「これに返事をしたら、今後のことを考えよう」
たとえば、そんなふうに始まる夜があるとする。
現場から相談が来ている。自分なら答えは分かるし、返した方が早い。もう一件、もう一件と返しているうちに、今日も時間がなくなった。
でも、返事をしなかったら困る人がいる。
未来の話をしている場合じゃない、とも思う。
事業をちゃんと回してきた人ほど、ここで迷うんじゃないかな。
おれは、必要なときには経営者もカバーに入るべきだと思う。現場でやるべきことができていないのに、全部任せっきりで次に進むことはできない。
そのうえで、聞きたい。
この事業を、どこに連れていきたいですか。
今夜の相談には答えがある。
今月の目標もある。
じゃあ、一年後にどんな店になっていて、どんな人が、どんな顔で働いていてほしいのか。
ここは、誰かから相談が届くのを待っていても、決まらない。
たとえば、「スタッフが、ここで働いていることを誇れる店にしたい」とする。
いいと思う。で、それって具体的には、どんな場面なんだろう。
自分の技術で、お客さんの役に立てたと感じる瞬間かもしれない。
仲間に教えられることが増えて、自分がここにいる意味を感じることかもしれない。
そういう店にしたいなら、次の出店を考えるときにも、数や時期と一緒に考えることが出てくる。
新しい仲間を、誰が、どこまで育てられるのか。
いま働いている人が、技術を磨く時間を持てるのか。
目の前に機会が来たとき、自分たちの目指す店に近づく選択なのか。
その判断を引き受けるのも、経営者の仕事です。
おれが言う「未来の絵を描く」は、ここまで具体的にすること。
その未来に行くために、途中で何ができていないといけないのか。いま何から手をつけるのか。そこまで考え続ける。
だから、今夜の相談に入ることと、未来を考えることの両方を引き受けたい。
今、自分が入らなければいけないなら入る。
その後で、「次も自分しか答えられないままでいいんだっけ」と考える。役割を渡し、判断を持てる人を増やして、自分が未来に向き合う時間もつくる。
現場を支えてきた力を、ここでも使える。
一緒に働く人に、「この未来に向かうなら、一緒に働きたい」と思ってもらいたい。
その人が力を発揮できる場所を、自分も具体的に描いていたい。
「明日考えよう」と閉じかけたページに、一行だけでも書く。
この事業を、どこに連れていきたいのか。
その一行について考える時間を、次の予定に入れておく。
現場を支えてきた経験は、これからどんな事業にしていくかを考えるときにも、生かせると思います。いま働く仲間が何に困っていて、何ができるようになったらもっと力を発揮できるのか。その実感を、次の判断につなげていきたい。
おれはtsudowでも、目の前の運営を支えることと、その先の未来をつくることを、一緒に考えられる人と働きたいと思っています。
「現場のことは分かる。だからこそ、その先の事業づくりにも関わりたい」。そんな思いがある方と、これまでの経験や、これからつくっていきたい未来について話してみたいです。