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これからの建設会社に求められる物は?日本のリフォーム市場の動向を見て

複数の機関が出している統計を見ると、現状の統計数字こそ違いますが、これからのリフォーム市場は横ばいになると予測しています。これは少子化や中古住宅のストック数、そして政府の示している方針などによる計算結果と言えるのですが、残念ながら、それだけの情報では建設会社がどの様に立ち回れば良いかの方向性が見えません。
しかし、リフォームをする住宅やリフォーム技術などを見れば、ある程度の予測は可能です。
そこで、ここでは横ばいとなっている市場の中において、建設会社がどの様に動けばベターなのかを考えてみたいと思います。

現状の中古住宅の品質とその品質判断

現状の中古住宅の品質は良い物から悪い物まで様々です。
良い物を考えるならば、きれいに使われていて、しかも環境も良くて、元々が高品質で耐久性が高い物が挙げられるでしょう。その一方で悪い品質の物は構造部分が腐ってしまっていたり、シロアリに食われてボロボロだったり、あるいは地震や台風で破損しているかも知れません。品質は実に様々なのです。
しかし、単に「使用が可能かどうか」を吟味するならば、まだまだ使える物は多いと言えます。ただし、物件に使われている設備は旧態依然としている物も多く、そのままでは便利な生活が望めない物も少なくないとも言えるでしょう。
そのため、構造部分以外の目に付く部分、実際に使う部分を更新すれば、まだまだ使える物も少なくありません。つまりリフォームすれば住める家は非常に多いのです。ただし、その住宅の基本的な品質はチェックされなければなりません。
ちなみに、中古住宅の品質チェックはホームインスペクションによって評価されます。これは第三者の立場からの住宅の品質判定。住宅のプロにより、公正に品質を測られるのです。

リフォームの需要はどうなるか

次にリフォームの需要について考えてみましょう。
冒頭に挙げた様に、今後のリフォームは横ばいの状態が続きます。ですから一見すると「今後も変化が無い」と思えるも知れません。しかし、これはあくまでも金額がベースです。リフォーム工事の中身が変わって必要とされるリフォームの質が変わるかも知れないのです。
例えば以前のリフォーム工事は水まわり製品などのベーシックな物が多数を締めました。その時代は未だ旧態依然とした住宅が残っていた時代で、トイレは和式で浴室は在来工法の物…といった物でした。そして、そのリフォームが洋式トイレやユニットバスへのリフォームと言っても良いでしょう。
しかし、現在の段階で「変化の兆候」が見えて来ています。例えば「環境」をテーマにしたリフォームです。
環境関連のリフォームは裾野が非常に広いです。エネルギーを創り出すソーラーパネルや家庭用燃料電池などだけでは無く、壁に仕込む断熱材や、最近では断熱効果を持つ塗料まで出て来ました。リフォームに携わる会社としては、それらの要求に応えなければならず、レベルアップが要求されるのです。

必要とされるリフォーム技術

ここで、リフォームの変化の兆候をもう少し突っ込んで考えたいと思います。
前節で「環境」がキーワードになると述べ、燃料電池や断熱材などの技術を取り上げました。
では、このキーワードから、企業に求められる技術にはどの様な物があるのでしょうか。
これは単なる施工の技術だけでは物足りなく思われます。基礎理論が必要と考えられるからです。と言うのも、基礎理論を納めていないとリフォームの応用が出来ないからです。例えば断熱ですが、どの様な断熱材をどの程度使えばどれくらいの効果が上がるかを知る必要があるのです。
…もしかしたら、以前は「これくらいの断熱材を使えば大丈夫だろう」といった感じで、「どのくらいの効果があるか」を考えずに使っていたかも知れません。しかし、環境負荷の低減を目的とするならば、「どれくらい達成出来たか」をも知る必要が出て来るのです。
また、社会からのキーワードを考えると「バリアフリー」という言葉も出て来るでしょう。
これも「手すりを付ければ大丈夫」と言った考えで終わらせるのでは無く、利用者の体力を考え、しかも動ける部分を退化させない仕様を考えなければならないのです。

建築会社に望まれる物は何か

それでは、建設会社に望まれる物は何でしょうか。
まず挙げられるのが、最初に挙げた「ホームインスペクションのノウハウ」と言えます。と言うのも、このノウハウによって中古住宅が使えるかを判断出来るからです。
次に挙げられるのは「数字に強い技術者の育成」です。
これは断熱やバリアフリーに関係する技術が数値に関係するからです。バリアフリーの観点で考えるならば、車椅子用のスロープの角度と押す力の関係や、ドアの重さや開閉速度の計算には数字が欠かせないからです。
これらのノウハウがあれば、中古住宅の発掘から評価、そして客観的なリフォームの計画、そして施工までの一式を対応することが出来る様になります。トータルでの収益を上げることが可能となるのです。

まとめ

企業は「人材」によって成立していますが、リフォームを考えてみても、人材が重要になることが結論出来たと思います。インスペクションにしろリフォームのエンジニアにしろ、最終的には「マンパワー」です。人材育成への注力が最重要なのです。

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