こんにちは、株式会社MEME CEO の齋藤 舞 ( @meme_saito )です。
採用面談を受けてくださる方、投資家の方、学校現場を知らない方とお話しするときに、私たちMEMEが何を解こうとしている会社なのかを説明をするさせていただくのですが、教育現場の実態は、ものすごく複雑でお話しをするのに結構な時間がかかってしまうので、noteに書こうと思います。
また、弊社がただ集金サービスをやっている会社ではなく、本気で教育現場を変えようとしているということもずっと伝えたかったので、このnoteを読んで、そういう仲間が集まってくれたら、すごくうれしいです。
ぜひ最後まで読んで「♡」をお願いします!♡
目次
先生の時間を、こどもたちへ返したい。
弊社が提供する学校徴収金サービス『スクペイ』について説明するとき、私たちは「学校集金をキャッシュレス化するサービスです」とお伝えすることがあります。
もちろん、間違いではありません。ただ、私たちはキャッシュレス化やDXそのものを目的にしているわけではありません。それらは、あくまでも手段にしかすぎないのです。
私が本当に解きたいのは、先生たちが忙しいことによって、次世代を活きるこどもたちの学びの機会が減っていることです。
先生は、授業以外の仕事があまりにも多い。
先生たちの仕事を知れば知るほど、担任を持つ、という一つの役割に、これだけ多くの仕事が含まれていることに驚きます。
30人のクラスを担任していれば、30人のこどもたちを見ながら、一人ひとりの体調や表情、友達との関係、いつもと違う小さな変化まで気にします。それと同時に、授業をして、当然、授業の前には準備があって、授業の合間の休憩時間やお昼休み、放課後には保護者とのやり取りがあります。
その他に、行事の準備、会議や校務分掌もあります。
それだけでも十分に大変なのに、授業で使用する教材の選定から、その教材費の集金まで先生が担当している学校があります。
教材を選んだら、保護者へ金額を案内して、集金する。誰が支払っていて、誰がまだ支払っていないのかを確認する。教材を納品した販売事業者へ支払う。領収書を整理する。最後には、保護者に提出する会計報告書まで作成する。
これらを、日々の授業やこどもたちへの対応と並行して行っています。
会社で考えたら、先生はプレイヤーであり、マネージャーであり、カスタマーサポートであり、経理でもあります。
これだけ多くの役割を一人で担っている仕事は、なかなかないと思います。
先生は何も悪くないのに、謝るように督促している
なかでも、先生たちにとって精神的な負担が大きいのが、支払いが確認できていない家庭への連絡です。
「申し訳ないのですが、まだお支払いが確認できておらず……」
先生は何も悪くありません。自分の私腹を肥やすために集めているわけでもありません。こどもたちの学びに必要な教材を用意するために、仕事として連絡をしているだけです。
それでも、自分で教材を選んだからこそ、
「高いものを選んでしまったのではないか」「家庭に負担をかけているのではないか」
と、自責の気持ちを持ってしまう先生もいます。
本当は督促をしたくない。保護者に怒られるのが怖い。
だから管理職の先生に相談し、ときには一緒に謝るような気持ちで連絡をする。こどもの学びのためにやっているのに、支払いを拒否されたり、強い言葉を返されたりすることもあります。
こうしたことの積み重ねで疲弊し、心身の調子を崩してしまう先生は、どのくらいいるのだろうと思います。

督促する人を変えるだけでは、問題は解決しない
では、じゃあこれを先生じゃない人が担えば良いのか?
督促を、先生ではない誰かが担当すればよいのでしょうか。
確かに、督促業務を外部へ委託すれば、先生が保護者へ直接連絡する精神的な負担は減らせます。それ自体には意味があります。
でも、督促する人を先生から外部の人へ変えただけでは、根本的な問題は解決していません。支払いが確認できない状態は、そのまま残っているからです。
未払いのままであれば、こどもが必要な教材を受け取れなくなるかもしれない。学校や先生が一時的に費用を立て替えたり、別の予算で補ったりすることになるかもしれない。つまり、負担がなくなったのではなく、見えない場所へ移っただけです。
私は、それを「マイナスをゼロにした」とは考えていません。
むしろ、表面上は先生の仕事が減ったように見えても、こどもの学びに必要なお金が届いていないという問題を、見えにくくしてしまう可能性があります。
大切なのは、ただ督促を強くすることでも、誰かに代わりに督促してもらうことでもありません。
まず、保護者が「何のために、いくら支払うのか」をきちんと理解でき、忘れずに、負担の少ない方法で支払える仕組みをつくること。
そして、単なる支払い忘れなのか、手続きでつまずいているのか、経済的な事情で支払いが難しいのかを分けて考えること。
支払いが難しい家庭には、督促を繰り返すのではなく、必要な支援や制度につなげること。
支払える家庭からは、こどもの学びに必要な費用が確実に支払われる。支払いが難しい家庭には、必要な支援が届く。そして、どの家庭のこどもも、必要な教材や学びの機会を受け取れる。
そこまで実現できて、ようやくゼロになるのだと思います。
私たちの目的は、お金を回収することではありません。
お金や手続きが理由で、こどもの学びが止まらない仕組みをつくることです。
学校集金は、単に「現金を集める作業」ではありません。請求、入金確認、未払いの連絡、帳簿管理、販売事業者への支払い、領収書の整理、会計報告まで、たくさんの業務と精神的な負担がつながっています。
そして、その負担は外から見えにくいため、先生たちの頑張りによって何とか維持されています。
では、督促を先生ではない誰かが担当すればよいのでしょうか。
娘の担任が、1年間で3人変わった

私の娘が小学1年生だったとき、1年間で担任の先生が3人変わりました。先生が学校に来られなくなった理由は、私にはわかりません。
学校の忙しさが原因だったのかもしれないし、まったく別の理由だったのかもしれません。だから、原因を決めつけることはできません。
ただ、そのとき娘が言った言葉が、今もずっと残っています。
「私や〇〇くんが話を聞かなかったから、先生は嫌になっちゃったのかな。だから戻ってこないのかな」
娘は、自分たちのせいで先生がいなくなったのではないかと思っていました。私は、その言葉を聞いたとき、こどもたちは私たち大人が思っている以上に、先生の状況を感じ取っているのだと思いました。
詳しい事情はわからなくても、先生に余裕がないこと。先生が疲れていること。先生が何かに追われていること。
それは、きっとこどもたちにも伝わっています。
先生が忙しいことは、先生だけの問題ではありません。一番近くにいる、こどもたちの毎日にも影響します。
先生が忙しいことで、こどもたちの学びの機会が減っている
金融教育、英語教育、プログラミング教育、探究学習・・・
これからの時代を生きるこどもたちには、これまで以上に幅広い学びが必要だと言われています。私も、そう思います。
でも、先生たちに新しい学びを届けてほしいとお願いする前に、考えなければならないことがあります。
先生たちに、新しいことへ取り組む時間と心の余白があるのかということです。
今ある仕事を何も減らさないまま、
「これからは金融教育も必要です」「プログラミングも教えてください」「一人ひとりに合わせた学びを提供してください」
と、新しい役割だけを追加しても、現場は回りません。教育の内容を増やす前に、先生たちが抱えている、教育以外の仕事を減らさなければならない。
今、私たちがしているのは、マイナスをゼロに戻すこと

スクペイでできること
スクペイを導入することで、保護者の方はスマートフォンから支払いができ、学校側の画面では、入金状況が自動的に記録されます。
こどもに現金を持たせる必要がなくなり、先生が集金袋を開けて金額を確認したり、入金データを一件ずつ照合したりする作業も減らせます。
ただ、私たちがつくりたいのは、単に「便利な学校集金システム」ではありません。
集金の前後には、請求、帳簿管理、販売事業者への支払い、返金、年度末の精算など、まだたくさんの業務があります。
だから私たちは、保護者からお金を集めるところだけではなく、「申し込む、請求する、支払う、管理する、販売事業者へ届ける」という一連の流れを変えようとしています。
先生たちが担ってきた仕事を、仕組みそのものから減らしていく。そして、先生たちの時間を、こどもたちへ返していく。私たちが必死に取り組んでいるのは、マイナスをゼロに戻すことなのだと思います。
新しい学びを増やすという「プラス」をつくる前に、先生たちの時間と心を奪っている「マイナス」をなくしていく。
派手ではないですし、正直、地道で難しいことばかりです。学校ごとに運用が違い、自治体ごとに考え方も違います。システムを提供するだけでは変わらないことも、たくさんあります。悔しい思いをすることも何度もあります。
それでも、これを解かなければ、どれだけ素晴らしい教育コンテンツを作っても、その価値を届けることができないと思うのです。
私たちは、何を解こうとしている会社なのか
何度でも言います。MEMEは、単に学校向けのシステムを提供する会社ではありません。キャッシュレス化やDXそのものを目的にしている会社でもありません。
私たちが解きたいのは、次世代を育てる人たちの余裕がなくなり、その結果として、こどもたちが得られるはずだった学びや機会まで減ってしまっていることです。
先生たちの時間を、こどもたちへ返す。
保護者や教育委員会、学校に関わる販売事業者の負担も、誰か一人に押しつけるのではなく、仕組みから減らしていく。そして、その先で、こどもたちがこれからの時代を生きるために必要な学びを受けられる環境をつくる。
それが、私たちのやりたいことです。

MEMEのビジョンは、
「次世代を育てる毎日が、希望になる社会。」
であり、ミッションは、
「次世代の毎日に、新しいあたりまえを実装する。」
です。
こどもを育てること。こどもの学びを支えること。こどもに新しい機会を届けること。本来、どれも未来への希望につながる営みのはずです。
それが、複雑な手続きや事務作業、誰かの我慢によって苦しいものになっているのであれば、その仕組みを変えたい。
今はまだ、必死にマイナスをゼロに戻している途中です。うまくいかないこともたくさんあります。
会社を続けることも、サービスをつくることも、学校や自治体の仕組みを変えることも、本当に大変です。それでも、この課題は誰かが解かなければならないと思っています。
スクペイは、そのための最初の一歩です。
そして、なぜ、もともと親子向けの金融教育サービスをつくっていた弊社が、学校集金の課題に取り組むことになったのか。
それは、次の記事で書きたいと思います 👋