「成果物そのもの」だけでなく、「誰が、どんな想いで、どんなチームでつくったのか」まで届けたい。シリーズ「pump work」第5回をお届けします。
今回は、株式会社MIXIのブランドムービー制作プロジェクト。
さまざまな事業・アプリケーションを「手元」というビジュアルコンセプトでつないだ本作。
今回、制作支援を担当したプロデューサー・織田悠希に、プロジェクトの舞台裏を聞きました。
「責任感と、少しの不安」——制作プロデューサーとして向き合った大仕事
織田「企業さんのブランドムービーというものはとても価値が高く、大切なものだと感じていたので、そのプロジェクトに制作プロデューサーという立場で関わることに対してとても責任を感じていましたし、少し不安もありました。」
広告やコンテンツ制作の経験を積み重ねてきたpumpにとっても、企業のブランドムービーはひとつの大きなステージです。
会社の顔となる映像の制作を支える——その重みを真正面から受け取ったところから、このプロジェクトは始まりました。
この案件を一言で言うと?
織田「さまざまな事業を展開する大手企業が、統一されたブランディングイメージを広めるためのムービーです。」
「MIXI」は、ゲームやスポーツ・エンターテインメント事業など、多彩な領域で成長を続ける企業です。
単一のプロダクトではなく、事業全体としての「MIXI」という存在を映像で表現する。
その出発点となったのが、今回のブランドムービーのコンセプトである「コミュニケーションのその先へ。」でした。
この想いをどのような映像で届けるのか。MIXI様とpumpがそれぞれの視点や強みを持ち寄り、企画の意図を共有しながら、ひとつのブランドムービーを形にしていきました。
プロジェクト概要
- Client:株式会社MIXI
- Project:【株式会社MIXI ブランドムービー】コミュニケーションのその先へ。
- 企画・クリエイティブディレクション:株式会社MIXI
- 映像制作:株式会社MIXI/pump Inc.
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コンセプトは「手元」——すべてが、ひとつにつながっていく
「コミュニケーションのその先へ。」
MIXI様がこの映像に込めたのは、デジタルの世界で生まれたコミュニケーションが、画面の向こうにいる人と人を結び、リアルな世界へと広がっていく姿でした。
その想いを約2分間の映像でどう表現するか。
MIXI様の企画をもとに、映像としての見せ方を検討していくなかで、表現の軸となったのが「手元」というビジュアルコンセプトです。
スマートフォンを操作する手、ゲームのコントローラーを握る手、家族と触れ合う手。
「MIXI」が提供するさまざまなアプリケーションや事業内容が、シーンをまたいだ「手元」のカットとして次々に登場していきます。
それぞれの「手元」は、「MIXI」のある事業を象徴している。
一見すると異なるシーンも、「手」の動きを通してつないでいくことで、ひとつの物語として浮かび上がってくる。
多彩な事業を展開するMIXI様だからこそ、その一つひとつにある人と人とのつながりを、映像全体を通して感じられる構成を目指しました。
企画・コピーと連動し、「ドラマチックにエモーショナルに」
MIXI様とともに、企画を映像として形にしていくなかで、織田が特に意識したことは——
織田「MIXI様の企画とコピーの意図を映像でもしっかりと表現し、ドラマチックかつエモーショナルに仕上げることを意識しました。」
ブランドムービーにとって、映像だけが独り歩きしても意味がありません。
言葉(コピー)と映像(ビジュアル)が一体となったとき、はじめてブランドの「空気感」が伝わる。
MIXI様の企画・コピーに込められた想いを共有し、それをどのような映像の流れや演出で届けるのか。
コンセプトと映像表現のつながりを大切にしながら、制作を進めました。
制作にあたっては、監督であるMIXIの菅野さんから、事前に映像資料とともに具体的な演出のイメージが共有されていました。
そのイメージを実際の撮影でどう再現するか。
織田はカメラマンとともにロケハンを重ね、撮影方法をひとつひとつ検証していきました。
なかでも試行錯誤を重ねたのが、スマートフォンをポケットに入れるシーンです。
織田「菅野さんから事前に映像資料をいただき、『こうしてみたい』というご要望を受けていました。特にポケットにスマートフォンを入れるシーンは再現が難しく、カメラマンと何度もテストを重ねました。最終的には、この撮影のためにカメラマンに簡単な器具を作ってもらい、撮影に臨みました。」
MIXI様が思い描く演出を、実際の撮影でどう実現するか。
事前に共有されたイメージをもとに、ロケハンやテスト撮影を重ねながら、ひとつひとつの表現を具体化していきました。
そして表現の要となったのが、トランジション(場面転換)の技術です。
織田「いくつものトランジションをもとに、さまざまな『手元』を見せていき、すべてがつながっているかのように見せていく設計です。」
異なるシーン、異なる事業、異なる人物の手——
それらを滑らかにつないでいく映像的な工夫は、MIXI様が伝えたい「コミュニケーションのその先へ。」というメッセージを、視覚的に表現するための大切な要素となりました。
ひとつのシーンから次のシーンへ。
手の動きとともに物語が展開していくことで、多様な事業の先にある、人と人とのつながりを描いています。
さらに今回は、約2分間のブランドムービーに加え、30秒バージョンも制作。
限られた映像尺のなかでどのカットを使用するか、撮影段階から検討する必要がありました。
織田「30秒バージョンでは、映像の尺を決めて撮影する箇所もあったので、ロケハンの段階からカット選びや撮影方法について、いろいろと試行錯誤したのを覚えています。」
完成形を見据えながら、撮影前から細かな検証を繰り返す。
その過程にも、MIXI様とpumpがともに作品をつくり上げていく姿勢が表れています。
「事故なく、すべて撮り切ること」——チームの合言葉
制作中、チームの中で繰り返された言葉があります。
織田「一番は事故がないことと、すべて撮り切ること。そのために、事前の香盤のシミュレーションと制作部での事前のミーティングを密に行いました。」
2日間で計4か所のロケーション。
屋外ロケと室内撮影が入り交じるタイトなスケジュール。
撮り逃しは、そのままシーンの欠落につながります。
だからこそ、現場の前に現場を想像し、想定されるリスクをひとつひとつ潰していく—
そのプロセスこそが、制作の本質だと織田は言います。
外部ロケでは、現場の状況は常に変わります。
近隣への影響、許可範囲の確認、突発的なトラブル——どれひとつとして、事前準備だけでは防ぎきれないものがあります。
このとき織田が選んだのは、「分担」でした。
織田「制作進行の正司と共に、ロケ地の管理者とのコミュニケーションとクライアントとのコミュニケーションを分担して丁寧に進め、なんとか時間内で事故なく進められました。」
クライアントへの状況共有と段取りの調整——
ふたつの対話を同時並行で進めることで、撮影は止まらずに動き続けました。
MIXI様と制作チームが現場の状況を共有しながら、ひとつひとつのシーンを形にしていく。
企画段階だけでなく、撮影の現場でもコミュニケーションを重ねることが、限られた時間のなかで制作を進める支えとなりました。
MIXIの豊富なリソースと、pumpの機動力。それぞれの強みをひとつに
今回の撮影を支えたのは、MIXI様とpump、それぞれが持つ強みでした。
AIを活用した素材生成をはじめ、クロマキー合成に対応したスタジオや技術スタッフ、業務提携先のバーの提供、さらにはMIXI様の社内での撮影まで。さまざまなリソースが制作に活かされました。
なかでも印象的だったのは、MIXI社員の皆さんがエキストラとして撮影に参加していたことです。
織田「MIXI様のリソースをフル活用させていただきました。特に社員の皆さんが総出でエキストラ出演されていたことが印象的で、社内コミュニティの強さを感じました。」
一方、pumpが発揮したのは、少人数でも柔軟に現場を動かす機動力です。
織田「2日間で4か所というタイトでハードなスケジュールでしたが、少人数で進行できるノウハウと、これまで培ってきた経験がとても活きたと思っています。」
MIXI様が持つ豊富なリソースと、pumpが培ってきた制作現場での経験と機動力。
それぞれが異なる役割を担いながらも、目指す表現はひとつ。
互いの強みを持ち寄り、補い合うことで、限られた時間のなかでも多彩なシーンを撮影することができました。
企画から撮影まで、双方がそれぞれの立場で力を発揮したこと。
それこそが、今回の共同制作を支える大きな力となりました。
「すべて撮り切れた瞬間」——最大の手応え
織田「一番の手応えは、撮影が終わった瞬間です。時間内ですべて撮り切れた瞬間です。」
完成した映像を届けた瞬間でも、再生数が伸びた瞬間でもなく——撮影が終わったその瞬間。
その言葉からは、制作プロデューサーとして現場全体を支えることへの責任感が伝わってきます。
すべての段取りを組み、チームを動かし、現場のトラブルを乗り越えて、予定したカットをすべて収め切る。
それができたとき、はじめてこの仕事は完成に向かって動き出します。
成果
公開後に実施した社内アンケートでは、「MIXIらしさが伝わるか」という項目において5段階評価で4.3点という結果を得られました。
また、「多様な事業が一本の線でつながり、会社としての一貫性を感じられた」「人と人とのつながりや、その温かさが伝わった」といった声が寄せられました。
さらに、MIXIとは何かを伝えるブランドアセットの一つとして、広報・採用・IR・イベントなど、社内外のさまざまな場面での活用が広がっています。
メンバー
- Producer:小船清次 / 織田悠希
- Production Manager:正司飛翔
- Assistant Director:佐藤稀厚 / 小杉力
おわりに
「ブランドムービーはとても価値が高く、大切なもの」
そう感じていたからこそ、責任感と向き合いながら始まったプロジェクトでした。
ブランドムービーの「コミュニケーションのその先へ。」というコンセプト。
その想いを映像として届けるために、MIXI様とpumpが視点を重ね、企画・コピーと映像表現をつないでいきました。
「手元」というシンプルなモチーフを通して、多様な事業の先にある人と人とのつながりを描く。
その実現に向けて、撮影方法の検証や細かな調整を重ねていきました。
そして撮影現場では、MIXI様の豊富なリソースと、pumpの少人数ならではの機動力がひとつに。
それぞれの強みを活かし、互いに補い合いながら、ひとつの映像をつくり上げていく。
今回のプロジェクトは、そんな共同制作のあり方を実感する機会にもなりました。
企画に込められた想いと、それを実現するための制作現場での積み重ね。
その両方があってこそ、「MIXIらしさが伝わる」映像へとつながりました。
pumpはこれからも、「誰が、どのようにつくったのか」まで含めて伝えるコンテンツを発信していきます。
こんな熱量で一緒に作りたい人、募集中です!
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