こんにちは、unname代表取締役の宮脇啓輔です。
仕事中、みなさんはどんな風にメモを取っていますか?
「とりあえず言われたことを全部書いている」
「単語しか書いていないので、後で読み返しても意味がわからない」
「PCでとにかく綺麗に格納している」
そんな一辺倒なメモの書き方していませんか?
実は、メモには「3つの種類」があります。 この3つを意識して使い分けるだけで、脳のメモリが解放され、仕事の生産性や記憶の定着率が劇的に変わります。ということで今回は、私が実践している「3種類のメモ」についてお話していきます。
目次
①議事録タイプのメモ (記録用)
②トリガータイプのメモ (想起用)
③心のメモ (教訓用)
メモの使い分けで脳のメモリを解放せよ
①議事録タイプのメモ (記録用)
一つ目のメモは、おそらく皆さんが一番よくやっている「議事録タイプ」です。 これは「忘れてはいけない重要な情報を正確に残す」ためのメモです。
- 会議の決定事項やネクストアクション
- 具体的な数字や期限
- クライアントからの細かい要望
これらは一言一句間違えずに記録する必要があります。事実(ファクト)を正確に残すことが目的なので、最近だとAIに任せるのが一番得意な領域かもしれませんね。このような情報はプロジェクトとしては重要ですが、自分の人生にとっては重要ではないので忘れやすいのです。なので記憶に頼らず、しっかり記憶してください。
このメモは基本中の基本ですが、あくまで「記録」に過ぎません。議事録タイプのメモのアンチパターンとしては、正確性を高めようとして全ての情報を扱ってしまうことです。記録を正確に残すことは重要ですが、同時に不要な情報を削ぎ落とすことを意識しましょう。
打ち合わせなどで重要な情報がわからないという人は、話している内容がわからないのではなく、会議の目的やゴールを理解していないことがほとんどです。なので、必ず目的とゴールを把握してから臨みましょう。
②トリガータイプのメモ (想起用)
二つ目が、私が一番よく使っている「トリガータイプ」のメモです。 これは、「そのメモを見れば、頭の中にある思考を呼び起こせる」ためのメモです。つまり、メモ自体を思い出すのではなく、メモが記憶のトリガーになるというイメージです。
例えば、「昨年の漢字」を思い出してください。
「熊」という一文字を見れば、「あぁ、2025年は異常に熊が出現した年だったなぁ…」と、その年のことを思い出すことができます。
これと同じで、仕事でも「明日朝イチで〇〇」とだけ書いておく。それを見れば、「あぁそうだ、明日は9時に起きて、あの資料を作って…」という思考の塊が一瞬で再現されます。
ある程度鮮明な記憶であればKWだけで、思い出すことが可能
このメモが非常に有能なのです。なぜならメモを書くコストが圧倒的に低いからです。すべてを詳細に書く必要がないので、スマホでサクッとメモができて効率的です。移動中などの隙間時間を活かすとより効果的になるでしょう。自分にとって重要度が高いタスクは、案外このメモだけでも思い出すことができます。
このトリガータイプのメモは、頭の中にある膨大なデータベースから、必要な情報を引っ張り出すための「検索キーワード」だけを書いておくイメージです。 私が運営しているPodcastで話すネタも、実はこのタイプでメモしています。台本をきっちり書くのではなく、キーワードを3行くらい殴り書きしておくだけ。それを見れば、「あ、この話とこの話をしようとしてたんだ」と思い出せるからです。
意外とこれを意識的にやっている人は少ないのではないでしょうか?
ぜひ真似ていただければと思いますが、このメモの場合、耐用期間が短いのでそこだけ注意してください。流石に1ヶ月前の「明日朝イチで〇〇」はなんのことか分かりません。
③心のメモ (教訓用)
そして三つ目。これが一番重要かもしれません。「心のメモ」です。 これは、「物理的なメモを取らず、心に刻む」という手法です。
名著『思考の整理学』(外山滋比古著)に、「本当に大事なことはメモするな。忘れてしまうようなことは、どうせ大したことではない」というような一節があります。 実は私が、18歳の予備校生の頃に現代文の先生に勧められてこの本を読んだのですが、この教えだけはずっと心に残っています。おそらく、心が動いたんだと思います。自分の人生レベルで重要な出来事や教訓は、メモを取らないほうが覚えられたりします。
例えば、恩師からの別れ際の一言とか、人生を変えるような衝撃的な講演とか。 そういう「心が動いた瞬間」というのは、メモを取らなくても鮮明に覚えているものです。むしろ、メモに書き留めようとすると、意識が「書くこと」に向いてしまい、肝心の「感じること」がおろそかになってしまいます。そして、メモを取ることで安心して、忘れてしまいやすいまであるのです。
ある程度鮮明な記憶であればKWだけで、思い出すことが可能
これは「花火の写真」と同じです。花火大会でスマホ越しに画面ばかり見ていると、肉眼で見る美しい花火の記憶が残りません。「写真に撮ったから後で見返せばいいや」という慢心が、記憶の定着を妨げてしまうのです。そして案の定あんまり見返さなかったりします。
本当に人生レベルで大事なことは、あえてメモを取らず、その場の空気や感情ごと心に刻み込む。 あるいは、振り返りの時に「次はこれをやったら死ぬ気でやる」といった強い感情を込めた言葉を書くことで、物理的なメモを超えた「心のメモ」として定着させる。 そうすることで、ふとした瞬間にありありと思い出せるようになります。
心が動く出来事が、記憶に残りやすいことも実は実験で明らかになっているようです。
メモの使い分けで脳のメモリを解放せよ
- 議事録タイプのメモ: 正確性が命。数字や事実は迷わず記録する。
- トリガータイプのメモ: 効率重視。KWだけで脳内の思考を呼び出す。
- 心のメモ: 感動重視。本当に大事なことは書かずに心に刻む。
重要なものほど、情報量を減らして記憶に頼る。 逆に、重要度は低いけれど正確さが必要なものは、文字にして外部化する。このトレードオフを理解して使い分けることで、脳のメモリを無駄遣いせず、必要な時に必要な情報を引き出せるようになります。
明日からの仕事で、ぜひ意識してみてください。