日本の新規事業開発において、私たちが選ばれ続ける“独自の勝ち筋”　CEOインタビュー＃１

「コンサルティングファームや広告代理店で、美しい企画書を書くことには疲れた」 「戦略は完璧だったのに、実行フェーズで骨抜きになり、結局なにも生まれなかった」

もしあなたが今、そんなもどかしさを感じているのなら、ぜひ読んでいただきたい。

株式会社CINCAは、クライアントの新規事業開発を丸ごと引き受ける「レンタル新規事業室」という事業を展開しています。

私たちが戦っているのは、綺麗なスライド資料を作る「提案」の領域ではありません。泥臭く手を動かし、事業を成功させる「実行」の領域です。

今回は代表の阿部へインタビューを行い、なぜ今の時代にあえて「泥臭さ」を掲げるのか、そしてそれが若手のキャリアにとってどのような意味を持つのか、その真意を聞きました。

コンサルタントではなく「外部の新規事業室」になる

――まず、CINCAの立ち位置について教えてください。新規事業の支援というと、コンサルティングファームと何が違うのでしょうか？

阿部： 決定的な違いは、私たちがアドバイザーではなく、クライアントの「新規事業室そのもの」になり代わって動くという点です。これを私たちは「レンタル新規事業室」と呼んでいます。

一般的なコンサルティングは、戦略を描いたり会議をファシリテーションしたりするのが主な役割ですよね。でも、大手企業が新規事業を作るときに本当につまずくのは、もっと手前の「実行」の部分なんです。

「セキュリティ規定で最新のツールが使えない」「検証段階で社名を出すとリスクがある」「社内調整に時間がかかりすぎて、顧客ヒアリング一つするのに2週間かかる」。これでは、動きの速いスタートアップには勝てません。

――確かに、大企業ならではの「動けなさ」はよく聞きます。

阿部： だからこそ、私たちがCINCAという別会社の名義で動き、制約を取り払い、あらゆるツールを駆使して検証を代行するんです。

私たちは、横から口を出すだけの存在ではありません。クライアントと共にリスクを負い、実働部隊として成果を出すパートナーです。この「当事者として入り込む深さ」が、コンサルとの一番の違いですね。

なぜ、スマートな時代にあえて「泥臭い手段」を選ぶのか

――CINCAは「泥臭さ」を大切にしていると聞きました。具体的にはどのようなことをするのでしょうか？

阿部： 象徴的なエピソードとして、よく「インタビューのテレアポ」の話をします。

新規事業の立ち上げにおいて、顧客インタビューは必須です。通常であれば、外部のリサーチ会社を使って対象者を探したり、ネットでアンケートをとったりするのがスマートなやり方でしょう。

しかし、ニッチな業界や特殊なターゲットの場合、そういった既存のデータベースに対象者がいないことも多々あります。そんな時、普通のコンサルタントなら「対象が見つからないので調査設計を変えましょう」と言うか、あるいはテレアポ業者に丸投げするかもしれません。

でも私たちは、必要であれば自分たちでリストを作り、自分たちで電話をかけます。

――あえて自分たちでやるのですか？ 正直、今の時代にテレアポというと、若手の優秀層からは「ただの労働集約的な営業ではないか」と敬遠される懸念もありそうですが。

阿部： その感覚はよく分かります。ただ、誤解してほしくないのは、私たちは「テレアポがしたい」わけでも、「根性論が好き」なわけでもありません。それが「事業成功への最短ルート」だから選んでいる、という極めて合理的な理由なんです。

外部業者に依頼すれば、リスト共有や調整で数日のラグが出ます。でも自分たちでやれば、「今」電話して、1時間後にはアポが取れるかもしれない。事業の立ち上げ期において、このスピードは何物にも代えがたい価値です。

それに、電話口での相手の「声のトーン」や「断り文句」一つひとつが、実は貴重な一次情報になります。「なぜ断られたのか」を知ることは、ネットリサーチでは得られない事業のヒントになるんです。

――スピードと1次情報に拘るからこそ精度が上がるのですね。でもずっとテレアポ業務をやるわけではないですよね？

阿部： もちろんです。それはあくまで検証フェーズの一手段に過ぎません。目的は「解像度の高い情報を、最速で得ること」。その目的が達成されれば、すぐに次のフェーズであるプロダクト開発やマーケティングに移ります。

思考停止して汗をかくのではなく、「戦略的に汗をかく」。
ここを履き違えないようにしています。

「気合」に頼らず、事業開発を「科学」する

――「泥臭い実行」を重視しつつも、労働環境としてはスマートさを追求しているとも聞きました。そのあたりはどうバランスを取っているのでしょうか？

阿部： そこは非常に重要視しています。いくら泥臭さが大事だと言っても、社員に無駄な長時間労働を強いるようなことはしません。私たちは「事業開発を科学する」ことをテーマにしています。

一般的な事業会社だと、一人の担当者が「0→1」を経験するのは数年に一度あるかないかです。だからノウハウが溜まらず、毎回手探りになってしまう。

一方でCINCAは、年間で数えきれないほどの「0→1」を繰り返します。だからこそ、徹底的な「型化（テンプレート化）」が可能なんです。

――具体的に、どのような「型」があるのでしょうか？

阿部： ターゲットごとの最適なアプローチ方法、インタビューで聞くべき質問リスト、事業を続けるか撤退するかの定量的な判断基準など、あらゆるプロセスをマニュアル化しています。さらに、最近では生成AIを活用して、リサーチや資料作成を爆速化させています。

「泥臭いこと」をやる時間を確保するために、それ以外の業務は徹底的に効率化する。 社内のどのメンバーが担当しても、高いレベルで検証が進められる仕組みを作っています。

だから、未経験の第二新卒メンバーであっても、迷子になって疲弊することなく、最短距離で事業開発スキルを身につけられる環境だと自負しています。

クライアントの下請けではなく、次世代の「創業者」になる

――最後に、キャリアについて伺います。CINCAでの経験は、個人のキャリアとしてどう活きるのでしょうか？ 「クライアントワークだと自分の実績と言いづらい」という不安を持つ方もいるかもしれません。

阿部： その心配はいりません。私たちはクライアントと「ワンチーム」で動くので、事業が成功した際は堂々と自分の実績として語れますし、実際にそうしているメンバーばかりです。

CINCAのビジョンは「Build Founders（創業者を創る）」。 ここで数多くの打席に立ち、事業開発の「型」を身につければ、2年もあれば誰でも月商数百万円レベルの事業を自力で作れるようになります。

――それは、「将来起業したい人」しか合わないということでしょうか？

阿部： いいえ、必ずしも独立起業だけがゴールではありません。 もちろん、スピンアウトして起業するメンバーには出資もしますし、応援します。一方で、CINCAの中で執行役員や事業責任者として、より大きなプロジェクトを動かす道も歓迎しています。

重要なのは、会社の看板がなくても生きていける「事業家としての本質的な力」を身につけることです。 綺麗な戦略を描くだけでなく、泥臭い実行も厭わず、最後までやり切れる人材。そんな「事業家」が、今の日本には圧倒的に足りていません。

――ありがとうございます。最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

阿部： 今、世の中には「頭の良い戦略」は溢れています。しかし、「実行しきる力」を持った人材は希少です。

もしあなたが、パワーポイント上の空想ではなく、手触りのある事業をその手で作りたいと願うなら。そして、そのための「合理的な泥臭さ」を楽しめるなら。 CINCAは、あなたが「事業家」へと進化するための、最高の舞台になるはずです。

私たちと一緒に、日本の新規事業の成功率を、本気で変えにいきませんか？