こんにちは。
日本一ワクワクする会社、インバウンドホールディングスの山崎です。
今日は、「評価制度を、人を裁く表ではなく、成長の地図にする」という話をします!
このシリーズでは、NAGIホテルが売上昨対150%へ至るまで、ホテル事業を任せた統括責任者の「Yさん」が、現場の仲間と重ねてきた試行錯誤を紹介します。
評価制度がなかった現場で、最初に決めたこと
ホテルの現場には、さまざまな働き方の人がいます。
フロントを中心に担う人。清掃を極める人。学生として週末に働く人。外国籍で日本の接客を学びながら成長する人。複数施設を横断して、予約サイトのメッセージや在庫管理まで支える人。
役割も経験も違うメンバーを、どう評価するのか。
Yさんが人事評価の仕組みをつくる時、最初に悩んだのはそこでした。
人によって評価表を変えれば、その人に合った基準はつくれます。しかし、「なぜあの人と自分は違うのか」が見えにくくなり、評価の公平性が揺らぐかもしれません。反対に、全員を同じ高い基準で測れば、入ったばかりの人にとっては何を求められているか分からず、面談が前向きな場でなくなります。
そこでYさんは、評価表を一つにし、成長段階をレベル1から4で表す設計にしました。
目的は「できる、できない」を判定することではありません。
今どこにいるか。次に何を頑張ればいいか。評価者が変わっても、大きく結論がぶれないか。難しい言葉を使わず、学生にも新入社員にも伝わるか。
評価される人のための表であると同時に、育てる人が迷わないための地図をつくろうとしたのです。
一つの得意技より、安心して任せられる人を育てる
レベル1と2には、基本業務と勤怠、周囲への配慮など、組織で働く土台を置きました。
約束したシフトを守る。遅れる時には先に連絡する。任された仕事を一人で安定して完了する。分からないことを放置しない。仲間やお客様へ、相手の立場を考えた行動をする。
Yさんが重視したのは、どこか一項目だけが突出した人ではなく、全体を安心して任せられる人です。
たとえば、接客がとても上手でも、毎回遅刻する人をそのまま高く評価すれば、時間を守って支えている人は納得できません。清掃が速くても、周囲へ攻撃的な言葉を使えば、チーム全体の力は下がります。
そこで、昇給の条件は、すべての基礎項目が一定レベル以上であることを前提にしました。合計点だけでなく、レベル1の穴が残っていないかを見る仕組みです。
一方、レベル3から4は、作業の速さだけでは届きません。
後輩へ教えられる。施設全体を見て改善案を出せる。仲間が働きやすい空気をつくれる。自分がいない日も品質が続くように、仕事を仕組みへ変えられる。リーダーとしての影響を評価します。
現場で長く働けば自動的に上がるのではなく、次の役割へ進む道筋が見える形にしました。
チーム全員と向き合う前に、評価する側が試された
評価面談は、評価される側だけが緊張する場ではありません。
Yさんは、一人ひとりの記録を読み、本人がどんな仕事をしてきたかを思い出し、面談の言葉を考えました。オンラインか対面かにかかわらず記録を残し、後から振り返れるようにする。評価する側の感覚だけで決めず、基準のぶれがないか、言葉が本人の成長につながるかまで何度も見直しました。
最初の面談を終えた週、Yさんは、評価する責任の重さと同時に、大きな手応えを感じていました。
高く評価したメンバーへ、できていることと感謝を自分の言葉で伝えたところ、仕事を見てもらえていた実感に、互いに言葉を詰まらせる場面もあったそうです。
それは、昇給額がうれしかっただけではないと思います。
誰かが自分の仕事を見ていた。目立たない努力にも気づいていた。施設を大切にしてきたことが、言葉になって返ってきた。その事実が、人の心を動かしたのだと思います。
Yさんにとっても、「こんな素敵な人が働いていることを広めたい」と伝える時間になりました。評価面談は上司が点数を読み上げる場ではなく、会社がどんな行動を大切にするかを、本人の仕事を通して伝える場になったのです。
権限を渡さなければ、評価制度はただのアンケートになる
どれだけ丁寧な表をつくっても、現場責任者に判断する権限がなければ、評価制度は機能しません。
今回、Yさんは評価表をつくるだけでなく、人事評価と昇給判断まで引き受けました。もちろん、会社として守るルールや全体のバランスは確認します。ただ、日々の仕事を見ているYさんの判断を、本部が最後だけ上書きするような運用にはしませんでした。
権限が現場へ移ったことは、メンバーにも伝わりました。
誰の顔色を見ればシフトに入れるかではなく、ゲストとチームのために、どんな仕事を積み上げたかが評価される。約束を守り、仲間へ敬意を払い、仕事を良くしようとする人が報われる。
その結果、現場の空気も変わっていきました。
Yさんは、それを「オセロみたい」と表現しました。
思いやりを持って働く人が増えるほど、陰で誰かを責めたり、感情をぶつけたりする行動が、当たり前ではなくなる。良い人が一人増えるだけでは変わらないように見えても、仲間が増えた瞬間に、職場の基準がひっくり返ることがあります。
実際、繁忙期のシフトは以前より早い段階で埋まり、日々の運営も安定していきました。これは一人の採用だけでなく、期待する行動と評価がつながった結果です。
ただし、評価表をつくっただけで人が育つわけではありません。
次の課題は、仕事を任せる側が手を出しすぎないことでした。
Yさんは現場をよく知り、たいていのことを自分でやったほうが早く終わります。新しいメンバーが悩んでいると、代わりに答えを出したくなる。でも、それを続ければ、責任者だけが忙しくなり、チームはいつまでも自分で判断できません。
ある定例で、Yさんは「簡単に言うと、手を出さずに見守るということですか」と聞きました。
その問いをきっかけに、Yさんは「手を出さないこと」と「放置すること」の違いを、自分のマネジメントで試し始めました。失敗して取り返せなくなる前には支える。苦しい時には精神的なサポートをする。でも、考える過程と、小さな失敗から学ぶ機会まで奪わない。優秀な人ほどぶつかる「自分でやったほうが早い」という壁を、次の成長課題として引き受けたのです。
評価制度によって現在地が見え、任せる仕事によって次の経験を積む。面談と実務がつながって初めて、成長の地図は実際の道になります。
成長したい人に、答えではなく現在地を返す
評価制度というと、会社が社員を管理する道具に見えます。
でも本来は、社員が自分の成長を選ぶための情報です。
次のレベルへ行くために、何を覚えればいいか。接客を深めるのか、清掃の品質を高めるのか、後輩育成に進むのか。昇給や役割が、上司の好き嫌いではなく、自分の行動とつながっているか。
その道が見えれば、人は「もっと頑張れ」と言われなくても動き始めます。
この会社は、完成した大企業のように、あらゆる制度が最初から整っているわけではありません。だからこそYさんのように、現場で働く人が制度そのものをつくり、次の仲間の成長環境まで変えられます。
評価されるだけでなく、評価の基準を考える。与えられたキャリアを歩くだけでなく、次の役割を設計する。自分の成長だけでなく、仲間が成長できる場所をつくる。
そんな仕事にワクワクする人なら、ホテル運営の経験がなくても活躍できると思います。
心が通った面談は、制度が完成した日の話ではありません。
人をちゃんと見る会社を、現場からつくり始めた日の話です。
次のホテルを、一緒につくる仲間を募集しています
私たちは、ホテル事業部のさらなる拡大を目指しています。
現在、大阪・名古屋・長野・東京などで、2028年頃に向けた複数の新築ホテルプロジェクトが同時に動いています。これから必要なのは、完成した運営を受け取る人だけではありません。Yさんのように、現場の小さな気づきを改善へ変え、仲間を巻き込みながらホテルの価値をつくる人です。
ホテルという場所から、新しい体験や事業を生み出したい方。お客様を喜ばせること、仲間と仕組みをつくること、これから生まれるホテルを自分たちの手で育てることにワクワクする方を募集しています。
少しでも気になった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。あなたがやってみたいことも、ぜひ聞かせてください♪