なにをやっているのか
リレーションシップ合同会社は、エンタープライズBDR(大手企業向け新規開拓)の市場健全性を可視化する判断基盤サービス「LOGOTORU(ロゴトル)」を運営しています。
LOGOTORUが提供するのは、アポイントの数ではありません。「この市場を攻め続けるべきか」「いつ止めるべきか」「何を変えるべきか──BDR投資における意思決定の根拠を、毎月データで提示するサービスです。
具体的には、エンタープライズ市場に対するBDR活動(コール・メール・LinkedIn・手紙)を実行しながら、その過程で得られる市場の反応データを6つの独自指標で構造化・記録・分析します。
6つの指標とは、有効会話率(接触した人のうち本人と会話できた割合)、ネガティブ反応率(明確な拒否の割合)、リスト残存率(まだアプローチ可能な人の割合)、商談化率、ネガパーソン蓄積率(累積ネガティブの市場全体に対する割合)、初回有効会話接触回数です。
これらを毎月計測し、市場健全性スコア(18点満点)として可視化。KEEP(継続)/ ADJUST(変更)/ STOP(停止)の判断バッジをクライアントに提示します。
アウトプットは上長への上申資料としてそのまま使えるA41枚のレポートです。「エンタープライズ開拓の成果が出ない。でもやめる判断もできない」──この膠着状態を、データに基づいて解消するのがLOGOTORUの仕事です。
なぜやるのか
日本国内でエンタープライズ開拓のターゲットとなる上場企業やそれに準ずる規模の企業は、約3,800社しか存在しません。この極めて有限な市場に対して、架電数やアポイント数をKPIにした「焼畑営業」が蔓延しています。
焼畑営業の問題は、短期的に商談が出ることです。
私たちが3社・12,000件超のエンタープライズBDR接触データから確認した事実があります。アプローチ量を増やした月は商談が増えます。
しかしその効果は同月限りで、翌月以降はゼロに戻ります。さらに深刻なのは、ネガティブ反応(明確な拒否)が蓄積されると、3ヶ月後に有効会話率が大きく低下するという構造です(相関係数 r = -0.72)。
つまり、「今月は商談が出ているから大丈夫」という判断が、3ヶ月後の市場崩壊を見えなくしています。短期の成果が長期の市場摩耗を隠す。これが焼畑の本質です。
代表の橋本は、SalesforceとAWSでエンタープライズBDRに従事する中で、この構造に直面しました。営業代行は「アポを納品する」ことが売上です。だから止める理由がない。市場が疲弊していても、架電を続ける構造的なインセンティブが働きます。
LOGOTORUはこの構造を逆転させるために作りました。データがSTOPを示したら、自社の売上が減っても「止めましょう」と言う。
一度焼いた市場は、回復に最低3ヶ月かかります。回復しないケースもあります。市場を守ることは、クライアントの未来の売上を守ることと同義です。
「営業代行」ではなく「判断基盤」。これがLOGOTORUの存在理由です。
どうやっているのか
LOGOTORUの技術基盤は、Google Sheets、Looker Studio、GAS(Google Apps Script)で構成されています。サーバーなし、データベースなし、自社APIなし。全てGoogleの無料インフラの上で動いています。
これは意図的な設計です。クライアントがスプレッドシートを開けば、中身が全部見える。ブラックボックスを排除した「ガラスボックス設計」を採用しています。
クライアントごとに1ファイル(16タブ構成)のスプレッドシートを作成し、マスター指標、閾値設定、相関分析、rawデータを全て格納。Looker Studioで17ページのダッシュボードを構築し、判断バッジ、トレンド、散布図を可視化しています。
独自の相関エンジンは、10ペア×4ラグ(0〜3ヶ月)のCORREL関数マトリクスで構成。「ネガティブ率が上がると3ヶ月後に有効会話率がどう動くか」「アプローチ量を増やすと翌月の質がどう変わるか」を定量的に分析しています。
さらに、LINEST関数による回帰分析で、将来の有効会話率を予測。ネガパーソン蓄積率には3段階の閾値(5%=警戒、10%=警告、20%=強制ストップ)を設定し、市場保護ラインとして機能させています。
BDRの実行は、業務委託のオペレーターチームが担当しています。橋本が相関エンジンに基づいてアプローチ設計を行い、オペレーターが実行し、通話録音はamptalk(コール解析AI)がリアクションメモを自動生成します。オペレーターにメモを取らせる必要はありません。型化された判断ルールと、amptalkによる自動分類が、属人性を排除しています。
月次レポートは、スプレッドシートのrawデータタブから該当月の数値を取得し、相関エンジンの回帰式に基づいて3ヶ月後の予測値を算出。
KEEP / ADJUST / STOPの判断バッジとともに、A4 1枚のLayer 1レポートとしてクライアントに納品します。このレポートは上長への上申資料としてそのまま転送できる設計です。