メトス営業所の中で最大規模を誇る東京営業所を率いる根本。19名のメンバーを抱えて、サウナ、暖炉、福祉施設設備の3領域を推進する役割である。
実は前職はメトスにサウナを発注する側の設計事務所からの転職組である。そんな根本に入社から現在までのメトスでの18年間のキャリアと仕事観を聞いた。
根本 俊介
東京営業所 所長
まずはこれまでのご経歴を教えてください。
新卒では、実は1年間アパレル業界にいました。ただ、もともと兄弟が6人いて、兄が家具製作のような「モノをつくる仕事」をしていたこともあって、自分の中でもそういう仕事への興味はずっとあったんです。
それで転職して入ったのが、温浴施設を専門に設計している設計事務所でした。そこでは、サウナや岩盤浴を含めた温浴施設全体の設計に携わっていました。設計事務所には5年いて、その後メトスに入社しました。2008年なので、もう間もなく20年になりますね。
設計事務所からメトスに転職したきっかけは何だったんですか?
設計事務所時代に、メトスの担当の方にものすごく影響を受けたというのがきっかけです。私は理系出身なので、どちらかというと、感覚だけではなくて、理論立てて考えて、物事が成立していくことに興味があるんです。その方はまさにそういう方で、すごく論理的で、なおかつお客様の立場に立って話ができる人でした。
「こういうふうに仕事ができる人になりたいな」と思ったんです。それで、メトスに転職したいという気持ちが強くなりました。
前職の社長も、意外とすごく好意的に受け止めてくださって、「根本君は、そういう環境の方がもっと伸びるかもしれないね」と言ってくれて。社長の方からメトスに話もしていただいて、入社することになりました。
設計事務所時代の経験は、今の営業にどう活きていますか?
すごく活きています。設計事務所の時は、温浴施設全体を見る仕事だったんです。例えば、下足ロッカー数や脱衣ロッカー数から洗い場の数を考えたり、浴室全体のキャパを設計したり、あとは動線ですね。受付からお風呂までの流れの中で、どこにレストランや休憩スペースがあると人が立ち寄るか、といったことも考えていました。
メトスに入ってからは、施設全体をつくる立場ではなく、その中に設備やプロダクトを納める立場になりました。でも、サウナや岩盤浴の提案では、やっぱり施設全体とのつながりを見ないといけないんです。
なので、お客様と話す時に、「サウナをどう納めるか」だけではなくて、施設全体の構想や利用体験の話から入れるのは、自分の強みだと思っています。設計事務所で「箱全体」を見ていた経験が、今の営業ですごく活きています。
メトスに入って驚いたことはありますか?
一番驚いたのは、業界内での認知度の高さです。前職でもメトスには仕事をお願いしていましたし、もちろん会社のことは知っていました。でも、実際に中に入ってみると、お客様の方から「サウナの見積もりをお願いします」とか、「この案件はメトスで考えてほしい」といった形で仕事の依頼が来るんです。
それがすごく新鮮でした。「サウナといえばメトス」という認知が、当時からすでにあったんだなと実感しました。
ただ、今みたいにサウナ市場がすごく大きかったわけではなくて、当時の会社全体のサウナ売上はまだそれほど大きくない規模でした。納入先としては、ホテルやスポーツクラブ向けが多くて、今のような貸切サウナや個人サウナの市場はほぼありませんでした。なので、メトスの強さはありつつも、市場自体はまだ小さかったですね。
もともと営業をやりたかったのですか?
そうですね。やっぱり、設計事務所時代に見ていた先輩社員の働き方への憧れが大きいです。「この人みたいになりたい!」という気持ちが、自分にとっては一番の営業を希望するきっかけでした。
実際に営業をやってみると、思っていた以上に勉強になることが多かったですし、仕事へのこだわりや、お客様目線で物事を考えることの大切さを、改めてすごく感じました。受け身ではなく、自分から提案して、お客様と一緒に形にしていく。その面白さは、営業ならではだと思います。
ご自身が今、仕事でこだわっていることはどんなことですか?
一番は、お客様に「作ってよかった」と思ってもらうことです。それが、自分の中では一番大事ですね。あとは、できるだけ「NO」を言わないことです。もちろん会社の中でできること、できないことはありますし、安全基準やルールもあります。そこは絶対に守らないといけない。でも、お客様が「こういうことをやりたい」と言った時に、頭ごなしに無理ですと言うのではなくて、その中でベストな提案を考えるようにしています。
会社の枠組みの中で、どこまでお客様の満足に近づけるか。そこにはかなりこだわっています。
「NOと言わずにやり切った」印象的な案件はありますか?
いくつかありますが、印象に残っているのはスパ ラクーア様の案件ですね。お客様と一緒にドイツとフィンランドへ視察に行ったことがあって、その時、ドイツの展示会で曲線のベンチを見たんです。
当時、日本ではそういうベンチはほとんどなくて、お客様が「これを作りたいね」とおっしゃって。そこから、社内の設計メンバーと一緒に、どうやったら国内で再現できるかを一から考えました。
大工さんに頼めばすぐできるようなものではなかったので、
- どういう構造でつくるのか
- どんな業者さんにお願いすればいいのか
- どう納めればきれいに、安全に成立するのか
を全部試行錯誤して、なんとか形にしたんです。すごく大変でしたけど、お客様からも「あの時ドイツで見たものを作ってくれてありがとう」と言っていただけて、すごく印象に残っています。
※実際に施工したスパ ラクーア様の曲線型ベンチ
お客様と海外視察をすることもあるのですね?
はい、同じラクーア様の案件でも、フィンランドに行って「本場のサウナ」を体験した上で、日本でフィンランド仕様のサウナをつくる仕事がありました。
完成したサウナを見たフィンランドの方が、「これはまさにフィンランドにあるサウナだ」と言ってくださったことがあって、それはすごく嬉しかったですね。
海外で見たものを、そのまま持ってくるのではなく、日本の中でどう実現するかを考えて形にしていく。そこはこの仕事の面白さだと思います。
他にご自身の「作品」だと感じる案件はありますか?
あります。札幌の営業所長も3年半やっていたのですが、洞爺湖万世閣ホテルさんのスパエリアの案件に関わったんですが、そこはもともと使っていなかったプールをリニューアルして、町民の方にも開放できるような空間にしていくプロジェクトでした。
その中で、プールサイドにサウナをつくったんですけど、お客様からは「見栄えが良くて、写真を撮りたくなるようなものにしたい」「でも、ちゃんと汗をかける機能性も欲しい」という要望がありました。
景観性と機能性の両立って簡単ではないんですけど、それをしっかり形にできた案件で、自分の中ではかなり満足度が高いです。「自分の作品」という感覚に近いですね。
※洞爺湖万世閣ホテルさんのプールサイドサウナ
営業の仕事で、一番難しいことは何ですか?
やっぱり、会社として守るべきルールを守りながら、お客様の期待に応えることですね。
メトスは安心安全を大事にしてきた会社ですし、過去の実績や経験を踏まえて「これはやらない」と決めていることもあります。「他ではやっているから同じように作れないか」と言われても、メトスの高い安全基準ではできないものもあります。
でも、その時にただ断るのではなくて、「こういう代替案ならどうですか?」「このデザインなら満足度を落とさずに実現できませんか」という提案をして、お互いが納得できる落としどころを探るのが営業の役割だと思っています。
それからお客様がやりたいことと、実際の予算の折り合いをどうつけるかは、いつも難しいです。少しずつ削っても予算に入らない時は、もう最終的には「サウナをやるか、やらないか」みたいな話になることもあります。
そういう時は、単に設備の話だけではなくて、「これを入れることでどれだけ集客につながるか」「施設運営にとってどんな意味があるか」といった、お客様のビジネスの話まで踏み込んで考えます。
そうしないと、本当に納得して決めていただくことはできないので。設備の営業ではありますが、事業や運営の視点まで含めて提案することが大事だと思っています。
この仕事ならではの「楽しい瞬間」はどんな時ですか?
お客様と一緒に視察に行く時ですね。これはこの業界ならではだと思います。
一緒に施設へ行って、実際にサウナに入って、「あそこが良かった」「自分たちはこういうのを作りたい」「この導線は参考になる」みたいな話をしている時が、一番ワクワクします。
海外もありますけど、ほとんどは国内ですね。流行っている施設や、自社で納めた施設を一緒に見に行って、お客様にイメージを持ってもらう。机上で話すだけでは見えないことがたくさんあるので、そういう時間はすごく大事です。
メトスという会社の魅力は、どんなところだと思いますか?
まず、ニッチな商材を扱っている中で、しっかりシェアを取っていて、ちゃんとしたものを提案・提供できることですね。社外に対しての魅力としては、そこが大きいと思います。
もう一つは、社内の人間関係の良さです。これは本当にそう思います。日々の雑談でもそうですし、仕事終わりの時間でもそうですし、みんな自然体で人との関係を作っている会社だなと思います。
たぶんそれは、メトスの営業スタイルが「人に寄り添う営業」だからだと思います。
人と接することが苦じゃない人が多いですし、お客様とも、ただの取引だけではなくて、もっと近い関係性を築いている人が多いですね。
お客様との距離感も、かなり近いんですか?
そうですね。自分もかなり近いところで接することを大事にしています。
飲みに行きましょう、というよりは、「最近流行っているあのサウナ、今度行きませんか」みたいな話が多いですね。サウナという商材だからこそ、一緒に体験しながら話せるのは大きいと思います。
サウナ以外の商材で感じる魅力もありますか?
あります。札幌にいた時に、家庭用サウナや暖炉の仕事もかなりやったんですが、暖炉はまた全然違う魅力がありますね。一番感じるのは、火入れの時のお客様の反応です。本当に前のめりで話を聞いてくれて、火がついた瞬間をじっと見ているんです。その空気感が、全然気まずくない。むしろすごく豊かな時間なんですよね。
嗜好品だからこそ、導入した時の喜びが大きい。これはサウナともまた違う、暖炉ならではの魅力だと思います。
今後、メトスで実現したいことはありますか?
メトスという会社の認知度を、もっともっと上げていきたいです。今でも知っている人は知っていますが、一般的にはまだそこまで広く知られているわけではないですし、場合によっては「サウナ室の温度計やタイマーを作っている会社だよね」と思われていることもあります。
でも実際には、サウナ空間そのものをつくっていますし、薪ストーブも介護浴槽もやっています。そういう会社の本当の価値を、もっと伝えていきたいです。
そのためには、SNSもそうですし、発信の仕方もそうですし、やっぱり“世界観”をしっかりつくっていく必要があると思っています。自分もそういうブランディングに関わっていきたいですね。
メトスは、生活や体験の豊かさを提供できる会社だと思っています。ハードとしての価値だけではなくて、心の豊かさ、ソフトな豊かさまで届けられる。そういうブランドになっていけるんじゃないかと思っています。
最後に、どんな人と一緒に働きたいですか?
まずは、ポジティブ志向の人ですね。あとは、コミュニケーションを取るのが好きな人に来てほしいです。メトスの営業は、やっぱり人と深く関わる仕事です。設備を納めるだけじゃなくて、お客様の思いを聞いて、一緒に形にしていく仕事なので、人と接することが好きな人にはすごく向いていると思います。前向きに人と関われる人と、ぜひ一緒に働きたいですね。