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離島での遠隔医療の普及に向けて、大分県地無垢島の通信環境を現地調査!

こんにちは!AMI株式会社 広報の前田です。今回は、研究開発部インターン生 岡田さんに学会の参加レポートを書いてもらいました。

私たちAMI株式会社(以下、AMI)は、"急激な医療革新の実現"をミッションに掲げ、超聴診器(心疾患診断アシスト機能付遠隔医療対応聴診器)の研究開発や、遠隔医療サービスの社会実装を目指す研究開発型スタートアップです。Wantedlyでは、皆さんに「AMIってこんな会社なんだ」と知ってもらえるように、イベント登壇や研究開発の取り組みの様子などを発信しています。

今回のストーリーは、私が大分県の地無垢島で行った通信環境の現地調査、具体的にはモバイル通信の速度を検証した事例を紹介します。

地無垢島での検証に至った経緯

AMIは遠隔医療サービスの社会実装を目指していますが、医療にアクセスしづらい遠隔地でも医師の診療を受けられるようにするためには、まず遠隔地と医師を当社開発の「遠隔聴診対応ビデオチャットシステム」で繋ぐ必要があります。

「遠隔聴診対応ビデオチャットシステム」を利用するには通信環境が整っていることが重要ですが、回線速度によっては音や映像が遅れたり、途中で途切れてしまうなど、十分な診療ができない可能性があります。

今回は、AMI代表取締役CEOの小川が大分県先端技術挑戦フォーラム21で登壇したご縁から、大分県の遠隔医療実証事業に関わることになりました。

実証事業は大分県の地無垢島で行われる予定ですが、地無垢島はいわゆる離島であるため、通信環境が十分に整備されていないことが予想されます。そこで、私が大学の春休み期間を利用して実際に現地へ向かい、ビデオ通話等が円滑に行うことができる環境があるか、特に通信速度に関して調査をしてきました。

地無垢島とは

大分県津久見市にある地無垢島は、津久見港から16km沖に浮かぶ周囲3kmほどの小さな島です。大分県にある7つの有人離島のうち一番小さな島で、現在の人口は35人ほど(※平成27年国勢調査)。人の住んでいる「地無垢島」と、隣の無人島「沖無垢島」をあわせて「無垢島」と呼ぶそうです。

地無垢島は豊かな海の幸に恵まれ、釣りのスポットとしても有名です。5000本ほどの椿林があることから『椿アイランド』とも呼ばれています。

copy right: Tsukumi Tourisum Assosiation

地無垢島までの道のり

大分駅から地無垢島まで移動するには、特急電車と船を使って片道3時間ほどかかりました。

電車や船の本数が少なく、乗り継ぎにたくさん時間が・・・

津久見港からはカメリア・スターという船に乗って地無垢島に向かいますが、船は一日に二便しかありません!

当日は12時30分に津久見港を出発し、13時に地無垢島に到着したのですが、帰りの船は1時間後の14時です。この船を逃してしまうと翌日まで帰れません。。。

私は翌日の飛行機で関東に帰る必要があったため、検証のための時間は実質1時間程度。
しかも帰りの船に乗り遅れることはできずに失敗が許されない緊張感がありました。

ちなみに、津久見港と地無垢島を結ぶカメリア・スターは、観光目的というよりは島民の方が日常生活で利用するのがメインの船のようです。

写真は津久見港に泊まっているカメリア・スターです。定員はなんと8名!

初めて小型船に乗ったので乗り物酔いが不安でしたが、乗ってみると景色も美しく、乗り心地も快適で全くの杞憂でした。

こちらは船から撮った景色です。

写真だと伝わりにくいかもしれないのですが、海がとても綺麗でした!!!

地無垢島での通信速度計測

地無垢島に到着後、早速通信速度の計測を行いました。

計測方法ですが、まず持ち込んだポケットWi-Fiの回線や、スマートフォンのインターネット共有を利用してパソコンに接続します。次に通信速度計測サイトを利用して、動画視聴やビデオ会議をスムーズに行なうことができる速度かどうかを調べます。

今回は津久見港、無垢島港、公民館の1階、2階と複数の場所で行いました。

計測は3つの通信速度計測サイトを利用して行いました。サイト間の差や、ちょっとした時間の差によって通信速度が変化する可能性を考えていたためです。

時間が許せば再現性も確認したかったのですが、今回は調査時間が1時間ほどしかなかったことと、なんと持ち込んだポケットWiFiが通常の設定だとエリア外になってしまうというアクシデントもあったため、時間が足りず再現性を見ることはできませんでした。

さて、通信環境テストの結果ですが、予想通りあまり良くなかったです。

電波が届かないということは無いので通話は難なく行うことができたのですが、計測した通信速度を見る限りではビデオ通話がスムーズにできる環境ではないようでした。

離島や僻地で遠隔医療を行ううえで、通信環境の整備は大きな課題になるように思いました。

こちらは無垢島港での計測時の風景です。

左手には山が、右手には海が広がる景色はとても穏やかで癒やされる環境なのですが、アクシデントもあり予定よりも計測に時間を要したため、ホッとする時間はつかの間でした。

帰りの船に乗り遅れることは何としても避けなければならないので、のどかな島内で私が一人だけせかせかと常に早歩きで移動していました。

帰りの船に到着したのは出発直前の時間だったのですが、幸いにも船長さんが気にかけてくださっていたため無事帰りの船に乗ることができました!

実地検証に行った感想と今後について

初めての土地に一人で船に乗っていくのはとても緊張しましたが、無事に帰ってこれて良かったです(笑)

遠隔医療が実装されれば、島民の方も毎回船で移動することもなく、気軽にいつでも医師に診療してもらう事ができるため、日々の生活での安心感に繋がるのではないかと思いました。

今後、遠隔医療サービスを提供する立場としては、何かトラブルがあったとしてもすぐに現地に行けないこともあるので、現地の方がパソコン操作等を簡単にできることが求められるのだと実感しました。

今回は一人で離島に行き、時間内に検証を行うという大きなミッションで、緊張や焦りもありましたが、大学生である私にとって貴重な経験となりました。事前準備などでは、AMIのメンバーにもサポートをしてもらうことができ、安心して実地検証に取り組むことが出来ました。

これからも引き続き、AMIで充実したインターン活動が出来るように、頑張っていきたいと思います。

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