今年も株主総会の季節がやってきた。一日だけの生本番勝負の日だ。

毎年恒例なんだからやる事は同じなんじゃないの？と思われるだろうが、改善、変更、削除、新規追加等々の打合せの声が聞こえてくる。近年ではオンライン対応の話も出てきているので尚更だ。映像、音響、照明等々、各専門分野の会社が機材準備だ、事前テストだと確認作業を始める。　総会数日前から会場設営が始まり、各社の機材が渋滞せずにスムーズに搬入できるよう連絡を取り合うのも大事な仕事だ。何も無かった部屋で機材がドーンと組み上がり、そこから接続されたケーブルがうねうねとはい回り、臨時のテレビ局みたいで壮観だ。整然と並べられた株主席や議長席とは大違い。機材チェックをしては調整し、企業側の要望があれば調整し、リハーサルしては調整し、裏方は動き回る。　　　　　　　　　　　　　　　　　当社はこの裏方のまとめ役として入ることもあれば、一部を担当したりと色々な形で携わっている。会社自体は創業10年ちょっとだが、社長はその前からずっと株主総会の仕事もしているベテランだ。　　　　私は事務職なので簡単な手伝いぐらいしかできないが、事務所にいる時は違うピリリとした顔つきの社長を見ると、おおっ、カッコイイじゃんと思う。　　　　　　　　 　　 　　　　　　　　　　　　　　　　社員達は現場担当として各社からの問合せ対応やら何やらと忙しそうだ。みんな食事は大丈夫かな、休憩できているかな、今日のお弁当は何だろう。さて、株主様達の会場入りが始まり、いよいよ本番へと向かう。ここまでくると逆に裏方は静かだ。各々の担当に専念し指示出しの声が響く。静かなのはトラブルがない良い証拠。無事に終わるのを祈るだけ。司会者の終わりの挨拶が聞こえてきた。この後は怒涛の撤収作業が待ち構えている。