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「お出かけスポットのAIコンシェルジュ」を目指して。レガシーなき開発体制の楽しさ

KINTOテクノロジーズが手掛けているサービスは、「KINTO」のみではありません。2022年8月には、AIアプリ「Prism Japan」をリリースし、最短2週間ほどでアップデートを続けています。そこで今回は、「Prism Japan」プロダクトマネージャーである齋藤さん、バックエンドエンジニアの宇田川さん、五条さんの3人にインタビューを実施しました。「Prism Japan」の開発体制やスピード感、KINTOテクノロジーズで開発に携わる魅力についてお伺いします。


■ 齋藤 プロダクトマネージャー
金融系の企業を3社経験。その3社では、ビジネス上の課題を見つけ、提案する形のデータ分析に従事。経営層に対し改善案を提案するなど、企画寄りの提案を行っていた。「ボトムアップ型の機動力ある会社で働きたい」と考え、2022年6月にKINTOテクノロジーズへ入社。前職の社員も多く在籍しており、満足して働いている点も入社の決め手のひとつとなった。現在は主にPrism Japanのプロダクトマネージャーを担当している。

■ 宇田川  バックエンドエンジニア
1社目となる前職はSIerに勤め、年末調整や給与計算に関わるサービスに携わった。KINTOテクノロジーズには「KINTO開発がメイン」というイメージを持っていたものの、面接時に「新しいことにも着手していく」と話があり、入社の決め手に。KINTOテクノロジーズには2022年4月に入社。現在は主にバックエンドエンジニアとして活躍中。

■ 五条 バックエンドエンジニア
金融機関向けのシステムインテグレーターと、モバイルデバイス管理を手がける会社を経て、2022年10月にKINTOテクノロジーズに入社。転職のきっかけは、toC向けのアプリ開発に携わりたいと考えたこと。モダンな技術スタックで開発できそうな点も、入社理由のひとつとなった。現在は主にバックエンドエンジニアを担当。

AIアプリ「Prism Japan」を手掛け、2週間ごとに新機能を追加

―最初に、皆さんの手がけているアプリ「Prism Japan」の概要を教えてください。


齋藤:「Prism Japan」は、2022年8月にリリースされた「お出かけ先インスピレーションAIアプリ」です。提示された2つの写真からピンときた方を選んでいくと、独自のAIがユーザーの好みや今の気分を分析し、適切なお出かけスポットを提案します。主な機能は、

1.「自分だけのおすすめ」と出会う【気分で検索】
2.「この場所とそっくり」が探せる【似ている検索】
3.「あの写真みたいな場所」が見つかる【アップロード検索】
4. 「旅先でしたいこと」が見つかる【イベント情報】

の4つです。日本全国4,000か所以上のお出かけスポット、約1,800件のイベント情報から、ユーザーの嗜好に合った場所を探せるアプリとなっています。

―「Prism Japan」の開発体制とスケジュールを教えてください。

齋藤:「Prism Japan」は2022年8月にリリースされています。開発の初期段階は内製ではなく、外部ベンダーの協力を得ながらiOS版のみを開発していました。この時期をPrism Japanのフェーズ1としています。フェーズ1のリリース後は、開発を委託する体制から内製化するために体制を整える時期がありました。柔軟な機能追加に対応していくためには、内製化が必要と考えたためです。
内製開発の体制を整えてから半年ほど、iOS版のリファクタリングを行いつつ、新規でAndroid版の開発を行っていました。このリファクタリングでiOS版はUIKitからSwiftUIに切り替えています。
2023年4月にはiOSのリファクタリングとAndroidの新規開発が完了し、新体制としてPrism Japanフェーズ2を開始する準備が整いました。
フェーズ1までは既存アプリの保守チームと、リファクタリングおよび新規開発チームに分かれていましたが、このタイミングで全員が1つのチームとなって、スクラムを組み始めました。
それまで私は「Prism Japan」のマーケティングを担当していましたが、このタイミングでプロダクトマネージャーに就任しました。
新体制では、アジャイルのスクラムで開発を行っています。異なる部署から数名ずつ参加するプロジェクト体制を組んでおり、それぞれバックエンド開発、モバイルアプリ開発、分析、AI、クリエイティブなど、役割ごとに分かれています。私と宇田川さん、五条さんは同じグループです。開発スピードはかなり早く、短い時は2週間、長い時でも1か月ほどで新機能をリリースしています。現在はどんどん「Prism Japan」を進化させていける、楽しいフェーズに入っています。


「自分たちで方向性を決められる」という、大きなやりがい

―「Prism Japan」が新体制(フェーズ2)になってから、どのような課題がありましたか?

齋藤:メンバー全員が開発に合流したものの、「Prism Japan」の立ち上げに関わったメンバーはいなかったため、まずはアプリ開発の方向性を統一することが必要でした。そこで、改めてサービス企画当初にすべき話を、約15人のメンバー全員を集めてワークショップという形で行いました。
ワークショップでは「ジョブ理論」という手法を用い、「『Prism Japan』は、ユーザーのどのような困りごとを解決するアプリか」という方向性を再定義しました。そして、ユーザーが「Prism Japan」を使う必要があるタイミングも、3つにまとめたのです。
5~6時間かけて話し合った結果、その後の機能追加においての行動指針が定まり、メンバー間での方向性のずれがかなり起こりづらくなったと感じています。


ワークショップで利用した「Prism Japan」のアイディア画像


―「Prism Japan」が新体制(フェーズ2)になってから、どのような変化がありましたか?

五条:トップダウンで決められた仕様通りに開発するというより、「自分がもしユーザーだったら」と想像しながら、メンバー間で主体的に話し合って開発するようになりました。ボトムアップで開発の方向性を決められるため、納得して開発を進められます。
やりがいにつながりいただいておりますし、当事者意識を持って仕事ができるので、毎日が楽しいです。ポジショントークではなく、本当にです。

宇田川:私も前職では、ワークショップを通して企画の方向性を議論したり、次の機能追加について話したりする機会は少なかったため、とても新鮮で良い体制だと感じています。今後も話し合って開発していきたいです。



新体制後では、着実に振り返りつつスピード感ある開発を実行

―新体制の方向性が確定した後、具体的にどのような開発を進めていますか?

齋藤:最近のスプリントで行っている開発は、「Prism Japan」の肝となるAI機能のリニューアルです。AI機能自体はリリース時からあったのですが、ユーザーのニーズをあまりうまくくみ取れていませんでした。今回、ユーザーに簡単な質問を投げかけ、それに答えてもらうだけでおすすめスポットを提示できるよう機能を改善しています。リリース後は、なんとなく「Prism Japan」を使っても、よりユーザーの気分や好みに合ったレコメンドができるようになるでしょう。

五条:「気分で検索」では、ユーザーへの質問方法も工夫しましたね。質問は文章ではなく、2枚の画像をメインに提示します。「今はどちらの気分か」という判断基準で画像を選びタップするだけで、AIがおすすめスポットを提示してくれます。こうしたUIの工夫も、メンバーで話し合って決めました。

齋藤:なお、まだ成長過程の機能ですが、「イベント情報」の追加も新体制以降の大きなリリースでした。「Prism Japan」では主にスポット情報を扱っていますが、旅行ではなく普段の生活でも役に立つよう、イベント情報も探せるような開発を進めています。こうして今後コンテンツが充実していけば、「Prism Japan」はジョブ理論でいう、「ユーザーの困りごとを解決できる」アプリになると思います。

―2週間という短期間で、新機能をリリースできている理由を教えてください。

齋藤:メンバー全員で方向性を決めたこともあり、開発の優先順位に悩まないからではないでしょうか。私たち自身がユーザー目線に立ち、足りないピースをどんどん埋めていく気持ちで優先順位を決めています。開発者全員が実際にユーザーですので、メンバーの意見を聞きながら決めるようにしていますね。

五条:私たちのなかで共通しているのは、「プロダクトマネージャーはユーザー代表」という認識です。私たち自身もユーザーですので、ユーザー目線で見た「やりたいこと」はどんどん出てきます。それを齋藤さんがユーザー代表として受け止め、必要なものを決めていく流れです。

―スピード感ある開発体制のなかで、大切にしていることは何ですか?

齋藤:プロダクトマネージャー目線で心がけているのは、レトロスペクティブ(振り返り)という打ち合わせをスプリントごとに行うことです。そこで、KPTA(ケプタ)というフレームワークを使って振り返りをしています。そのスプリントにおいて、「Keep(次も続けたいこと)」「Problem(よくなかったこと)」「Try(次に試したいこと)」を全員少なくとも1つずつ挙げます。そして「Action(次に行動すること)」につなげる形です。この取り組みがとてもよくて、同じ失敗を繰り返さないような仕組みにできていると感じています。

五条:また、機能追加を考える際は「こんな機能が足りないはず」「ユーザーはこんな機能を求めているはず」という仮説を立ててから開発します。次に開発する機能について、プロダクトマネージャーと開発者で議論することはよくあります。雑談から盛り上がることもしばしばです。
リリース後にデータと照らし合わせて答え合わせをしています。仮説を立てる際は、ユーザーのレビューや利用状況なども参考にします。
アイディアと結果を検証しながら開発を進められる点も、私たちのチームの魅力だと感じています。

齋藤:ただの思い付きで機能を追加しているわけではなく、仮説と検証を大事にしているということですね。もし検証結果が良くなかった場合は、機能をまた外せるような体制で進めています。

自主性があればあるほど、伸ばしたいスキルが伸びる職場

―今後、Prism Japanの開発において取り組みたいことを教えてください。

齋藤:より楽しく使えて、より適切なスポットを提示できるアプリになるよう、改善していきたいです。そのためには、ユーザーが良いお出かけ先を提案されたと判断する材料がまだ不足しています。ユーザー同士の口コミを乗せたり、外部のWebサイトにつなげたりと、必要な施策を打っていきたいです。そして、「Prism Japan」のコンセプト自体が他社のアプリにはないものですので、とても将来性を感じています。ゆくゆくは、石を投げれば「Prism Japan」ユーザーに当たる、というくらいの規模感にしていきたいですね。

宇田川:ユーザーがアプリを開いたとき、その日に行きたい場所が出てくるような、「AIコンシェルジュのようなアプリ」にしていきたいです。そこまで精度が高まれば、幅広いユーザーが満足できるアプリになるのでは、と考えています。


―最後に、KINTOテクノロジーズでこのプロダクト開発に携わる面白さを教えてください。

五条:「Prism Japan」プロジェクトのいいところは、プロダクトの成長と個人のスキルアップが両立していける点です。プロダクトを作り上げる経験とともに、個人では得難い開発経験も得られます。
Prism Japanの目標は、まずは、100万MAU(Monthly Active Users)の達成です。もちろん、それ以上も目指します。
Prism Japanに貢献し、アプリが成長することで、大規模アプリを設計、開発、運用という、エンジニアとしても価値ある経験を積むことができると考えています。

宇田川:エンジニアとして自分発信で開発できる機会が多く、非常にやりがいを感じています。会社全体を俯瞰しても、エンジニアが提案した企画が実際に具現化される動きが見られるなど、エンジニア発信で開発を行う環境があると考えています。

五条:挑戦できるフィールドが多いうえに、裁量が持てるので自由度が高いですね。「Prism Japan」で言えば、ユーザーの反応を見ながら改善していけることが、まさにそうです。KINTOテクノロジーズには楽しい仕事がたくさんありますし、同じように感じている社員も多いと思います。

齋藤:あとは、自分のこれまでの経験が生かせるのもいいところです。私の場合は、これまでに培ってきた分析のスキルを「Prism Japan」の分析に生かせています。自分のスキルを伸ばしたい方向性に伸ばせるので、「これをやりたい」という意思表示ができる人にとっては、楽しい職場だと思います。私自身、「このメンバーでずっと仕事をしていきたい」と思うほど、楽しく仕事をしていますね。




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