こんにちは、iTANエンジニアチームです。
先日、チーム内でSlackのカスタム絵文字をいくつか作りました。
ぱっと見ると「なにそれ?」という感じですよね。今回はこの絵文字がどんな経緯で生まれたのか、そしてその裏にある私たちの開発スタンスについて書いてみます。
なぜSlackに絵文字を作ったのか
きっかけはシンプルで、チームで大切にしていることを言葉にしたとき、それが日常の中で使われないと意味がないと感じたからです。
ドキュメントに書いても、MTGで話し合っても、日々の業務の中で忘れられてしまえばそれまで。であれば、一番使っているコミュニケーションツールであるSlackの中に「チームの言葉」を埋め込んでしまおう、というのが発想の出発点でした。
5つの絵文字と、その意味
「意図を汲む」:いとくみ:
私たちのチームはクライアント開発とSaaS開発の両方を抱えています。クライアントから要望が来たとき、「そのまま作る」前にひと呼吸置く習慣があります。
「なぜこの仕様なのか?」「本当にこれがユーザーの課題を解くか?」——Slackでこんなやりとりが生まれてほしいと思っています。
「この仕様、クライアントの要望だけど、他のユーザーにとってはどうなんですかね?」
「:いとくみ:いい視点!夕会で一回みんなで話してみよう」
疑問を持つことが歓迎される、そういう空気をこの絵文字で後押しできたらと思っています。
「長く使える設計」:ながく:
新しいライブラリや技術を導入するとき、私たちが最初に問うのは「かっこいいか」ではなく「半年後も運用できるか」です。サポート期限、メンテナンス頻度、保守コスト——地味な確認作業ですが、これをサボると後でじわじわ痛い目を見ます。
たとえばこんなやりとりが生まれたらいいなと思っています。
「このライブラリ、最終更新が1年以上前なんですよね……」
「:ながく:の観点でいうと確かに気になるね、代替案を一緒に調べてみよう」
指摘や批判ではなく、共通の言葉として「長期的な目線」を持ち出せる。そういうやりとりのきっかけになってほしい絵文字です。
「自分ごとにする」:わがこと:
エラーログやバグを見たとき、「誰かがやるだろう」でスルーしない。気になったことを夕会で共有する、IssueとしてSlackに流す——そういう動きができているときに使う絵文字です。
こんなやりとりが理想です。
「さっき本番でちょっと気になるエラー見たんですけど、共有しておきます(雑でごめんなさい)」
「:わがこと:ありがとう!拾ってくれて助かる、一緒に見てみよう」
完璧にまとまってなくていい、雑でいいから早めに出す。情報が手元に留まっている時間が長いほど、問題は大きくなる。 気づきを出してくれたこと自体を歓迎する、そういうリアクションとして使ってほしい絵文字です。
「チームで判断する」:ちーむ:
「5分迷ったら聞く」——これが私たちの中にあるルールのひとつです。個人が抱え込まず、チーム全体に影響することはオープンにする。「ちょっと聞いてもいいですか?」が自然に言える空気を作ることが、このスタンプに込めた意味です。
こんなやりとりが生まれてほしいと思っています。
「この実装どっちのアプローチにするか迷ってて……一人で決めちゃっていいのかな」
「:ちーむ:それ絶対聞いてほしい案件!ちょっと話せる?」
技術的な判断でも、仕様の確認でも、迷っていることを出してくれること自体をポジティブに受け取る。そういう文化のバロメーターとして使われていってほしい絵文字です。
「新しい仲間にもやさしい設計」:やさしい:
コード、README、Notionのメモ——私たちがドキュメントを書くとき、意識しているのは「半年後に入ってくる人が読んでも分かるか」という視点です。
こんなやりとりが生まれてほしいと思っています。
「セットアップで詰まったところあったんですけど、READMEに追記してもいいですか?」
「:やさしい:ありがとう!むしろそれめちゃくちゃ助かる、ぜひお願いします!」
新しいメンバーが気づいたことをすぐ反映できる。「自分だけが知っている情報」をなくしていくことが、チームとしての強さになる。 そういう文化を育てていきたい絵文字です。
絵文字が「文化の言語」になるまで
正直に言うと、最初はそこまで深く考えて作ったわけではありません。「チームの言葉を絵文字にしてみよう」というノリに近かった。でも使い始めてみると、言語化されていなかったコミュニケーションに名前がつく感覚があって、じわじわ効いてきています。
Slackで絵文字ひとつ押すだけで、「これはそういう観点での話なんだな」とすぐ伝わる。言葉を尽くさなくても、チーム内で文脈が共有される。「私たちが大事にしていること」を日常の中で思い出せる、そういう役割を担い始めています。
おわりに
Slackの絵文字なんて、チーム運営の中では本当に小さなことかもしれません。でも「文化を形骸化させない」ために何ができるかを考えたとき、日常の道具の中に言葉を埋め込む、というのは意外と有効な手段だと感じています。
もしこういう開発スタンスやチームの雰囲気に興味を持っていただけたなら、ぜひ一度話しましょう。