「社内でイノベーションが生まれにくい」
「1on1を導入したが、形骸化している」
「部署間の連携がうまくいかず、部門最適の壁を越えられない」
今の日本社会、そして多くの企業が直面する、こうした根深い課題。その根底には、人と人との関係性、特にイノベーションの鍵となる「信頼」という、目に見えない資本が深く関わっています。
私たちシンギュレイトは、「科学とデータ」を武器にこの「信頼」を可視化し、育むことで、組織、ひいては社会全体のOSをアップデートすることに挑戦するサイエンスカンパニーです。
本記事では、この根深い課題を解決するために、シンギュレイトが提供している具体的なサービス群について、その思想と共にご紹介します。
シンギュレイトが解決しようとしている課題
【市場と社会課題】
人的資本経営への注目が高まる中、多くの企業が「イノベーションの創出」を重要課題に掲げています。しかし、心理的安全性の確保といった施策だけでは、組織や組織に所属する人たちは「安心」はしても、リスクを取って新しいことに挑戦するまでには至りません。
私たちは、イノベーションが「人と人との新しい関係性」から生まれると定義しています。そして、慣れない相手と協業する「不安」を乗り越え、その関係性を築く原動力こそが「信頼」なのです。シンギュレイトは、この「信頼」を科学的に醸成することで、日本企業が直面する停滞感を打破し、変化に適応できる組織文化を日本の企業に実装していくことを目指しています。
このマクロな課題は、現場レベルの具体的な問題とも密接に連動しています。
日本の企業組織には、コミュニケーションが少ない、という大きな課題があります。その他、エンゲージメントが低い、若手メンバーの主体性が低い、など人に関する様々な問題に日々頭を悩ませていることでしょう。
そこで、導入が増加している人事施策が「1on1」です。1on1とは、マネージャーとメンバーの対話の場。1on1の取り組みは、イノベーションの創出にもつながっていく、人と人との新たな関係性を生み出す取り組みに他なりません。1on1を通して、マネージャーとメンバーの信頼関係の醸成も期待できます。私たちシンギュレイトにとっても、1on1は当たり前になって欲しい重要な施策です。
しかし、うまくいっていないのが多くの企業での現状です。多くのマネージャーは、適切な1on1のやり方を習得できていません。その状態で実施しているため、質の良い1on1ができているとは限らない状態です。また、そのような状態だからこそ、1on1を続ける意味も見失ってしまい、1on1自体が形骸化するような状況に陥っています。
そこで私たちは強みを活かして、各企業が1on1の導入目的を達成し、企業風土を変革するための支援をおこなっています。
【私たちの強み】科学的知見と、それを実現する技術力
私たちは、組織開発という抽象的な領域に対し、「科学の知見」と「技術力」を両輪とした、独自の科学的アプローチで挑んでいます。
1. サイエンス(情報学・心理学)
私たちのサービスの根幹には、認知神経科学や社会心理学、情報学といった分野の学術的知見があります。これらを用いて、「信頼」や「対話」といった、これまで感覚的に語られてきた領域を科学的に定義し直します。
2. テクノロジー
サイエンスをビジネスの現場に実装するための技術力が私たちのもう1つの強みです。
- データ取得技術
アンケート等で得られる「心理の主観的データ」と、1on1での対話などから得られる「行動の客観データ」という、2種類の独自データを収集・分析する技術。 - 認知行動ギャップの可視化
これら2種類のデータを組み合わせ、人が「できていると思っていること」と「実際にやっていること」の乖離(認知行動ギャップ)を指標化。これは、多くの組織課題の根源となっている無意識のバイアスを可視化する技術です。 - ピープルアナリティクス(因果推論)
単にデータを分析するだけでなく、施策の前後比較によって効果を科学的に検証する「因果推論」を重視。これにより、「なぜ組織が変わったのか」という原因まで深く究明します。
ピープルマネジメントを変革する、シンギュレイトのサービス
私たちは、サイエンスとテクノロジーを基に、組織を変えるための具体的な「手段」としてのサービスを提供しています。私たちのビジネスモデルは、単なるツール提供ではなく、創業当初から「システム・データ活用」と「専門家の伴走支援」を両輪で提供する、顧客に深く入り込むハイブリッドな形態が特徴です。
1on1支援サービス『Ando-san』
マネージャーのみなさん、1on1で話しすぎていませんか?話しすぎてしまうマネージャーを指す「オレオレ上司」という言葉があるほど多い、話し過ぎマネージャー。しかも本人はそうでもない、と思っている場合が多いのです。これを認知ギャップといいます。このマネージャーの「認知ギャップ」を解消するための1on1支援サービスが「Ando-san」です。1on1での「話し方」を客観的データでフィードバックし、マネージャーによる”話しすぎ”を防止します。1on1における自身の会話行動を適切にコントロールすることで、メンバーの主体性を引き出すコーチング主体の1on1の実現を促します。
導入事例:導入前は自身の発言比率が7割を超えていたマネージャーが、客観的フィードバックで「話しすぎ」の癖を認識し、行動変容を実現。メンバーから「意見を言いやすくなった」という声が上がっただけでなく、組織全体の「他部署への信頼」が向上するという波及効果も見られました。
ラボ(組織開発プログラム)
「コミュニケーション・ラボ」や「マネジメント・ラボ」といった1on1・マネジメントの研修サービスです。従業員の主体的な学習と、その学習を実践へと還元するためのアプローチで構成しており、個人だけでなく組織全体の開発につなげます 。提供するマネジメント知識やスキルは科学的根拠に基づいており、高い納得感と再現性を備えています 。
1on1課題発見リサーチ
組織の1on1が抱える根本的な課題を発見・定義するためのリサーチ&コンサルティングサービスです。組織がどこでつまずいているのかを明確にし、最適なソリューション導入を支援します。
組織診断サーベイ『イノベーション・サーベイ』
イノベーションの土壌となる「信頼」を3つのレベル(チーム内、部署横断、社外連携)で可視化する組織診断サービスです。信頼とは、不安があっても、他者に任せること。リスクがあっても、人とつながりをもち、コミュニケーションが取りやすい状態かどうかを診断します。これによって、イノベーション創出を阻害する要因をみつけだし、的確な打ち手を提案します。
導入事例:あるお菓子メーカー様は、既存サーベイでは具体的な示唆が得られませんでした。『イノベーション・サーベイ』の導入で、「信頼で繋がる組織は、メンバーの主体性と裁量がエンゲージメントを高め、イノベーションを促進する」という深い因果関係を発見。「社員の裁量権を増やす」という具体的な打ち手を見出すことに成功しました。
未来へ向かうシンギュレイトで、共に挑戦しませんか?
私たちがこの複雑な事業モデルに挑むのは、それが現代日本が抱える課題の解決に不可欠だと信じているからです。
私たちが目指すのは、「対話ができる働き方」、すなわち、相手の話を能動的に引き出しあい、日々の業務から学びが生まれる習慣を社会に根付かせること。それは、変化に適応し、イノベーションを生み出す「組織文化」そのものを醸成することに他なりません。
シンギュレイトで働くことは、まだ世にない「未来の当たり前」を自らの手で創り上げていく挑戦です。
「人的資本投資」という成長市場で、純粋なSaaSではない独自のハイブリッドモデルをどうスケールさせ、社会課題の解決と事業成長を両立させるか。ツールを売って終わりではなく、顧客に伴走し、組織が変わる瞬間までを見届ける「プロセス・コンサルティング」をどう追求するか。そして、「人の心」や「組織の関係性」という最も複雑で面白いテーマに、データサイエンスでどう挑み、未来の組織論を築いていくか。
これらはすべて、私たちの挑戦の重要な側面です。
私たちのビジョンに共感し、これからの時代にあるべき組織の姿を共に創造し、広めていく仲間を募集しています。この根深く、しかし解決すべき課題に、一緒に取り組みませんか?