RETOUCHのミニサイズが全国のファミリーマート約1,920店舗で展開以降、SNSには「ファミマでRETOUCHが買えるのありがたい。」という声が数多く届きました。
コンビニは、誰にとっても身近な場所です。
仕事前、出張先、旅行先、家の近く。ふらっと立ち寄れる場所に、身だしなみを整える選択肢がある。
それは単に「商品を置く」ということではなく、身だしなみとの距離を少し近づけることでもあります。
今回、RETOUCHのファミリーマート展開をともに進めてきた、株式会社ファミリーマート 芝さん、伊藤忠リーテイルリンク株式会社 遠藤さん、そして株式会社CiiK 代表取締役 宮永による対談を実施しました。
両社が大事にしていること、出会いの経緯、導入までの道のり、そしてこれから一緒につくっていきたい身だしなみの文化について話を聞きました。
コンビニは、挑戦を続ける街のインフラ
ー2026年4月24日より、全国1,920店舗のファミリーマートにRETOUCHが展開されました。まず、ファミリーマートさんとして、ここ数年どのようなことを大切にされているのでしょうか。
ファミリーマート芝(以下:芝):コンビニエンスストアは、長らく街のインフラとしての役割を担ってきましたが、ここ数十年で競争環境も変わってきています。
ファミリーマートには、「ファミチキ」という看板商品がありますが、ファミチキ以外でもまだまだ伸ばせる領域がある。そうした中で、アパレルや日用品、雑貨などへの挑戦が始まっていきました。
芝 恵莉子:株式会社ファミリーマート ライフスタイル本部
ーコンビニでアパレルを扱うこと自体、当初はかなり新しい挑戦だったのではないでしょうか。
芝:そうですね。当時はスーパーバイザーだったので、店舗からも「コンビニでアパレルをやるの?」という声も一部ではありました。
今ではコンビニエンスウェアが定着し、ラインソックスのように、海外の旅行者がお土産として選んでくださるまでになりました。
「日本のコンビニに行った」という思い出や、日本らしさを感じてもらえる商品になっているのは、とても嬉しいです。
潜在的なニーズにまで応えられる存在であることは、私たちの活動の根底にあります。
RETOUCHとの出会いは、公式メールへの一通の連絡から
ーRETOUCHのファミリーマート展開開始はどのようなきっかけだったのでしょうか。
CiiK宮永(以下:宮永):最初は、会社の公式メールに遠藤さんからご連絡をいただいたんです。
当時、RETOUCHはオンライン中心で販売をしており、やっと知名度が上がってきたタイミングだったため、正直そのメールを見て「え、これ本当かな?」と思っていました(笑)。メールアドレスを見ながら、本当かもしれないと半信半疑で返信したら、話が進んでいきました。
宮永 えいと:株式会社CiiK 代表取締役
伊藤忠リーテイルリンク遠藤(以下:遠藤):最初にご連絡してから、もう1年半くらいが経ちますね。
遠藤 正都:伊藤忠リーテイルリンク株式会社 営業第一本部
宮永:そうですね。最初にお話ししたときから、単に「何店舗で売りましょう」という数の話ではなくて、RETOUCHの世界観を見ていただいたうえで、「コンビニで展開するなら、どういう打ち手がいいのか」を一緒に考えてくださって、すごく嬉しかったことを覚えています。
既存商品の大きいサイズをそのまま置くのがいいのか。化粧品も含めて、どのラインナップがファミリーマートのお客様に合うのか。ゼロから一緒に考えました。
その結果、ミニサイズがいいのではないか、という方向に進んでいきました。
ーファミリーマートさんから見て、RETOUCHはどのように映っていましたか。
芝:もともと遠藤さんから「このようなブランドをファミリーマートで展開したい」とお話をいただいていました。
私も大人男子ラボの存在は知っていましたし、遠藤さんたちからも「すごく良いブランドです」と伺っていました。事前の情報と周囲の評判が重なり「これはファミリーマートでも是非展開していきたい」と思いました。
「やるなら絶対うちです」初回からチームになった感覚
ー最初の商談で印象に残っていることはありますか。
宮永:まず、ファミリーマートさんにお伺いする前に、伊藤忠リーテイルリンクさんに向けてプレゼンをさせてもらったんです。
つくった資料を、3〜4名の方に聞いていただきました。そのときに「これ、いけると思う」と言っていただけたのが本当に嬉しかったですね。
そのあと、ファミリーマートさんとの初回商談がありました。とても準備しましたが、正直、とても緊張しました(笑)。。
芝:全然そんな感じには見えなかったです(笑)。
宮永:初回の打ち合わせからすごく印象的だったのは、すぐにチームのような雰囲気になっていたことです。「この3人で進めていこう」という空気がありました。
芝:RETOUCHとファミリーマートの親和性はすごくあると思っていました。それで即座に「これはファミリーマートだからできる」と感じたんです。
宮永:僕自身も、コンビニにRETOUCHを置いていただけるならファミリーマートさんが一番合うのではないかと思っていました。
生活者との接点がありながら、コンビニエンスウェアなどの取り組みもあって、RETOUCHが置かれている売り場のイメージがすごく自然に湧きました。
実際に発売して、YouTubeのコメントでもポジティブなコメントをたくさんいただけました。RETOUCHがさらに多くの人の手に取ってもらえることだけでなく、自分たちの感覚とお客様の感覚がつながったことを強く感じることができて大変嬉しかったです。
売上ではなく、ブランドの文化を伝えたかった
ー社内で新しいブランドを通すうえでは、難しさもあったのではないでしょうか。
芝:もちろんありました。最初は社内でもRETOUCHを知らない人が多かったので「何のブランド?」という反応もありました。「オンラインで売れています」といった実績はどうしても伝わりづらいんです。
RETOUCHの価値は、洗練された世界観やブランディング、そして「大人男子の身だしなみ」を提案しているところにあると思っています。
単に売れている商品だから置く、ということではなく、ブランド自体に価値があることを理解してもらいたくて、社内でもすごく頑張って説明しました。
宮永:本当にありがたいです。
芝:販売実績だけではなく、「このブランドには文化をつくる力がある」ということを伝えたかったんです。
宮永さんと直接お話をして、「一過性のものではなく、身だしなみの文化を作るブランド」と伝えました。
「ファミマで整う身だしなみ」という企画にしたかった
ー今回、CiiK側ではどのような企画として捉えていましたか。
宮永:最初にプレゼン資料をつくったとき「ファミマで整う身だしなみ」というキャッチコピーをつけたんです。
僕らのワックスをファミリーマートに置かせてもらうというより、ファミリーマートに行けば身だしなみが整う。そういう企画にしたかったんです。
RETOUCHの商品が売れることは、もちろん営利企業として大事です。でもそれ以上に、ファミリーマートという場所で、身だしなみを整える文化を一緒につくることに意味があると思っていました。
発売後、大人男子ラボで「ファミマで買える身だしなみアイテム10選」のようなフィード投稿を出したのですが、かなり反響がありました。リール投稿の方が伸びやすい時代ですが、オーガニックで保存数も多くつきました。
それを見て「ファミマに行けば身だしなみが整う」というメッセージがちゃんと伝わったように感じました。
ミニサイズだから、試せる。ファミマだから、買える。
ー実際に全国約1,920店舗で展開してから、お客様や社内の反応はいかがでしたか。
芝:発売当日にお客様からお問い合わせをいただき「ミニサイズがファミマにあるのがありがたい」という声もたくさんいただきました。
「地元にあるかな」「最寄りにあるかな」といった声も見ました。多くの方が、身近な場所で買えることは大きな価値だと思います。
ファミリーマートは、全国に店舗があることが強みです。どこの都道府県にも店舗がある。その場所にRETOUCHがあることで、これまで届きづらかった人にも届く可能性があると感じました。
また、女性の反応が多かったことも嬉しかったです。オイルやミルクを「試してみたかった」と買ってくださる方もいました。
遠藤:伊藤忠リーテイルリンクの社内でも、RETOUCHというワードはかなり広がりました。出張が多いメンバーもいるので、ミニサイズを手に取ってくれた人もたくさんいました。
芝:社内でも、男性社員が「買ってみた」と言ってくれたり、ミニサイズを試した後に「大きいサイズが欲しくなってロフトで買いました」と言ってくれる人もいました。
そういう意味では、じわじわと効果が出ていると感じています。
大人男子は、年齢ではなく思想である
ー先ほど、身だしなみを文化として広げていきたいという話がありました。CiiKとして「大人男子」をどう定義しているのでしょうか。
宮永:最近、改めて大人男子の定義を言語化しました。
大人男子は、特定の年代やテイストを示す言葉ではなく、
「周りとの調和を大切にしながら、自分の心地よさも諦めない大人」
と定義しています。
大人になると、社会性を大切にするようになります。周りからどう見られるか、TPOに合っているか、ちゃんとしているか。そういうことを考えるのは大事です。
でも、それだけだと少し窮屈になる。
その中に、自分だけのこだわりや遊び心を2割くらい持っていると、さらに魅力のある大人になれると思うんです。
身だしなみも同じです。
ただルールとして整えるのではなく、少しパーマをかけてみる、ツヤ感を出してみる、自分らしい雰囲気をつくってみる。そういう小さな選択肢が、人生の豊かさにつながっていくと思っています。
芝:すごくいい考え方だと思います。
「おしゃれだから自分には関係ない」と思ってしまう人って、絶対にいると思うんです。でも、ファミリーマートなら買えるという人もいる。
バラエティショップや百貨店に行くのは少しハードルが高い。でも、ファミリーマートなら行ける。そういう方にとって、RETOUCHがきっかけになる可能性はあると思います。
コンビニから、身だしなみの先駆けをつくる
ー今後、RETOUCHやCiiKに期待していることはありますか。
芝:これまでは、有名になったものをコンビニに入れるということが多く、コンビニに並ぶ頃には少し前に流行ったものが販売されるという印象もあったかもしれません。
でも、これからはそうではなく、コンビニから先駆けをつくっていくことも必要だと思っています。棚を進化させるためには、新しい挑戦をしていかないといけない。
RETOUCHは、その一つになり得ると思っています。
ファミリーマートに行く動機として、「身だしなみを整えられる」が生まれるといい。RETOUCHにとってはブランドが広がり、ファミリーマートにとっては新しい来店理由が生まれる。
だからこそ、「一緒につくっていく」ことが大事だと思っています。
宮永:僕らとしても、身だしなみの文化をつくりたいと思っているので、自分たちの商品だけが売れればいいとは思っていません。
僕らはデジタルやSNS、コンテンツで発信することができます。一方で、ファミリーマートさんにはリアルの店舗があります。
デジタルとリアルを掛け合わせながら、身だしなみに関するいい場づくりを、中長期で一緒に編集していけたら理想です。
芝:もちろん簡単なことではありません。
コンビニは、色々なお客さまが来店する場所です。RETOUCHを求めて来る方と、普段コンビニを利用する方が完全に一致するわけではありません。
ただ、潜在的に「身だしなみに気を遣いたい」と思っている人はたくさんいるはずです。
そういう方に、「ファミマにもありますよ」と言えることには意味があると思っています。
体験できる場所を、もっと増やしたい
ー身だしなみとの接点を増やすという意味では、どのような可能性がありそうでしょうか。
芝:個人的には、もっと体験できる場所が増えたらいいなと思っています。
SNSはとても大事ですが、オフラインのタッチポイントを増やすことも重要です。
使ってみたら良さがわかる商品ってあるじゃないですか。香りや質感は、実際に触れてみないとわからないので、ミニサイズはその入口としてすごくいいと思います。
会社やホテル、商業施設のような場所にも可能性はあると思います。特に仕事前や商談前は、身だしなみを気にするタイミングです。
「外出から戻ってきて髪が乱れている」「このまま行って大丈夫かな」と思う瞬間に、さっと整えられる選択肢があったらいいですよね。
宮永:まさに、身だしなみをもっと日常に近づけたいと思っています。
僕らは、自分たちのプロダクトに限らず、大人男子の小さな選択肢をあらゆる場所から引っ張ってきて、「これいいよ」「これとこれを組み合わせたらいいよ」と編集していく会社でありたい。
その結果として、人生の豊かさにつながる選択肢を増やしていきたいと思っています。
一歩ずつ、身だしなみの文化を広げていく
ー最後に、今後の思いを聞かせてください。
遠藤:RETOUCHは、この1年半ほどの間にもSNSや商品展開、アパレルなど、どんどん変化している印象があります。これからも一消費者として楽しみですし、一緒に拡大していけることを楽しみにしています。
芝:最初にポップアップに伺ったとき、宮永さんが「もっと上の世代の男性にもRETOUCHを使ってほしい」と話していたことが印象に残っています。
RETOUCHは、20代後半から30代だけのブランドではない。もっと幅広い世代に届いてほしい。そのきっかけとして、ファミリーマートを選んでいただき嬉しいです。
ブランドの成長とともに、ファミリーマートも進化していける関係でいられたらいいなと思います。
宮永:本当に、今回ご一緒いただけていることに感謝しています。
身だしなみは、単に見た目を整えることではなく、その人が少し前向きになれたり、自分らしくいられたりするためのものだと思っています。
ファミリーマートという身近な場所にRETOUCHがあることで、これまで一歩踏み出しづらかった人にも届くかもしれない。
「ファミマなら買える」
「ミニサイズなら試せる」
「これなら自分にもできる」
そういう小さな選択肢を、これからも一緒に広げていけたら嬉しいです。
芝:一歩一歩ですね。実績を積み重ねながら、その先に大きく広がっていくといいなと思っています。
遠藤:これからもよろしくお願いいたします。
宮永:ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
大人男子の身だしなみの選択肢を増やす。
今回の対談で印象的だったのは、RETOUCHのファミリーマート展開が、単なる「販路拡大」ではなかったことです。
もちろん、全国約1,920店舗に商品が並ぶことは、ブランドにとって大きな出来事です。
しかし、それ以上に大きかったのは、「身だしなみを整える」という行為が、より日常に近づいたことだと思います。
美容室や百貨店、バラエティショップに行くには、少しだけ勇気がいる人がいます。
おしゃれな空間に入ることに、どこか気後れしてしまう人もいます。
「何を買えばいいかわからない」と思いながら、結局いつものまま過ごしている人もいます。
でも、ファミリーマートなら行ける。
仕事前に、出張先で、家の近くで、いつもの買い物のついでに手に取れる。
その距離感が、RETOUCHが届けたい“大人男子”の身だしなみにとても合っている。
CiiKが考える大人男子は、年齢やファッションのジャンルで区切られるものではありません。
周りとの調和を大切にしながら、自分の心地よさも諦めない大人。
社会性の中に、少しだけ自分らしいこだわりや遊び心を持っている人。
その人たちに向けて、いきなり大きな変化を求めるのではなく、まずは小さな選択肢を渡していく。
今回のミニサイズ展開は、まさにその小さな選択肢のひとつでした。
そして何より印象的だったのは、ファミリーマートさん、伊藤忠リーテイルリンクさんが、RETOUCHを「売れている商品」としてだけではなく、「文化をつくる可能性のあるブランド」として見てくださっていたこと。
オンラインでの実績やSNSでの反響だけではなく、RETOUCHがどんな人に、どんな気持ちを届けたいのか。
どんな生活の中に入り、どんな小さな前向きさを生みたいのか。
そこまで一緒に考えてくださったからこそ、今回の取り組みは、ただの取扱いではなく「ファミマで整う身だしなみ」という企画になったのだと思います。
身だしなみは、誰かに評価されるためだけのものではありません。
自分の気持ちを少し整えるためのものでもあります。
髪が少しまとまる。
香りが少し心地いい。
鏡を見たときに、少しだけ今日の自分を肯定できる。
そんな小さな体験が、日々の気分や振る舞いを少し変えていく。
RETOUCHはこれからも、大人男子の小さな選択肢を編集し、身だしなみをもっと身近で、もっと前向きなものにしていきます。
そして、ファミリーマートという街のインフラとともに、その選択肢をより多くの人の日常へ届けていきたいと思います。