FAKEBUSTERS(フェイクバスターズ)は「モノが増え、流通が加速し、真贋の重要性が高まる時代」とともに進化してきたサービスです。今回はリユース市場の変遷と重ねながら、その歩みを鑑定対象カテゴリー・ブランドを踏まえて振り返ります。
2019年〜2022年|スニーカーとストリートウェアのプレミア化
2019年、スニーカー市場は異常とも言える熱狂の中にありました。ナイキはTravis ScottやOFF-WHITEのコラボモデルが発売直後に数十万円に高騰し、Diorとのコラボでは100万円を超える取引も発生しました。「StockX」や「SNKRDUNK」などのマーケットプレイスが一般化し、日本を含めた世界中でスニーカーの「資産化」が進みました。
同時に偽造品も急激に巧妙化します。箱やタグまで再現された「スーパーフェイク」が出回り、個人では判別が困難なケースが急増しました。
フェイクバスターズはこうした潮流のなかで誕生しました。当初はスニーカーとSupremeを加えた8ブランドを対象としていましたが、2021年にはOFF-WHITE、KITH、ノースフェイスなどのストリートウェアの取扱いを始め、約60ブランド規模へと拡大します。スニーカーから始まり、「ストリート」というプレミア化された巨大市場の全体をカバーするフェーズに入りました。
シルバーアクセサリー|「鑑定困難領域」への挑戦
同時期、クロムハーツやゴローズといったシルバーアクセサリーも高騰を見せました。取扱い店舗には行列ができ、二次流通では定価の数倍〜数十倍で取引されるようになります。さらに2021年前後には実店舗を狙った窃盗事件も相次ぎ、現物資産としての価値が強く認識されるようになります。
しかしこの領域は、個体差や経年変化が大きく、真贋判定が非常に難しい分野です。製造年代による仕様差、ハンドメイド特有の揺らぎなど、単純な「正解」が存在しません。
フェイクバスターズはこの難易度の高い領域にも参入し、現在ではリユース企業からの依頼が特に多いカテゴリーのひとつとなっています。
2023年〜2024年|リユース拡大と高単価市場の本格化
コロナ禍に伴う巣篭もり以降、メルカリなどのフリマアプリの利用が一般層に浸透し、「中古で買う・売る」が日常化しました。同時に買取大吉などのリユース店舗も急増し、2023年には約19,000店規模へ拡大。ブランド品の流通量は過去最大レベルに達します。
特に動いたのがラグジュアリー領域です。ルイ・ヴィトンやエルメスのバッグは資産として認識され、バーキンやケリーは数百万円単位で流通します。需要増加に比例して偽造品も高度化・増加し、リユース事業者にとって「真贋」は経営を左右する大きな要因になりました。
フェイクバスターズはこのタイミングでバッグ鑑定を開始し、続いてアパレルも取扱いを始めます(28ブランドから開始し、26年7月現在は127ブランドに拡大)。ストリートからラグジュアリーへと対応領域を広げ、「高単価・高リスク領域」へとシフトしていきます。
トレーディングカード|低単価の商品が資産になる時代
同時に急成長したのがトレーディングカード市場です。ポケモンカードは「がんばリーリエ」が数百万円、「かいりきリザードン」が数千万円規模で取引され、YouTubeやニュースで広く認知されました。日本市場は約2,500億円規模に成長し、秋葉原や池袋を中心にトレカ専門店が急増します。
しかし、カードの原価は数円〜数十円程度。極端な価値のギャップは、偽造のインセンティブを強く生み出します。実際に再シュリンクボックスや精巧なコピーカードなど、新たな不正も登場しました。
フェイクバスターズはこの市場にも対応し、シングルカードだけでなくPSAなどの鑑定品(カード本体ではなく鑑定機関がパッケージした外枠の鑑定)、未開封ボックス(シュリンクの鑑定)まで鑑定範囲を拡張します。「低単価でありながら高額資産」という新しいカテゴリーへの対応を実現しました。
2025年〜2026年|あらゆる資産を真贋鑑定
現在、リユース市場はさらに拡張を続けています。腕時計の市場では、ロレックスのデイトナが数百万円〜1,000万円超で取引されるなど投資資産化し、ラブブのような突発的に人気を博す流行アイテムもたびたび出現します。今後はアート作品や工芸品、ノートパソコンやスマートフォンのような電子機器、証明書類や農産物に至るまで、真贋鑑定が必要なカテゴリーは増加していくと思われます。
フェイクバスターズではこの2年間で高級腕時計、ラブブ、ジュエリー、ラグジュアリーアクセサリー、香水など、新たな領域にも順次対応し、26年7月時点では全11カテゴリー 、330ブランド以上を鑑定対象としています。
市場の変化と共に進化するフェイクバスターズ
今後、リユース市場と鑑定には3つの変化が予想されます。
① リユースの「インフラ化」
リユースは一部の愛好家のものではなく、一次流通と並ぶ標準的な流通になります。リセールバリューを前提とした購入(売る前提で買う)が一般化し、真贋は取引の前提条件になります。
② 取扱商品の多様化
ファッションから、トレカ、時計、ホビー、さらにはデジタル連動資産へと広がり、「価値がつくもの」はすべて鑑定対象になります。
③ 偽造の高度化
AIや製造技術の進歩により、偽造品はさらに精巧になります。見た目では判別できない時代に入り、「人×データ×テクノロジー」の鑑定が不可欠になります。
フェイクバスターズは、スニーカー、ストリート、ラグジュアリー、トレカと、リユース市場の成長とともに鑑定領域を広げてきました。
カテゴリーやブランドを増やしていくことは、単純に横展開をすればよいという話ではありません。カテゴリーが異なれば素材や製造手法も異なり、求められる専門性が異なります。また、カテゴリーが同じでも、ブランドやモデル、サプライチェーンや偽造の傾向も異なります。
このため、私たちは世界中から鑑定士を集め、専門機器や設備の増強を日々行っています。また、鑑定結果をデータとしてAIに学習させ、最高の精度・品質で迅速にサービスの提供を行えるように日々アップデートしています。
今後も市場が拡大すれば、必ず新たな真贋の課題が生まれます。私たちは今後もこの課題に真摯に向き合い、着実にサービスを拡張していきます。
さいごに
「本物であること」は、これからのリユース市場における最も重要なインフラになります。モノの価値が流通の中で決まる時代において、その価値を担保する存在が必要です。
フェイクバスターズは、あらゆるカテゴリーにおいてその役割を担う存在として、リユース市場の進化とともに、これからも成長し続けていきます。私たちの活動にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度お話しできれば嬉しいです。