天照大神(天岩戸の神話) 出典:PICRYL(パブリックドメイン)
コラム本論に入る前に、あらかじめエクスキューズをさせてください。
今週のタイトルは「神話と女性」としましたが、女性についてコラムを書く場合、どうしても政治的・思想的なテーマに触れなければ、文章に奥行きが出ないのではないかと考えました。
ただし、これは皆さんに特定の思想や信条を押し付けるものでも、意見の異なる方を排除するものでもありません。その点をご理解いただければ幸いです。
さて、お子さんのいらっしゃる方に質問です。すでに子どもが大きくなられた方は、幼い頃を思い返してみてください。
寝る前に本の読み聞かせをしていますか、あるいは、していましたか。どのような本を選ばれていたでしょうか。ベストセラーとなっている『はらぺこあおむし』でしょうか。
私が幼い頃は、「八岐大蛇(やまたのおろち)」や「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」といった日本古来の神話を、父が毎晩読んでくれました。
八岐の大蛇
「因幡の白兎」で泣いているウサギを見つけた大国主命
そして今度は自分が読み聞かせをする番になり、娘にも同じように日本の神話を読んであげようと思い、私自身が読んでもらっていた神話の絵本を書店に買いに行きました。しかし、書棚に並んでいるのは外国の物語ばかりで、日本の神話の絵本は、ようやく1冊見つけられる程度でした。
私は、神話というものは非常に大切だと思っています。
以前、インドの神話である「ラーマヤナ」を読んだ際、話のネタになるかと思いインドの方にその話をしたところ、「ラーマヤナ」という言葉を出した瞬間から、30分ほど一度も途切れることなく話し続けられ、私はただうなずくことしかできませんでした。
少しかじった程度の知識で話題にするものではないと反省すると同時に、その国の人にとって神話とは、自らのアイデンティティそのものなのだと強く実感しました。
そう考えると、日本人として、書店に外国の絵本ばかりが並んでいる現状は、由々しき事態だと思います。
皆さんは、天照大神(あまてらすおおみかみ)や須佐之男命(すさのおのみこと)や大国主命(おおくにぬしのみこと)の物語をご存じでしょうか。
これらの神々の壮大な物語は、日本人の「心のよりどころ」として、本来大切にされるべきものだと考えています。
天照大神の弟の須佐之男命の孫である大国主命は、日本の原型となる「葦原中国(あしはらのなかつくに)」を完成させ、統治していました。
その頃、高天原(たかまがはら)を治めていた天照大神は、建御雷神(たけみかづちのかみ)を大国主命のもとへ遣わします。
出雲の稲佐浜に降り立った建御雷神は、十掬剣(とつかのつるぎ)を抜き、刀を地に突き立て、その刃先にあぐらをかいて大国主命にこう告げました。
「汝が“うしはく”葦原中国は、天照大神の御子が“しらす”国である」
“うしはく”とは民衆や領地を支配すること、“しらす”とは民の心を知って民のために公平に治めることを意味します。
自分の息子である建御名方命(たけみなかたのみこと)が建御雷神にいとも簡単にやられてしまうのを見た大国主命は、葦原中国を天照大神に献上し、自らは「高くそびえる宮殿」(現在の出雲大社)に身を隠すことになります。
これは国譲りの神話です。この神話からも、女性神である天照大神が“しらす”国こそが、わが日本なのです。この神話を読み返す度に、日本では女性が”しらす”方がうまくいくのではと考えています。
以前のコラム「#04:女性と仕事と会社と」でも触れましたが、日本は古くから、農業・工業・商業といった産業のいずれにおいても、その担い手に男女の隔たりがありませんでした。登呂遺跡に行ったときに古代の集落の様子が描かれていました。その絵では男性も女性も分け隔てなく農業と家事にいそしんでいました。その絵を見て、「仕事は男性、家事は女性」という考え方は、伝統的な価値観ではなく、高度経済成長期のにおける比較的最近の風潮で、男女がともに公平に働き、公平に家事を行うのが自然であるという思いを強くしました。
3月19日(木)に報道発表がありましたが、当社は「新潟県多様で柔軟な働き方・女性活躍実践企業認定制度(Ni-ful)」において、知事表彰を受けました。
当社を含めて6社、300人以上の企業では当社と他1社のみが選定されたとのことで、大変光栄に思っています。
新潟県庁で行われた表彰式の様子(花角英世知事と)
評価いただいた主な取り組みは以下のとおりです。
・フリーバカンス制度(5日間の長期休暇制度)
・男性育児参加セミナーの実施
・新卒離職率0%、女性の採用応募数3倍
・男女ともに育児休業取得率100%達成
・県平均を大きく上回る育児休業取得日数(107日)
先週の3月27日(金)には表彰式に出席してまいりましたが、マスコミの取材も多く、働き方の多様化や女性の活躍に対する社会的関心の高さを改めて感じました。
表彰された企業の皆様とお話したのですが、各社の取り組みはとても参考になりました。今回受賞した各社でホワイトコミュニティを立ち上げて新潟県の企業の多様な働き方のろり組をもっとアピールしようかという話になりました。乞うご期待です。
受賞の様子は4月14日(火) 11:50からのTeNYテレビ新潟の 「Oh!すすめTeNY」にて放映予定ですので、新潟県の方は是非ご覧いただければと存じます。
今回は知事表彰をいただきましたが、女性従業員比率や女性管理職比率を考えると、まだまだ道半ばだと考えています。
今後もこれらの比率を高め、仕事の場においても女性が“しらす”機会を増やしていくことを目指してまいります。
※本記事のイラストはいらすとやの素材を使用しています
※次号は4月6日(月)リリース予定です