に残る対応だった」という文章が減っていました。
Yさんは、こう表現しました。
「レビューが増えていること自体は悪くない。でもスタッフに対する称賛が少なくなっている気がする」
この視点には私も驚かされました。
もしYさんが点数だけを見ていたら、見逃していた重要な変化です。
もちろん満点レビューだから問題なし、と考えることもできます。
でも、問題がない接客と、誰かに話したくなる接客は同じではありません。
Yさんが目指していたのは、失点しないホテルではなく、人の記憶に残るホテルでした。
137件の手書きアンケートが、現場を映す鏡になった
実はNAGIホテルでは、紙による手書きのアンケートを意図的に継続して集めています。
3月から7月までに記録された回収数は、137件。良かったという言葉だけでなく、手洗い場にタオルがほしい、ここが少し使いづらい、といった小さな要望も含まれていました。
清掃に関するネガティブコメントは、月次集計上、0件が続いていました。現場が誇りを持って取り組んできた結果です。しかし、ある時、別経路で冷蔵庫に直前のゲストの飲み物が残っていたという指摘が一度ありました。
そこでYさんは「気をつけよう」で終わらせず、清掃後に共有する写真へ冷蔵庫の内部を追加しました。
大切なのは、都合の良い数字だけを使わないことです。
アンケートで清掃に関する指摘が0件でも、別経路で一件起きているなら、その一件を上司へ速やかに報告し、必ず改善へつなげる。評価を守るために事実を小さく見せるのではなく、評価を上げる力へ変える。その積み重ねが、信頼になります。
「忙しいから無理」ではなく、「当たり前の基準を引き上げたい」
冒頭の話に戻ります。
倉敷のスタッフへのポジティブな言及が減った原因を、Yさんは当初業務量だと考えていました。
広島の運営も倉敷側で支え、予約サイトのメッセージ、レビュー返信、清掃などが重なっている。みんなに余裕がないから、接客に時間を使えないのではないか。
そこで、過去のレビューをチームへ見せ、率直に「どう思う?」と聞きました。
返ってきたのは、「忙しいから仕方ない」ではありませんでした。
「寂しい」「前みたいに、スタッフのことを書いてもらえるホテルに戻したい」
みんながそう思っているなら、やる気を疑う必要はありません。
皆で一緒に改善していこう!と現場主体で動き出す仕掛けを作っていきました。
この報告が上がってきたとき、正直私は驚きました。
以前星野リゾートの星野社長がM&A後のPMIで最初にやることとして、
現場の皆にアンケートを必ずしっかり読んでもらう。そうして書いてあることを見ると皆主体的に動き出す。という話をしていたことを思い出しました。
Yさんは星野社長と同様の動きを直感的にしていました。
必要だったのは、気持ちを行動へ変える具体的な目標でした。
Yさんは、毎日のチェックイン後に「お客様レポート」を電話で受けるようにしました。どんな会話をしたか。印象に残ったお客様は誰か。明日の朝、どんな声をかけられそうか。
これは、レビューを書いてくれそうな人だけを選別するための仕組みではありません。
目の前のゲストを、部屋番号ではなく一人の人として見る練習です。
さらに、清掃スタッフの出勤後からチェックアウトが終わるまで、できるだけフロント周辺に集まり、フロント担当だけでなく、その日に働くメンバー全員でお客様を見送る体制へ変えました。
お客様から見れば、フロントも清掃も同じホテルのスタッフです。ならば、部署の線を越えて全員で迎え、全員で見送ろうと考えたのです。
ノープランの旅を、一緒に計画した
印象的なお客様がいました。
ほとんど予定を決めずに来られ、「近くでおすすめの場所はありますか」と相談してくださった方です。
スタッフは、お店を一つ伝えて終わりにしませんでした。滞在日数や興味を聞き、一緒に旅のプランを考え、地図をつくりました。その方は滞在後、Googleのレビューだけでなく、Instagramのストーリーでもホテルを紹介してくださいました。
別のお客様からは、スタッフみんなの温かな迎え方への感謝が、長い文章で届きました。
現場では、「この方には明日、何ができるだろう」と相談し、連泊中の過ごし方を考えていました。レビューは、その作戦の点数表ではありません。自分たちが相手を思って行動したことが、相手の言葉になって返ってきた手紙です。
だからこそ、スタッフ本人が喜び、また次のお客様にも何かをしたくなる。レビューの本質は、件数の獲得ではなく、良い仕事が組織の成功体験として残ることにあります。
★4.7から4.8へ。数字は、結果としてついてきた
5月から7月に新たに確認できたGoogleレビューは、倉敷と広島を合わせて34件。広島の評価は7月に4.7から4.8へ上がり、倉敷も4.8を維持しました。
結果的に6月に集計した海外OTAのレビューコメントでは、約8割がスタッフへの称賛を含んでいました。点数だけでなく、「何が良かったのか」という中身が変わったことに価値があります。
また、紙のアンケートで「このホテルを何で知ったか」も確認したところ、Googleマップという回答が継続的に現れるようになりました。7月の集計では、少なくとも9組がGoogleマップを来館のきっかけとして挙げています。
レビューを増やすことが、検索順位や予約にどこまで影響したかを、この数字だけで断定することはできません。ただ、以前は見えていなかった予約経路が、実際のお客様の回答として記録され始めた。Yさんは「レビューが増えた、よかった」で終わらず、来館理由まで追いかけました。
返信も同じです。過去に届いたGoogleとOTAのレビューへ、一件ずつ丁寧に返答しました。大変な作業なので効率化のためAI活用も提案しましたが、Yさんは一件ずつ自分の言葉で返すことにこだわり、「ここは任せてください」と譲りませんでした(笑)。
公開の場で感想を伝えてくださった方へ、ホテル側も言葉を返す。新しいお客様にとっては、問題が起きた時に向き合うホテルかどうかを見る材料にもなります。
数字、文章、返信、来館理由。四つをつなげて初めて、レビューが現場改善と集客の両方に生きる情報になります。
ゲスト体験を良くする施策を企画し、率直な感想をお願いする。
レビューのために接客するのではなく、良い接客の結果として、書きたくなる体験を増やしている。
「私がレビューを取る」から、「みんなが良い仕事を残せる」へ
Yさんは、定例会議でこう話しました。
「今までは、私が口コミを獲得する感覚でした。でもこれからは、現場のスタッフが口コミを獲得できる組織をつくりたい」
これは、レビューマーケティングの話であると同時に、人材育成の話です。
誰か一人の接客力に頼れば、その人が休んだ日に品質が下がります。全員がゲストを見て、自分なりの工夫をし、その結果を振り返れれば、ホテル全体が強くなります。
Yさんがつくろうとしているチームに必要なのは、派手なアイデアを出す人だけでなく、小さな声を拾い続ける人です。
一枚のアンケートを読み、冷蔵庫の写真を追加する人。レビューの文章が変わったことに気づく人。お客様の話を聞き、一緒に地図をつくる人。清掃スタッフにも「あなたも接客の主役です」と伝える人。
そんな仕事の連続が、★4.8という数字をつくりました。
評価の高いホテルで働きたい人より、評価が高くなる理由を仲間とつくりたい人へ。
Yさんと一緒に、次の一件を増やすだけでなく、次の「また来たい」を生み出す仲間を探しています。
次のホテルを、一緒につくる仲間を募集しています
私たちは、ホテル事業部のさらなる拡大を目指しています。
現在、大阪・名古屋・長野・東京などで、2028年頃に向けた複数の新築ホテルプロジェクトが同時に動いています。これから必要なのは、完成した運営を受け取る人だけではありません。Yさんのように、現場の小さな気づきを改善へ変え、仲間を巻き込みながらホテルの価値をつくる人です。
ホテルという場所から、新しい体験や事業を生み出したい方。お客様を喜ばせること、仲間と仕組みをつくること、これから生まれるホテルを自分たちの手で育てることにワクワクする方を募集しています。
少しでも気になった方は、まずは広島・倉敷で、Yさんとカジュアルに話してみませんか?あなたがやってみたいことも、ぜひ聞かせてください♪