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連続エッセイ『FICに入って一ヶ月の新入社員が見たもの』第一回

第一回著:8月1日入社の社員


目黒の朝は空気がまぶしい。
電車を降りてすぐ、ぎらつく八月の日差しが顔に照りつけてくる。
日本の夏特有の湿度の高い空気はしかし、ここ目黒では不思議にからりとして、
深呼吸すると体の細胞の隅々までエネルギーを運んでくれる。

株式会社FICに入って約一ヶ月。私が通うのは、
目黒から一駅、東急・不動前駅から食事処の並ぶ坂道を下りて5分のところにあるFICの研修センターだ。
8時50分。エレベーターでビルの5階に昇り、もうすっかり習慣となった
手の消毒を済ませると、私はオフィスのドアを開ける。

「おはようございます!」
「おはようございまーす!」朗らかな返事が返ってくる。

今日も暑いですね、と他愛ない会話をしながら、
穏やかにエアコンの効いた席にカバンを下ろし、私はオフィスの中を見渡す。
通い始めた時から変わらない印象がある。「清潔感」だ。

明るい壁の室内、大きな窓とベランダ、
元気良く天井近くまで伸びた観葉植物(パキラというらしい)。
どのデスクの上も片付いているために常に広々として見える空間だが、
衝立とアクリルボードでそれぞれのプライバシー、
それに感染対策が守られている。
5S活動の実践というわけだ。

総務の先輩方も次々出社してきて、いよいよ始業。
オフィスの中は私語OKだが、それでも基本的にとても静かだ。
時折営業担当が仕事の電話をかける他は、各々が自分のPCに向き合い、集中して業務をこなす。
私もメールチェックしてWordを起動し、任されている文書作成の続きを書き始めた。
と言っても、まだ一ヶ月の私には、そう忙しないほどの仕事は与えられていない。

総務関係のタスクをあちらから少し、こちらから少しと引き継ぎ、
「さわりはこんなところから」、「来週から一緒にやっていきましょう」とレクチャーされながら、
空いた時間でeラーニングやITパスポートの勉強をするのが今の業務である。

入社したて、それも体を壊してブランクのあった私には、
緩やかに慣れさせてくれるその配分がとてもありがたい。
FICは、上司が常に部下や新人の業務量に気を配ってくれる。
職場の雰囲気や仕事のペースを自分で掴んでいけるようにだ。
右も左もわからないうちから膨大な仕事量を詰め込まれたり、
残業させられたりといったことがない。

だから、毎日のストレスが驚くほどに、ない。新入社員ということもあるが、
それが私の、FICに来て最大のセンス・オブ・ワンダーだった。

<第二回へ続く>

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