【グリーン電力とは?】電力証明の課題とブロックチェーンの可能性をDP社エンジニアが解説!
こんにちは!Digital Platformer株式会社(以下、DP社)採用担当です。
最近、「グリーンエネルギー」や「再生可能エネルギー」という言葉を見かける機会が増えてきました。
ニュースや企業のプレスリリース、IR資料などでも、「当社はグリーン電力を利用しています」といった表現を目にすることがあります。
ただ、正直なところ、
「グリーン電力ってどういうものなんだろう?」
「本当に環境に良い電気って証明できるの?」
「そもそも、今なぜこれほど注目されているんだろう?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
実際、社内でも同じような声が上がっていました。そこで今回は、DP社でグリーンエネルギー領域の開発に携わるエンジニアの澤田を講師に迎え、「教えて澤田先生!」と題した社内勉強会を開催しました。
この記事では、その勉強会の様子をレポート形式でお届けします!
グリーン電力の基礎から、現在抱えている課題、そしてDP社が取り組む「電力の証明」の仕組みまで、澤田先生に分かりやすく解説してもらいました。
ぜひ皆さんも、一緒に授業を受ける気持ちで読んでみてください!
グリーン電力とは?まず押さえたい基礎知識
私:本日はよろしくお願いします!最近「グリーン電力」という言葉をよく聞きますが、そもそもどういうものなんでしょうか?
澤田:まず「グリーン電力」というのは、太陽光や風力、水力、地熱など、再生可能エネルギーによって発電された電力のことを指します。
近年、世界中で脱炭素への取り組みが進む中、こうした再生可能エネルギーへの注目も高まっています。
一方で、グリーンエネルギーと一口に言っても、その種類や仕組みはさまざまです。太陽光、風力、水力、地熱など発電方法によって特徴は異なります。
私:確かに、グリーン電力と一言で言っても、その背景にはいろいろな発電方法があるんですね。
澤田:そうなんです。さらに、どのように発電され、どのように利用されているのかも見えにくい領域なんですよ。
例えば今使っている電気が、本当に再生可能エネルギー由来なのかを私たちが確認する方法って、実はほとんどありません。
だから「どこで作られた電気なのか」「本当に再生可能エネルギーなのか」を証明するのが意外と難しいんです。
なぜ今グリーン電力が注目されているのか?
私:ここ数年で急に注目度が上がった印象があるんですが、何か理由があるんでしょうか?
澤田:一番大きいのは、世界的なCO2排出削減の流れですね。
現在、多くの国や企業がカーボンニュートラルを掲げ、排出量削減に取り組んでいます。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させて、実質的に排出量をゼロにする考え方です。さらに近年では、ESG投資の広がりによって、環境への取り組みそのものが企業価値の評価対象になっています。
私:ESG投資という言葉は聞いたことがあるのですが、環境への取り組みも投資判断に関係してくるんですね。
澤田:そうなんです。ESG投資は、環境・社会・ガバナンスの観点から企業を評価する投資手法です。最近は売上や利益だけでなく、環境への取り組みも重要な評価項目になっています。最近は、製品を作る工場だけじゃなくて、その部品を作る工程でどれだけCO2を排出したかも見られるようになっています。
私:部品レベルまでですか?
澤田:そうです。例えば環境負荷の高い電力を使って作られた部品は、将来的に採用されなくなる可能性もあります。これは製造業だけの話ではありません。データセンターやクラウドサービスなど、大量の電力を消費するIT業界にも関わる話です。
つまり、グリーン電力の利用は「やった方が良い取り組み」ではなく、「選ばれる企業であり続けるための条件」になりつつあるのです。
「グリーン」と言えてしまう?電力証明が抱える課題
私:でも、グリーン電力って既に証明書みたいなものがありますよね
澤田:あります。ただ、そこに大きな課題があるんです。現在は、再生可能エネルギーによって発電されたことを証明する制度が存在しています。企業はその証書を取得することで、「グリーン電力を利用しています」と表明できます。
例えば夜に稼働している工場でも、後から証書を買えばグリーン電力を使っていると言えてしまうんです。
私:でも、太陽光発電って夜は発電していないですよね…?
澤田:そうなんです。本来は使っていないのに、形式上はグリーンになってしまう。
現在の制度では、発電されたタイミングと利用したタイミングのズレが許容されているケースがあります。そのため、実態としては再生可能エネルギーを利用していなくても、「利用している」と表現できてしまうことがあるのです。
こうした状態は「グリーンウォッシュ」と呼ばれ、近年大きな課題として認識されています。「グリーンウォッシュ」とは、表面上は環境価値を訴求しながらも、実際のエネルギー利用実態とは一致していない状態を指す言葉です。語源は「問題を覆い隠す」という意味を持つ“whitewash”に由来します。
私:正直、これまでは「再生可能エネルギーで発電された電気=グリーン電力」くらいの認識でした。でも、“グリーンであること”よりも、“それをどう証明するか”が重要なんですね。
本当にグリーンだと証明するには?世界で広がる「グラニュラー証明」
私:じゃあ、本当にグリーンな電力を使っていることを証明するには、どうすればいいんですか?
澤田:そこで注目されているのが、30分単位で電力を証明する仕組みです。この考え方を推進しているのが、イギリスの非営利団体「EnergyTag」です。従来は月単位で管理されていた発電データを、30分単位で管理しようという取り組みです。
私:30分単位になると、何が変わるんですか?
澤田:「この30分で発電された電力を、この30分で利用した」と証明できるようになります。
ここで重要になるのが、
・いつ発電されたのか
・どこで発電されたのか
という2つの情報です。
つまり、「時間」と「場所」が一致して初めて、本当にグリーンな電力を利用したと言えるようにしよう、という考え方です。発電された時間や場所まで細かく紐づけて証明する仕組みは、「グラニュラー証明(Granular Certificate)」と呼ばれています。
Googleも同様の方向性を支持しており、世界的にも議論が進んでいます。
なぜ実現は難しいのか?制度とインフラの
私:なるほど。でも、30分単位で記録していけば解決できそうな気もします。意外と実現は難しいんでしょうか?
澤田:実は、そこが簡単ではないんです。発電量の計測自体が、人が月に一回確認しているケースもあるんですよ。
私:それだと30分単位の管理は難しそうですね。
澤田:そうなんです。例えば月ごとの発電量は把握できていても、「何時から何時までにどれくらい発電したのか」までは記録されていないケースもあります。
さらに、制度そのものも月単位の証明を前提に作られています。そのため、この課題は技術だけで解決できるものではありません。制度や運用、設備なども含めて見直していく必要があります。今はまさに、その移行期間にある状態ですね。
DP社は何をしているのか?ブロックチェーンで挑む電力証明
私:ここまでお話を聞いていると、電力会社の話に聞こえるのですが、なぜDP社が関わるんでしょうか?
澤田:そこでブロックチェーンの出番なんです。DP社は、ソーラーパネルを保有する電力会社と連携し、30分ごとの発電データを取得しています。そして、そのデータをもとに「いつ・どこで発電された電力なのか」を追跡できる仕組みの構築に取り組んでいます。
そして、
・どこで発電されたのか
・誰が購入したのか
・どこで利用されたのか
という情報をブロックチェーン上に記録します。
中央のサーバーだけで管理すると、理論上はデータを書き換えることもできてしまいます。
一方でブロックチェーンは、改ざんが非常に難しく、誰でも履歴を検証できます。
つまりDP社は、「グリーン電力を証明するための信頼基盤」を作ろうとしているんです。
電力が資産になる?注目されるRWAの可能性
私:ここまでは「電力をどう証明するか」という話でしたが、その先にはどんな可能性があるんでしょうか?
澤田:実は、電力を資産として扱うという考え方もあるんです。電力を証券のように扱うイメージです。発電された電力に紐づく価値をデジタル化し、売買可能な形にする。これが「リアルワールドアセット(RWA)」という考え方です。
現在は不動産や金などでも活用が進められていて、現実世界にある資産をデジタル上で管理・流通させる取り組みが広がっています。
私:電気って使ったら終わり、というイメージだったので少し意外です。
澤田:そうですよね。でも、そこに価値を紐づけて流通させることができるんです。
例えば、「どこで発電されたのか」「いつ発電されたのか」といった情報も含めて価値として扱えるようになります。そうした価値をデジタル化し、取引できるようにすることで、新しい市場や仕組みが生まれる可能性があります。
電力は「消費されるもの」から、「取引される資産」へ。そんな未来の可能性も見えてきています。
【まとめ】
・グリーン電力とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによって発電された電力のこと
・現在は「グリーン電力を利用している」と言えてしまうケースもあり、実態と証明が一致しない「グリーンウォッシュ」が課題となっている
・こうした課題に対し、世界では発電された時間や場所まで含めて証明する「グラニュラー証明」の考え方が広がりつつある
・グリーン電力では、「再生可能エネルギーで発電されたこと」だけでなく、「いつ・どこで発電され、利用されたのか」を証明することが重要になっている
DP社では、ブロックチェーン技術を活用し、こうした電力証明の仕組みづくりに取り組んでいます。今回の記事が、グリーン電力や電力証明、そしてブロックチェーンの新たな活用可能性について知るきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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第3回:【グリーン電力とは?】電力証明の課題とブロックチェーンの可能性をDP社エンジニアが解説!
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