以前、酒井まんさんとの対談で、新卒のころの自分に何を伝えるか、という話をしました。そこで振り返ったのが、素直さです。自分では素直なつもりでも、人から言われたことをすぐに試していないことがありました。
話を聞くことと、実際にやってみることの間には距離がある。対談では、まず助言を一度試し、少し結果が出たら自分の工夫を加える、という順番についても話しています。
教える側に立つときも、相手が説明を聞いたところで確認を終えたくありません。その後、何を自分でできるようになったか。私は、そこまで一緒に見られる育て方をしたいと思っています。
答えを渡すか、考える手がかりを渡すか
数字をまとめた報告を例に考えてみます。集めた数字は合っているけれど、そこから何が言えるかで手が止まっている。教える側には前日との違いも、理由になりそうなことも見えているとします。
全部説明すれば、その日の報告は早く仕上がります。一方で、次の報告も同じところで止まるなら、本人が使える考え方を渡し切れていないのかもしれません。
私なら、まずどこまで分かっているかを聞きたいです。数字の意味が分からないなら、そこを説明する。意味は分かっていて、比べる場所に迷っているなら、昨日との違いを一緒に探す。相手が止まっている場所によって、渡すものを変えたいんです。
自分で考えてほしいからといって、必要な説明まで控えるつもりはありません。間違った理解のまま進めてはいけない仕事や、急いで答えを伝える必要がある場面もあります。その場合は先に教えて、落ち着いてから判断の理由を振り返ればいいと思います。
本人にも見える成長を残したい
その日の報告で、理由までは説明できなくても、数字の違いを自分で見つけられたなら、そこは残しておきたい。次は、その違いがなぜ生まれたかを考えてみる。こうすると、次に取り組むことも具体的になります。
私がつくりたいのは、本人も自分の成長が分かる状態です。スキルマップなどを見て、今できることと、次に身につけたいことを選べるようにする。自分で自分を育てる「自分育成ゲーム」のようになったら、面白いと思っています。
教える側だけが成長に気づいていても、本人には伝わらないことがあります。できなかったことを並べるだけでなく、前より自分で進められた部分を一緒に確かめたいです。
どこまで待つかは、その都度考える
目の前の仕事を早く終わらせることと、相手が考える時間をつくること。どちらも必要なので、いつも同じ教え方では済まないと思います。
だから、答えが見えたときほど、本人がどこまで気づいているかを一度聞く。そのうえで、今は説明するのか、一緒に考えるのかを選ぶ。すぐに答えを出せる力を、相手が次に自分で進められることを増やすためにも使っていきたいです。
人が育つことと、日々の仕事を支えることを一緒に考える。そんな仕事のつくり方に関心を持っていただけた方に、tsudowのことも知ってもらえたらうれしいです。
tsudowについて
株式会社tsudowは、実店舗の運営とマーケティング支援に取り組む会社です。現場で得た知見を、事業やブランドの成長に生かしています。
書き手:Jacky(岡﨑涼太)/株式会社tsudow代表取締役。マーケティング・経営・組織の戦略設計に携わっています。
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本文で触れた対談:酒井まんさんとの対談(素直さについて、8:02〜)