日本PMO協会が主催する「PMOアワード2025」において、JPデジタルのグループDX企画部が優秀賞を受賞しました。
そこで今日は、グループDX企画部で働く3名のプロジェクトマネジャーに、なぜ受賞できたのか、JPデジタルのプロジェクトマネジメントはどんな特徴があるかを聞いてみました。
ガバナンスとスピードの両立が評価されたPMOアワード
――このたびはPMOアワード優秀賞の受賞おめでとうございます。評価されたポイントはどこにあると思いますか?
神谷 JPデジタルのプロジェクトマネジメントは、非常に複雑で難易度が高いものだと思います。郵便局アプリやゆうIDなど複数のプロダクトが同時に開発され、それぞれが並走しながら同じリリースポイントを目指す構造になっています。
そういった、同時並行的に走る複数のプロジェクトを横断的に見て、整合性を保ちながらリリースまで伴走するのがわたしたちの役目です。そんな中で、これまで大きなトラブルや遅延もなく、継続的にリリースできている点が評価されたのだと思います。
(PMOアワード受賞時の様子)
――複数のプロダクトが並行しているために、プロジェクトマネジメントの難易度が高いんですね。
神谷 はい、プロジェクト単体で見ればそうでもないのですが、複数を並行して進めることで、一気に難易度が上がります。
プロダクトごとに、システム面でもステークホルダー面でも依存関係がそれぞれにあり、さらにプロダクトによって開発手法がアジャイルとウォーターフォールとが混在しています。工程の長さも進め方もそれぞれ異なる中で、整合性をとりながらガバナンスをきかせる必要があるんです。
――それは想像するだけでも大変そうです。これまで、このような複雑なプロジェクトマネジメントの経験はありましたか?
高橋 ここまで複雑な状況は、初めての経験でした。JPデジタルに入社する前は独立したプロジェクトを担当していたので、そのプロジェクトのことだけを考えていればよかったんです。でも今は、互いに依存し合う複数のプロジェクトが同時に進んでいるので、考慮しなければいけないことが多く、苦労しながらも日々学びを感じています。
神谷 前職では複数サービスのプロジェクトマネジメントを経験していましたが、いちどに見るプロジェクトは多くても2~3程度でした。JPデジタルではそれよりも多くのプロジェクトが走っていますし、アプリの裏側には郵便などの基幹システムがあり、システム間の依存関係もあるのでより複雑さを増していると思います。
――なるほど、かんぽ生命保険から出向されている小平さんはどう感じていますか?
小平 JPデジタルではプロジェクトの数が多く、開発にかけられる工数やアサインされる人員は限られています。そんな中で、どうすれば効率よくプロジェクトを進められるかに注力してきたことが評価につながったのかなと感じています。少ない人数でこなしている分、一人ひとりの役割は大きいと感じています。
神谷 今のリソースだと、どうしても兼務せざるをえなくなって、メンバーへ負担をかけてしまっていると思います。今の状態が正しい姿とは思っていないので、今後人員を厚くして、持続性を高めていきたいですね。
複雑な状況だからこそ、プロジェクトマネジメントの地力が鍛えられる
――JPデジタルでは、プロジェクトマネジャーとしてどんな成長ができると思いますか?
神谷 お話ししたように複雑な状況だからこそ、プロジェクトマネジメントの地力が試される環境だと思います。
わたしの持論ですが、プロジェクトマネジメントは専門職でありながら総合力が試される職種だと思っています。専門的な知識はもちろん必要ですが、経験や感覚、想像力なども重要です。プロジェクトマネジメントは、それらを総動員して次に何が起きるかを想像しながら判断して行動することの繰り返しです。
JPデジタルでは、状況が複雑なためにそういった総合力が試されます。困難な面もありますが、もがいていればいつの間にか成長できていた、となる環境でもあると思います。
小平 プロジェクトマネジメントの決められた型がまだないので、自分が良いと思うやり方を提案できるのが、やりがいや成長につながっているとわたしは感じています。
神谷 確かに、会社によっては決められた型やお作法のようなものが明確に決まっていますが、弊社では良くも悪くもまだ型が定まりきっていません。どちらの方が良いという話ではありませんが、型に頼らず、状況に合わせて自分で切り抜けていく力が身につくと思います。この環境を乗り越えれば、どこへ行っても通用する課題解決力が養われるはずです。
自主性を大事にしつつ、放置はしない
――お話を聞いていると、「鍛えられるけど大変そう」と感じました。新しくジョインした方に対してどのようにサポートしているのでしょうか?
高橋 わたしはこれまでエンジニアとしてのキャリアがメインだったので、本格的なプロジェクトマネジメントに携わるのが初めてでした。そんななかで、失敗しながらも学んでいるところです。
基本は自主性を尊重してくれていて、うまくいっていないときにはしっかり指摘してくれる、と感じています。
神谷 会社によっては、中途入社者に対して「お手並み拝見」みたいに様子見することもあるかと思いますが、ウチではそんなことはなく、何かあれば突っ込む間柄だと思います。
小平 わたしもプロジェクトマネジメントは今年からのチャレンジで、最初は分からないことだらけでした。
神谷 小平さんは、経験こそ浅いけれどプロジェクトマネジャーとしての「想像力」に長けていますよね。今これが起きているということは、この後どうなるだろう?と想像力を働かせて、先回りしてフォローできている。プロジェクトマネジメントにおいてすごく重要な力だと思います。
高橋 手取り足取り教えるという感じではなくて、ある程度自主性に任せてくれているのが、自分にとってはやりやすいです。ガチガチにやり方が決まっているよりも、自分で考えてやってみるほうが楽しいと思えるので。
神谷 やっぱり、自分で考えて辿りついたことじゃないと本当の意味で身につかないと思います。このやり方が正解だよ、と最初から教えるのではなくて、自分自身で考えてもらうことを重視しています。中には、それでうまくいかないこともあるかもしれませんが、失敗して初めて気づくこともありますので。
とはいえ、してはいけない失敗をしないように、ガードレールは敷いているつもりです。その範囲の中では、自主性をもって挑戦してもらっていいと思っています。
日本に住むすべての人に影響を与えることにやりがい
――最後に、皆さんが感じている仕事のやりがいを教えてください。
小平 役割に対して裁量が大きく、自分が提案したやり方で仕事を進められることにやりがいを感じています。自分の工夫がそのままプロジェクトの前進につながる実感があります。
高橋 携わるプロダクトの社会的影響度が大きいことにやりがいを感じています。転職活動の際には、携わるプロダクトが「社会的にどれだけ必要とされるか」をひとつの基準としていたので、今のプロダクトには胸を張って取り組めています。
神谷 わたしは前職がエンターテイメント関連のサービスを扱っており、ユーザー数1,000万以上と大規模なものでしたが、JPデジタルでは1,000万どころではない、日本に住むすべての人が関わる規模です。
また、生活に欠かせない土台となる領域に携わり、価値を提供していることにやりがいを感じています。
高橋 そんな、影響度の大きなプロジェクトを推進するために、利害関係者が多く状況が複雑な中でうまく仕事を進められたときの喜びは大きいですね。
――PMOアワード受賞のポイントと、チームの雰囲気がよく分かるお話しでした。本日はありがとうございました。
JPデジタルは「みらいの郵便局」の実現に向け、デジタルの力を活用してお客さまの体験価値の向上を目指す様々な取り組みを推進しています。
今回の受賞を励みとし、今後も日本郵政グループのDX推進に取り組んでまいります。