メンバーズデータアドベンチャーカンパニー(以下、DA)には、新卒で入社後、データエンジニアとして活躍する社員が数多く在籍します。今回は、入社3年目ながら、さまざまなプロジェクトで実績を積み、顧客企業から「頼れるパートナー」として信頼を寄せられる若手データエンジニアへのインタビューを実施。不安を抱えていた入社当初から、どのようにスキルを磨き、成長してきたのか。その軌跡に迫ります。
■インタビューに答えてくれたのは――
續航平/Tsuzuki Kohei
情報系高等専門学校卒業後の2023年4月にメンバーズに入社。2024年4月よりデータエンジニアとして、データアドベンチャーカンパニーに配属。
イベントプラットフォームの運営会社や自動車関連会社のプロジェクトに参画、その後、外食チェーン会社のマーケティング部門に常駐し現在に至る。
手厚い研修制度が成長を後押し
――メンバーズには、高等専門学校を卒業後、新卒で入社されたのですね。
はい。卒業したのは情報系の高等専門学校で、プログラミングを中心に学んでいました。
――新卒採用者は、一旦メンバーズに入社し、研修後に各カンパニーに配属されます。
なぜメンバーズへの入社を志望したのでしょうか。
はじめは、高等専門学校の先輩たちが、数多く入社している縁で就職説明会に参加しました。その際、会社の雰囲気が自分にあっていると感じて、ここで働きたいと思いました。
若い社員が多く、入社後にいろいろな挑戦ができそうだという直感があったのです。いま振り返るとその直感は当たっていましたね(笑)。
それでも、入社前にはやっぱり不安がありました。
――そうなんですか?
社会に出る不安はもちろん、技術的なスキルに対する不安もありました。
例えば、学生時代には、クラウド基盤でシステムを組んだ経験がなかったので、キャッチアップできるか不安でしたね。
ただ入社後の全体研修で、そのような不安は大分軽減されました。
――全体研修ではどんなことをしていたのですか。
ビジネスマナーや社内理解についてのプログラムからスタートしたと思います。
社会人としての基本を身につけた後は、ウェブエンジニアリングやデータエンジニアリング、データサイエンスなど、デジタルクリエイターとして必要な知識を一通り身につけました。AWSやGoogle Cloudなどのクラウド環境でシステムを設計・構築する課題などもあり、実務に近い経験ができたのはありがたかったです。
印象的に残っているのは、セールスフォース(営業・顧客管理プラットフォーム)というビジネスツールの使い方を学ぶ研修で、講師が言った「顧客の目線に立つことが技術者の価値を高める」という言葉。
顧客企業のビジョンやミッションを理解して、業務に望まなければ、お客様に付加価値を提供できないという教えですが、これは今も意識しています。
実際の業務に携わる前に「単にシステムを組むのでなく、何のためにシステムをつくるのか」を考える視点をもてたのは、大きな収穫でした。
いま振り返っても、全体研修の内容はとても実践的だったと思います。
成長と進化を促す、多様な現場での経験
――全体研修を経て、2024年5月にDAにデータエンジニアとして配属になりましたが、配属先を聞いた時、どのように思いましたか。
正直、メンバーズ入社前は、データエンジニアという職種すら知らなかったのですが、全体研修で仕事の内容を知るうちにこの仕事に興味が沸いていたので、打診を受けてすぐ返事しました。
――データエンジニアのどのようなところに興味が沸いたのですか。
学生時代、Python(主にデータ分析などで利用されるプログラミング言語)などのプログラム言語を学んでいたのですが、その学びがそのまま活かせそうだと思ったのと、純粋にデータ基盤を構築することが面白そうだと感じました。
――DA配属後には、データエンジニアに特化した研修がありますよね。
業務の理解とデータエンジニアリングに関する知識、あとビジネスにおけるデータの利活用に関する考え方、システム設計・構築の具体的なスキルについて、学びました。
――そして、満を持して、お客様先に常駐することになります。
初めてのお客様だったので、不安はありました。とても満を持してという感じではなかったですよ(笑)。
初めてのお客様は、イベントプラットフォームを運用されている企業様でした。
具体的には、顧客情報と展示会の参加者データを取り扱うシステムの構築を担当しました。
この時、私と同じ新卒で入社したデータエンジニア1名(自身)・データアナリスト2名が常駐しましたが、プロジェクトはトラブルなく遂行できて、安堵したのを覚えています。
さらに、システム構築と並行して業務効率化ツールの開発にも取り組みました。数時間かかっていた定型業務を数分に短縮し、ヒューマンエラーの削減にも貢献。「工夫次第でお客様の業務負担を減らせる」という実感を得られたことは、初めての現場での大きな収穫でした。
――続いて、自動車関連企業様で4か月間ほど、常駐しましたね。
このプロジェクトでは、マーケティング施策の効果を検証するためのデータ分析基盤を設計・開発しました。
元々お客様側では、スプレッドシートやPC上で動作するETLツールを使って手作業でデータ分析を行っていましたが、膨大なデータを人の手で扱うため、時間もかかり、精度的な問題もあったといいます。そこで、その作業をシステムに置き換えるプロジェクトがスタートしたのです。
データ基盤の設計段階から携われたことは、大きな経験になりました。設計から開発、テストまで一貫して関わり、一つの基盤を形にしていく過程は、データエンジニアリングの醍醐味を感じる瞬間でした。
特に印象的だったのは、データ量を予測し、パイプラインのあり方を検討する工程です。複数のアーキテクチャ案を比較し、最適な基盤を提案するというプロセスを通じて、技術はお客様の意思決定を支えるためにあるという実感を得られました。システムを構築することは顧客の未来を支える基盤をつくるという責任を改めて認識するきっかけになりました。
――とてもよい経験を経て、現在も常駐する外食チェーン企業様の業務に従事することになったのですね。
現在は、顧客情報やPOSデータを統合した分析基盤を構築しています。具体的には、スマホアプリで実施するキャンペーンの効果測定や顧客分析を行う基盤をつくっています。
さらに、分析結果を事業戦略に繋げるプロセスの整理なども行い、定量的な意思決定を推進するための取り組みも進めています。
データの価値を最大化する取り組みに携われるのは、データエンジニアの醍醐味ですね。
――3つのプロジェクトを通して、どのように成長できたと感じていますか。
最初は、技術的なスキルを使いこなすことで精いっぱいでした。しかし、経験を重ねるにつれて、お客様の業務を理解し、提案力を発揮できるようになったと思います。
イベントプラットフォームの運用企業様では、基礎的な構築力を、自動車関連企業様では、設計・提案力を、外食チェーンでは分析から戦略への応用力を身につけました。振り返ると、段階的に成長できました。技術者から提案者へ、そして戦略の伴走者へと役割が広がっていくのを実感しています。
目標は、技術を超えて戦略を導くデータアーキテクト
――業務を遂行する上では、課題に直面することもあると思います。そのような際に役立つ社内の支援体制はありますか。
技術的にわからないことや課題に直面したときは、直属の上司であるクリエイティブコーチに相談しながら進めることができます。困ったときに相談できる相手がいるのはとても心強いですね。これまで、技術的なことはもちろん、プロジェクトの進め方やコミュニケーションのコツなどもアドバイスをもらいました。
――DAの社内の雰囲気はどのような感じですか。
若い社員が多いので、会話のテンポが軽やかですね。普段はみんな常駐先で仕事をしているので、社内SNSを介してコミュニケーションをとっていますが、業務の合間に雑談したり、相談や質問したりしています。上下関係に縛られず、フラットに意見をいえる雰囲気があるので、とても仕事はしやすいです。
同期とはよく飲みに行ったり、資格勉強の情報を共有したりしています。「この前仕事でこういう工夫をしたよ」などと話し合うことで、視野が広がることも。お互いに刺激を受けながら成長できるのは、若手ならではかもしれません。
――普段はお客様先に常駐していますが、休日や勤務時間はどうなるのでしょうか。
基本的にはメンバーズ側の規定に従って、土日祝日は休みになります。また残業もそれほど多くありません。あと有休休暇も取得しやすいのでワークライフバランスはとりやすいと思います。
休日は大好きな音楽や動画鑑賞などで、リフレッシュしています。自分の時間をゆっくり持てるので、毎日しっかりリフレッシュして仕事に向かえる環境があります。さらに時間に余裕があるので、スキルアップのために学習に充てられるのも良いところですね。
お客様に提案するには、知識の引き出しをたくさん持っている必要があるので、日頃から情報収集することを心がけています。データエンジニアリングに関する技術的なブログを読んだり、セミナーに参加したり、興味があるツールを試してみたりという具合です。
そのような際にDAのキャリアアップ支援制度はとてもありがたいですね。資格取得費用やセミナー参加費用、書籍の購入費用を補助してくれるので、よく利用しています。
――データエンジニアという仕事の魅力、そして今後の目標について聞かせてください。
データエンジニアリングは、まだまだ未開拓の部分が多い領域です。半年も経てば、これまでとは全く異なる技術が登場する可能性があります。常に最先端の技術に触れ、道を切り開いていくような面白さがあるのが、データエンジニアの魅力でしょうか。
現在、「SINCA(シンカ:メンバーズ独自の人材育成プログラム)」では、データエンジニアに認定されていますが、次なる目標はデータアーキテクトです。
単にデータを扱うだけでなく、企業の戦略を理解し、最適なアーキテクチャを設計する役割です。お客様のビジョンを技術に落とし込む、その橋渡し役になりたいと思っています。
――「SINCA」には、職種の認定制度があり、目指す職種に必要なスキルを得るためのカリキュラムなども用意していますが、積極的に活用していくということですね。
はい。目標を実現するために、確実にスキルを磨いていきたいです。
――最後に、DAへの入社を志す方へメッセージをお願いします。
私も入社前はとても不安でした。でも、入社後には、研修をはじめ、業務をサポートする体制が整っているので安心してください。
ただ業務をこなすだけでなく、自ら情報をキャッチしていく必要があるので、受け身だと厳しいところがあるかもしれません。
お客様の課題を解決し、事業成長に直接貢献できれば、社会に与えるインパクトも大きいものになります。自分の技術が誰かの未来を変える――そんな瞬間に立ち会えるのが、この仕事の魅力です。少しでも興味をもったならば挑戦する価値はあると思いますよ。