AIが当たり前になるほど、エンジニアの価値は「作る」だけでは測れなくなっていきます。要件の曖昧さを先に埋め、関係者の前提を揃えながら、使える形に落とし込む。
今回登場するのは、AI時代を見据えて「価値の出し方」を更新し続けるエンジニア・多川さん。要件整理と実装の間を行き来しながら、どう働き方と強みを組み替えているのか。その思考と覚悟を辿ります。
目次
プロフィール
コロナ禍が起点 — 触って気づいた“コードの面白さ”
更新する決断 — AI時代に“価値の出し方”を変える
作って終わらない — 要件定義〜テストまで担うエンジニアの役割
素直さが前提 — 高め合いが“日常”のカルチャー
価値を更新する — 技術だけに寄らないエンジニア像へ
最後に
プロフィール
多川 信也(Tagawa Shinya)/エンジニア
コロナ禍をきっかけにプログラミングに出会い、エンジニアへ。バックエンド開発を中心にキャリアをスタートし、現在はシステム開発で、要件定義から実装・テストまで一連の工程を担う。
最近のリフレッシュはボクシング。MBTIはINFJ。静かに熱く、頭も体も“型をつくって積み上げる”派。
コロナ禍が起点 — 触って気づいた“コードの面白さ”
エンジニアを目指したきっかけは?
コロナ禍で外に出る機会が減り、自然とパソコンの前にいる時間が長くなりました。そこでたまたま触れたのがプログラミングです。少し試してみたら想像以上に面白くて、自分が書いたものが動き、画面の反応が変わる。その「手応え」が嬉しく、学ぶ時間が少しずつ増えていきました。
そうして触れていくうちに、「面白い」で終わらせたくない気持ちが生まれました。学んだ知識をそのまま仕事に活かせる道を選びたい。ITには、業界やテーマを問わず、目の前の課題を解決していける可能性がある。その広がりに惹かれて、エンジニアを目指しました。
エンジニアとしてのキャリアについて教えてください。
エンジニアとして最初に経験したのは、バックエンドを中心とした開発でした。環境としてはレガシー寄りで、便利なツールや整った仕組みが最初から揃っているわけではありません。いま振り返ると「地に足のついた経験」だったと思いますが、当時は余裕がなく、毎日目の前のタスクに食らいついていくという感覚でした。
特に印象に残っているのは、Web APIに初めて取り組んだときです。チームの水準が高く、会話のスピードも前提知識も速い。一方で私は未経験で、専門用語を含めて理解が追いつかない。キャッチアップの量が増えるほど、コミュニケーションにも影響が出てしまう。そんな負のループに入ってしまった感覚は、いまでも覚えています。
それでも、多様な業界の案件に関わり、それぞれの業界特有の知識や課題に触れられたことは大きなやりがいでした。新しい知識を吸収することが好きだからこそ、「知らないことを知っていく」こと自体が自分のエンジンになっていたと思います。技術の積み上げだけではなく、業界ごとの前提や制約の違いを体感できたことは、結果的に自分の視野を広げてくれた貴重な経験になりました。
更新する決断 — AI時代に“価値の出し方”を変える
転職を考えるようになったきっかけは?
一番大きかったのは、技術環境です。レガシー寄りの環境で得られる学びがあることは分かっていました。ただ、これからの自分が伸ばしたい方向を考えたときに、モダンな開発環境や技術の選択肢に触れられる機会が限られている感覚がありました。進む方向に対して、道が合っていない。そんな感覚に近いかもしれません。
そこに重なったのが、AIの進化です。開発の仕方そのものが変わっていくスピードを目の当たりにして、「この先、エンジニアとして価値を出す場所も変わる」と感じました。コードを書くことが容易になるほど、「ただ作れる」だけでは価値になりにくい。実装力はもちろん大事だけれど、それだけに寄り切るのではなく、技術を続ける前提で、価値の出し方そのものを見直したいと思うようになりました。
AICEを知ったきっかけと入社の決め手を教えてください。
転職活動を進める中で、求人媒体を通じてAICEに出会いました。次の環境を考えるときに私が大切にしていたのは、「学び続けられる土台があること」と「成長できる環境」です。面談の中で会社の話を聞くうちに、扱う領域が多様である点や、モダンな技術を扱っている点に惹かれていきました。
ただ、最終的に背中を押したのは技術だけではありませんでした。印象に残っているのは、挑戦を当たり前に語る雰囲気と、素直に学び合う姿勢です。技術だけではない、AICEの「人と空気感」。ここでなら自分の価値を更新できると思えたことが、AICEを選んだ一番の理由です。
作って終わらない — 要件定義〜テストまで担うエンジニアの役割
AICEではどのような業務を担当していますか?
AICEでは、要件定義から開発、テストまで一連の流れに関わっています。直近では、介護領域のシステム開発に携わってきました。仕様が固まったものを受け取って実装するのではなく、背景や目的を整理しながら、必要な形に落としこむところから関わっています。
現場の業務には独自の言葉や前提があり、ドメイン知識が追いつかないまま進めると、仕様そのものが曖昧になってしまいます。だからこそ開発の初期段階で、業務フローや判断基準を丁寧に確認し、データの定義や扱い方も含めて仕様を詰め、実装と検証につなげていく。こうしたプロセスに入れることで、技術力だけではなく、「前提を揃える力」も鍛えられている実感があります。
やりがいを感じる瞬間や、難しさはどこにありますか?
やりがいを感じるのは、曖昧だった要望が整理され、仕様になり、実装とテストを経て「使える形」になっていく瞬間です。最初から要件が揃っているわけではなく、言葉にしきれていない要望や、前提が共有されていない状態から始まることもあります。そこで急いで作り始めると、後からズレが出やすい。だから私は、背景や意図を整理し、共通理解をつくってから進めることを意識しています。
難しさは、ドメイン理解が浅いと仕様の粒度が合わず、データの扱いにも影響が出てしまうことです。過去には、要件定義が十分でないまま進めてしまい、後から混乱した経験もありました。いまはその反省があるからこそ、確認の粒度を上げ、仕様の“空白”を先に埋めることを徹底しています。こうした地道な積み重ねが、結果として品質にもスピードにも効いてきて、「作って終わらない」仕事につながっていると思います。
素直さが前提 — 高め合いが“日常”のカルチャー
AICEで働く人たちには、どんな共通点がありますか?
一緒に働く中で感じる共通点は、「素直さ」と「前に進める力」だと思います。分からないことを分からないと言えるし、詰まっている部分があれば早めに共有する。そこで変に取り繕わずに出せるから、解決も早い。結果として、個人の頑張りがチームの前進に繋がりやすい環境になっていると感じます。
もう一つは、学ぶ姿勢が前提になっていることです。新しい技術や考え方に対して「まず触ってみる」「試した結果を共有する」という動きが自然に出てきます。誰かが上から教えるというより、横並びで知見を持ち寄って理解を揃えていく。立場が違っても、必要な情報はちゃんと取りに行くし、意見も言える。こういう空気感が、個としてチームとして高め合うことにつながっているのだと感じます。
代表2人(佐藤さん・高橋さん)について、どんな印象がありますか?
佐藤さんは、まず「野心」と「行動力」が強く印象に残る方です。思い立ってから動くまでスピードが速く、良い意味で経営者らしい大胆さがある。現状維持ではなく、変化のほうへチームを引っ張っていく人──そんなイメージです。
高橋さんは、「人格者」という言葉がしっくりくるタイプで、チームをまとめることがとても上手い方です。場を落ち着かせながら関係性を整え、メンバーそれぞれが力を出せる状態をつくっていると感じます。
価値を更新する — 技術だけに寄らないエンジニア像へ
これから、どんなエンジニアになっていきたいですか?
これからは、技術を磨き続けることを前提にしながら、価値の出し方をもう一段広げていきたいと思っています。AIの進化で開発の進め方が変わる中で、コードを書くことだけが武器ではなくなっていく。だからこそ私は、技術力に寄り切るのではなく、要件を整理して前提を揃え、関係者と同じゴールを見られる状態をつくる力を伸ばしたいです。
AICEでの開発を通じて、「作る前に、聞き切る」ことの重要性を強く実感してきたからこそ、そこを自分の武器として磨いていきたいと思っています。技術とコミュニケーションの両方で頼られるエンジニアが、いまの目標です。
その挑戦のために、いま意識していることはありますか?
一つは、ドメイン知識の深め方です。現場の言葉や判断基準を理解できないと、仕様の粒度が合わず、結果として実装やデータの扱いにズレが出ます。だから私は、「分かったつもり」を作らないことを意識しています。業務フローを自分の言葉で整理する、認識が合っているか確認する、曖昧な部分を先に埋める。そうした地道な動きが、結果的にスピードと品質に効くと感じています。
もう一つは、AIを前提にした働き方の中での立ち位置を掴むことです。便利なツールが増えるほど、実装以外の部分──「何を作るべきか」「どう進めるべきか」を決める力の価値が上がっていく。だから、技術のキャッチアップに加えて、要件定義やコミュニケーションの質も含めて磨いていきたいです。AI時代でも揺らがない強みを作るために、いまの自分に必要な鍛え方を選び続けたいと思っています。
最後に
このストーリーを読んでくださっている方へ、メッセージをお願いします!
AICEは、エンジニアとして「この仕事が好きだ」と思える方には、相性の良い環境だと思います。「スキルアップしたい」「好きな仕事に向き合い切りたい」と思っている方にとっては、得られるものが大きいはずです。
個人の裁量も大きく、日々の業務の中で学びや知見を共有する場面も多いので、成長意欲がある人ほど前に進みやすい環境だと感じています。そんな方と一緒に働ける日を、楽しみにしています。
多川さん、インタビューへのご協力ありがとうございました。
多川さんの言葉に一貫していたのは、「価値の出し方を更新する」という視点でした。AIが当たり前になるほど、何を作るべきか、どう進めるべきかが問われる。だからこそ、技術とコミュニケーションの両方で頼られるエンジニアを目指す多川さんの挑戦は、これからの働き方のヒントにもなるはずです。
AICEは、「AIの力で日本の生産性を10倍にする」という目標のもと、業界知見を持つ専門コンサルタントとAIエンジニアが連携し、現場起点の伴走型AIパートナーとして企業変革を支援しています。
課題整理から設計、実装、運用までをワンストップで担い、正解のないテーマに向き合いながら価値を届けていく。そうしたプロセスに面白さを感じられる方と、これからのAICEを一緒につくっていきたいと考えています。
少しでもAICEの考え方や取り組みに興味を持っていただけた方は、ぜひ一度、カジュアルにお話しできれば嬉しいです!