株式会社WEAVEでは、2026年6月26日から29日にかけての4日間、代表を含む幹部メンバー3名でアメリカのサンフランシスコを訪れました。目的は、AIの最前線を自分たちの目で見ることです。日々の業務から少し離れて、世界の最先端で今どんなことが起きているのかを知り、これからの事業に活かすための視察です。
サンフランシスコは、GoogleやApple、Metaといった世界の最先端企業が集まる街です。日本ではまだ少し先の話に思えることが、ここでは当たり前の日常になっていました。
今はAIに聞けば、たいていのことは調べられます。それでも私たちが現地にこだわったのは、自分の目で見ないとわからないことがあると考えているからです。今回の視察で実際に見て、体験してきたことを、このレポートでご紹介します。
目次
運転席に、誰もいない自動運転タクシー「Waymo」
見た目は普通の車なのに自動で走る「テスラ」
Google本社のキャンパスに併設された直営ストア「Googleストア」
Appleの世界観に浸れる聖地「Apple Park」
アメリカ最大級の家電量販店「Best Buy」
視界に地図が浮かぶスマートグラス「Meta Ray-Ban Display」
生成AIの最先端を見て、あらためて感じたAI研修の必要性
おまけ:街の広告から見えたAIの浸透度
これからWEAVEが目指すこと
運転席に、誰もいない自動運転タクシー「Waymo」
サンフランシスコの街でまず驚いたのが、自動運転タクシー「Waymo」でした。
アプリで呼ぶと、しばらくして一台が到着します。ドアがほんの少しだけ開き、乗り込むと、運転席には誰もいません。それなのにハンドルだけが動いていきます。正直、最初は少し怖さもありました。ただ、走り出してみると運転はとても安全で、車内では音楽を選べたり、画面に周囲を走る車が表示されたりしました。
▼自動運転タクシーWaymo。屋根の上にセンサーやカメラがいくつも並んでいます
▼運転席に誰もいないのにハンドルだけが動くWaymoの車内
▼Waymo車内の画面。周囲を走る車がリアルタイムで表示されています
感心したのは、前の車が急に車線変更してきた場面です。「ぶつかるかも」と思った瞬間、Waymoはきちんとブレーキで判断して対応しました。人間の運転と比べても、乗り心地はほとんど変わりません。
そして驚いたのが、その普及ぶりです。20分ほど乗っているあいだに、すれ違ったWaymoは8台。街の交通手段としてすっかり日常に入り込んでいました。料金はタクシーより少し高いくらいで、待ち時間も5分ほど。特別な体験ではなく、普通の移動手段になっていました。
▼乗車中、前を走っていた別のWaymo
サンフランシスコでは、AIはもう実験ではなく日常になっています。同時に、タクシー運転手という仕事のかたちが大きく変わっていくのかもしれない、と感じました。
見た目は普通の車なのに自動で走る「テスラ」
自動運転はWaymoだけではありません。私たちは、テスラの自動運転にも乗ってみました。
Waymoが運転席に誰もいない完全無人だったのに対して、テスラの運転席には実証実験中でドライバーが座っています。
▼赤いテスラを後ろから見た一枚。流れるようなボディで、見た目は本当に普通の車。
▼走行中の車内。運転席にドライバーは座っていますが、操作することはなく自動で動いています。
まず感じたのは、運転の自然さです。ブレーキがとても滑らかで安全でした。Waymoは横断歩道の上で止まってしまったり、ブレーキが少し急に感じる場面がありましたが、テスラはその点がよりこなれている印象でした。
▼センターの画面。「Self-Driving(自動運転)」と表示され、地図上で車が自動で進んでいきます。速度も自動で調整。
見た目の違いもはっきりしていました。Waymoは車の上に回転するセンサーやカメラがいくつも付いていて、いかにも実験車という雰囲気です。一方のテスラはそうした装備が少なく、デザインもよくて、言われなければ気づかないほど普通の車でした。
▼センサー類が目立たず、デザインもよくて普通の車に見えます。
走れる場所にも違いがあります。Waymoは高速道路を走れませんが、テスラは高速も問題なく走れました。ただ、街なかで見かける台数はやはりWaymoの方が多く、自動運転タクシーとしての普及はWaymoが進んでいる様子でした。
完全無人で走るWaymoと、普通の車のまま自動で走るテスラ。アプローチの違う2つの自動運転を同じ街で乗り比べられること自体が、サンフランシスコがAIの最前線だと感じました。
Google本社のキャンパスに併設された直営ストア「Googleストア」
続いて訪れたのが、Googleの本拠地マウンテンビューにあるGoogleストアです。
店内は洗練されていて、最新のプロダクトが並んでいました。最新スマートフォンのPixel 10、ワイヤレスイヤフォンのPixel Buds、家庭向けのスマート機器Google Nest。ニュースで見ていた最新デバイスを、本拠地で実際に手に取れるのは特別な体験でした。
▼Google公式ストアの外観。ガラス張りの店舗の前に、Googleカラー(赤・青・黄・緑)の巨大な風車のアートが並ぶ。
中でも一番印象に残ったのが、Googleの動画生成AI「Veo」を使ったサービスです。自分の顔の表情の写真から映像が数分できあがっていきました。さらに、Appleを意識したユーモアのある広告コピーも飾られていて、本拠地ならではの遊び心に思わず笑ってしまいました。
▼Googleストア店内で、Googleの動画生成AI「Veo」をその場で試せる体験型展示
▼「Can your iPhone do this?」と挑発コピーを掲げたPixel 10 Proの展示。AIカメラ性能で真っ向からiPhoneと比較する一枚
ストアのあとは、Googleの広大な敷地内も歩いてみました。緑が豊かで、リスが当たり前のように歩き回っています。世界の最先端をつくる会社が、これほど自然に囲まれた環境にあることに驚きました。これだけ集中できる環境なら、次々に新しいものが生まれるのも納得です。
Appleの世界観に浸れる聖地「Apple Park」
Apple ParkのビジターセンターにあるApple Storeにも足を運びました。さまざまなApple製品が並ぶ店内は、正直なところ他のApple Storeと大きくは変わりません。ただ、私たちにはここで確かめたいことがありました。Mac miniです。
▼全面ガラス張りのApple Park Visitor Center外観。
WEAVEは今、Mac miniを拠点に動くAI社員を、お客さまの会社へ実装していこうとしています。ところが、その肝心のMac miniがなかなか手に入りません。なぜこれほど品薄なのか、本場の店員さんに直接聞いてみると返ってきた答えはこうでした。
「サイズが小さいから、みんなとりあえず買っていくんだ。だから在庫を切らさず確保しておくのが難しい。でもこれ、要するにAIエージェントを組むのに完璧なスペックなんだよ。」
(It's basically the perfect conditions for an AI cluster.)
Mac miniは今、小さな筐体で複数台つなげばAIを動かす環境を組める「AI端末」として人気が高まり、世界的に品薄になっていたのです。
▼Apple Park Visitor Center店内で、店員さんにMac miniの需要をヒアリング。
これは私たちにとって、大きな発見になりました。AIの最前線であるサンフランシスコでも、同じ理由でMac miniが手に入りにくい。私たちがお客さまに届けようとしているMac mini拠点のAI社員という取り組みは、流行りを追いかけているのではなく、世界がこれから向かう流れの最前線にあると、現地で確かめることができました。
アメリカ最大級の家電量販店「Best Buy」
Apple ParkでMac mini品薄の理由を確かめた私たちは、その足で大型家電量販店のBest Buyにも立ち寄りました。
▼Best Buyの店舗外観
店内にはスマート家電がずらりと並んでいます。ただ、売り方は日本とずいぶん違いました。派手なPOPはほとんどなく、商品も色味もふくめて全体的にすっきりしています。言葉で説明して売るというより、製品そのものを見せる感じでした。
▼店内のスマホ・アクセサリ売り場
ここでも私たちの目当ては、AIを動かす端末です。やはりMac miniは在庫が薄い様子でした。そこで目に留まったのが、Microsoftのコーナーに並んでいたLenovoとAcerの製品です。スペックを比べればMac miniの方が上かもしれません。それでも、これなら十分に使えそうだと感じ、その場で「さっそく試してみよう」と話していました。
▼売り場のミニPCコーナー。Lenovo やAcerの小型端末が並ぶ。
視界に地図が浮かぶスマートグラス「Meta Ray-Ban Display」
バーリンゲームにあるMeta Labでは、最新のスマートグラス「Meta Ray-Ban Display」を体験し、その場で実際に購入しました。
▼Meta公式ストアの外観
▼店頭のMeta Ray-Ban Display体験台。「In-lens display. On-wrist control.(レンズ内ディスプレイ・手首で操作)」と掲げ、レンズに映る情報やライブ字幕、Meta AIへの質問を実機で試せる展示
専用のバンドを手首につけてグラスをかけると、視界の中に地図が映ったり、写真が表示されたりします。しかもそれを手の動きで操作できます。目の前の景色に情報が重なって表示される体験は、これまで映像でしか見たことのなかったものが実際に動いている驚きがありました。
▼実際にMeta Ray-Ban Displayを掛け、手首のリストバンドで操作しながら店員さんに体験中。
普及はまだこれからだと思いまが、仕事で使える場面は想像以上にありそうだと考えています。たとえば、自分の手元を映しながらアルバイトの方に作業を説明する。顔認識を使えば、目の前の相手の情報が表示されて、「あの人、誰だったかな」を防げるかもしれない。実際の業務に当てはめた場面を、想像するとこれからの未来によりワクワクしました。
生成AIの最先端を見て、あらためて感じたAI研修の必要性
今回の視察を通して、たくさんの学びと気づきがありました。最大の学びは、今WEAVEが取り組んでいるAI研修と、その先で進めているAI社員の導入が、世界が進もうとしている方向と同じだったとわかったことです。Mac miniがAIマシンとして求められて品薄になっていたり、自動運転が普通に街を走っていたり、スマートグラスで視界に情報が映ったり。私たちがお客さまに伝えている「これから来るもの」は、もうサンフランシスコでは日常になりつつありました。
同時に、もう一つ大事な学びとしては、こうした最新のAI機器を使いこなすには、AIの基礎スキル、いわゆるAIリテラシーが欠かせないということです。どれだけ便利な道具が出てきても、それを使える人がいなければ宝の持ち腐れになってしまいます。最先端に触れたからこそ、これからは「AIを使いこなせる人」をどれだけ増やせるかが、会社の力を大きく左右すると感じました。
WEAVEがAI研修にこだわっているのは、まさにここに理由があります。新しい技術が次々に登場する時代に、それを実際の仕事で使いこなせる人を育てること。これがこれからの会社の成長に直結すると、今回の視察であらためて確信しました。
そして、自分の目で見ることの大切さも再確認しました。今はAIに聞けば情報は手に入りますが、現地に行って初めてわかることがあります。WEAVEがこれからも一次情報を大事にして、人と人とが向き合う研修にこだわっていくのも、同じ考え方です。今回見てきたことを、これからのAI研修とAI社員の導入に活かして、お客さまにもっと良いものを届けていきます。
おまけ:街の広告から見えたAIの浸透度
最後に、おまけです。サンフランシスコの街を歩いていると、とにかくAI関連の広告が多いことに気づきました。日本ではまだ、AIの広告をこれほど街中で見ることはありませんが、サンフランシスコでは、ビルの看板、駅、街なかのポスターなどのあちこちでAIサービスやAI企業の広告を見かけます。
面白いのは、その多くが一般の人向けではなく、開発者や企業向けのAIツールの広告だったことです。「AIを守るセキュリティ」「AIのためのデータベース」「APIはAIエージェントに対応できているか」。日本ではまず街中で見かけないような広告が、ここでは当たり前に並んでいます。AIがもう、一部の人のものではなく、ビジネスの土台になっていることがよくわかりました。
下の写真は、視察中に見かけたAI関連の広告です。サンフランシスコの「今」の雰囲気が伝われば嬉しいです。
▼OpenAIのコーディングAI「Codex」のビル広告。街の建物の上に堂々と
▼Genspark.aiの広告「AI for the rest of us(みんなのためのAI)」
▼セキュリティ企業Oktaの広告「Okta secures AI(OktaがAIを守る)」
▼システム障害対応をAIで支えるResolve.aiの広告「BAG MORE 9s(もっと安定した稼働を)」
▼APIツールPostmanの広告「Are your APIs ready for AI agents?(あなたのシステムはAIエージェントに対応できていますか?)」
▼データベースのClickHouse「The leading database for AI(AIのための最先端データベース)」。AnthropicやMetaの名前も並ぶ
▼MiniMaxの広告「AI for Everyone(すべての人にAIを)」
▼サンフランシスコ名物のケーブルカーに貼られたGoogle Geminiの広告「A new kind of help from Google」。街のシンボルにまでAI広告が
▼バス停の広告。outset.aiという調査AIの広告で「ご近所さん曰く:正直、ここのブリトーはイマイチ」とユーモアたっぷり
▼ビルの壁面いっぱいの大型広告。Sequence(経理チーム向けのAI収益プラットフォーム)の「請求ミスはこの広告より高くつく」というコピー
これからWEAVEが目指すこと
私たちは今、「情報格差によるくすぶりをなくし、誰もが自分の可能性に挑戦できる社会」を目指して次世代のAI教育を担う会社を作る仲間を探しています。少しでも気になった方は、まずは一度カジュアルにお話しさせてください。ご覧いただきありがとうございました!