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シリウスブログ Vol.11「ΑMR導入レポート」part.2

Part.1の続き

◆課題への対処と効果 ②納品書+送状先出しによる送状取り違え

さてAMRによるピッキングが可能になったとして、最終的な検品・梱包ラインで誤った作業を行なってしまえば、ピッキングの効率も無かったことになってしまいます。STOCKCREW様では、現状ピッキングリストと同タイミングで納品書や送状を先行出力しております。

当社AMRではロボットへ出荷指示を出す方法としてアルゴリズムを計算する当社のシステムによって機械的に並び替える自動受信方式と今般新たに開発した作業者起点で指定タスクを紐付けるピッキングリスト読込形式の両方を選択することができます。

STOCKCREW様でも従来の自動受信方式だとどうしても先行出力した帳票との付け合わせが複雑で、今回このピッキングリスト読込機能の開発によってロボットへ出荷指示を紐づける際に、納品書の読み込み、指定間口への投入を行うことで先行した納品書と送状の順番を並び替えることなくロボットに出荷指示を出すことが可能になったのです。結果として送状や納品書の取り違えリスクを減らせるだけでなく、出荷指示を紐づける作業者の判断でロボットへのタスクの受け渡し順を調整するなど業務計画立案・修正にも大きく貢献しております。なお、現在STOCKCREW様はロボットオペレーション用に納品書と送状を検品エリアから直接出力する仕組みを構築中です。この仕組みの構築が完了すると出荷指示紐付け工程での時間短縮や検品単位での納品書・送状出力が可能になる、現状使用している帳票の一部が不要になるなど、更なる出荷精度や生産性の向上が見込まれます。

◆課題への対処と効果 ③ピッキングした商品の容器サイズ超過

最後の課題はAMRに搭載する容器についてです。こちらも当初は標準6間口容器(2間口/1段 x 3段)を使用しておりましたが、STOCKCREW様の保管される様々な商品の形状を満たせず、ピッキングした商品が容器間口サイズを超過するといったことが起きました。そこでFlex Swiftという機体に合わせられる容器に新規設計に至りました。

新たな容器は最大8間口(2間口/1段 x 4段)を利用可能です。1間口のサイズが330mm x 200mm x 100mmと従来の標準6間口容器よりも拡張した設計を採用しました。これによりこれまでであれば容器サイズを超過していた物量も収容可能になり、また1タスクに紐づけられるオーダーも最大8件まで対応できることから8件分のオーダーのマルチピッキングを処理できるようになったことなど、AMRの対応範囲が格段に広がるなど、今回の容器設計は今のところSTOCKCREW様のオペレーションに適合を見せております。荷主要因や季節要因によって取扱商品の変更などAMRが運用可能な前提条件の変化も物流業界の特色でもあるため、今後もより標準化された容器の設計を通じてAMRの柔軟な運用を可能にする施策を打って参りたいと考えております。

<最後に>

今回STOCKCREW様との取り組みで特段大きな課題として3つの課題を取り上げましたがこの導入プロジェクトを通じて、最もお伝えしたいこととして、シリウスAMRは現行倉庫レイアウトに柔軟に対応できるようハードウェア、ソフトウェアの両面で設計されておりますが、実際の物流現場で発生している業務手順や運営ルールとの間でどうしても調整が発生する可能性があり、その点で必ずしも万能のソリューションとはなっていないということです。

しかしながら今回の事例にあるように、現場と共に倉庫業務の改善活動を通じて生産性の向上だけでなく、今後も新機能を随時実装できるロボットと改善業務との親和性も高いことからAMRを使ったオペレーションの新しい在り方へと発展させる可能性を秘めていると考えており、皆様に納得頂けるようお客様との伴走を続けながら、プロダクトやサービスも磨いてまいります。

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