【代表インタビュー】「やり切る」ことが社会貢献に。予防医療の多彩なサービスをプラットフォーム化し、企業と個人のウェルビーイングを実現。
予防医療テック・カンパニーの先駆けとして、企業の健康経営を支援するための多様なサービスを展開している株式会社リンケージ。
予防医療を推進する様々なサービスを通じて従業員一人ひとりの心身の課題を可視化し、必要な医療へつなぐことで、個人のウェルビーイングと組織の生産性向上実現を目指しています。
リンケージ代表取締役社長CEOの生駒 恭明(いこま きよあき)は、2018年に現職となり、怒涛の第二創業期を経て、人生100年時代を見据えた最新テクノロジーサービスの確立に尽力してきました。
社会貢献とビジネスを両立し「社会の幸せの総量を増やす」べく奔走する生駒に、事業のこれから、そしてサービスや一緒に働くメンバーに対する思いを聞きました。
――リンケージに経営者として参画を決めた理由を教えてください。
元々、リンケージの創業者とは2011年の設立当初から付き合いがあり、いくつかプロジェクトを手伝っていました。2015年に留学のため渡米し一度ビジネスの世界を離れましたが、創業者がリンケージの株式を他社に売却したことや、「オンライン禁煙プログラム」がリリースされたというニュースは目にしていました。
その後帰国したところで、創業者から「売却した株を買い戻してもらいたい」と相談を受けました。状況を確認してみると、2017年に政府により「オンライン禁煙外来の限定規制緩和」が発表され、健康保険組合の保険者(運営者)であれば、禁煙外来に関係するすべての診療をオンラインで行えるようになっていたんです。
「オンライン禁煙プログラム」のプロダクトは事業の柱としてすでにありましたから、あとはオンラインで禁煙外来診療ができるという認知が広がれば、導入する企業や健保が増え、積極的に受診する従業員も増えるはずで、事業のさらなる成長が見込めると確信しました。
留学を経て自身のキャリアの方向性を逡巡していたタイミングでもありましたが、オーナーとして事業を成功させることで、これから待ち受ける少子高齢化といった日本が抱える社会課題を解決していきたいという想いが強くなって、創業者から株を買い取り、代表を務めることに決めました。
――「予防医療」を軸に、たくさんのサービス、プロダクトを展開されていますね。
「禁煙サポートサービス」や「オンライン特定保健指導プログラム」、「FEMCLE(フェムクル)」といった「予防医療」に関わるサービス、プロダクトを展開しています。
私たちは「テクノロジーとつながりで健康意識の温度をあげる」をMissionとし、「最後まで、自分らしくある」をVisionに掲げている企業です。
個人の健康、ウェルビーイングはもとより、日本全体を考えると生産と消費を続けられる人口をいかに維持するかが重要で、そのためにも予防医療は社会全体で注力していくべきだという考えです。
しかし、病気が身近ではない人が予防医療に特化したサービスを利用するのはハードルが高く、主にサービスを活用する層は、健康意識が非常に高い一部の人々に限られてしまうという実情がありました。
そのため私たちは、企業や店舗といった「働く場所」を入口に機能するサービス設計に注力し、原則、サービスの受益者は従業員、利用料の負担者は企業や店舗や企業が所属する健康保険組合(※一部従業員負担もあり)というビジネスモデルを確立しています。
そうすることで、健康意識が高い層以外にも予防医療を提供できる仕組みを確立できます。
個人の意識を変えていくことも重要ですが、人々が働くことや社会生活を通じて、自然と予防医療にアクセスできる仕組みを整えることで、より多くの人に健康意識を広められると考えています。
企業の健康経営、予防医療推進においては、意思決定層である管理職が、生活習慣病の予防や女性特有の健康課題、メンタルヘルスの重要性について十分に理解していないという課題を抱えています。
リンケージではそうした課題に対し、各種オンライン診療サービスや「かかりつけ保健師 for LINE」など、時間や場所を選ばずに専門家のサポートを受けられるプロダクト設計にこだわり、アクセスのハードルを徹底的に下げています。
また、企業向けにオンライン診療で獲得した問診データを集積・レポーティングし、改善施策の提案やコンサルティングを行っているほか、従業員向けには症状について学べるテキストや動画コンテンツの制作、専門医による出張セミナーの企画・開催といった取り組みも実施し、好評を得ています。
いくら予防意識を高めたいといっても、健康なときに意識を向けるのは難しいものです。
それでも、少し体調を崩した時や、健康診断の結果が返ってきた時など、年に数回、健康に意識が向くタイミングを捉えて、「将来の幸せのために」企業を経由してリンケージのサービスを活用してもらうという世界が、そう遠くない未来に実現していけると考えています。
加えて、近年はセンシング技術やAIが著しく向上していますが、スマートウォッチで不整脈を検知するといったことだけでなく、今後は血糖や血圧なども検知できるようになっていくのではと思い描いています。
こうした予防医療にまつわるさまざまなサービスが発展し、健康リスクの予測が進めば、人々が常に健康行動を意識せずとも疾患を予防するのも不可能ではなくなるはずです。
ビジネスとテクノロジーに強みを持つリンケージが、予防医療の仕組みから作っていくことで、社会をより良くすることに繋げていけると考えています。
――予防医療や予防意識の向上を推進する上で、抱えている課題や手応えはありますか?
例えば、法人向けに展開している女性ヘルスケアサービス「FEMCLE(フェムクル)」は、女性特有の健康課題を専門家の協力体制のもと解決し、働きやすい組織づくりをサポートするサービスです。
疾患の可能性を可視化してオンラインで医療につなげることで、改善や予防につなげることを目指しています。本質的に今の社会課題に向き合った良いサービスだと思っているのですが、少しずつ商談は増えてきているものの、まだ大きくは広がっていっていないのが現状です。
一方で、生理痛体験装置「ピリオノイド」を使った生理痛体験・研修は、引き合いも多く手応えを感じています。
この二つのサービスの何が違うのかというと、社会全体のリテラシーの差なのではないかと考えます。
こうしたプロダクトは「レセプター(受容体)」を付けるための装置だと思っていて、今までレセプターのなかった男性たちがピリオノイドで生理痛を疑似体験をすることにより、「痛みの感じ方は人それぞれ全く違う」、「こんな現象が毎月女性に起きているのか」と知ることができます。
時代が進み、働く女性は増加しましたが、体の性差はどうしてもあります。そのギャップを知識や経験として埋めていけるのがピリオノイドなんだろうと思いますね。
私たちは大阪大学発のスタートアップ「大阪ヒートクール」が研究開発したこのプロダクトを社会実装するという立ち位置ですが、多くの方に体験いただけている意義は大きいと感じています。
――リンケージならではの「強み」について、教えてください。
禁煙サポートサービスや生理痛体験といったニッチトップのプロダクトを扱う一方で、「オンライン特定保健指導プログラム」といったレッドオーシャンのプロダクトも提供するなど、企業の健康経営を支援する多様なサービスを展開しています。
それらを丸ごとプラットフォームし、縦にプロダクトが立っている状態をここ数年かけて統合していくプロジェクトを進めています。
また近年は、医療機関経営支援事業を進めています。世界でも珍しい心臓の画像診断を専門とするクリニック「CVIC」や、過疎が進む地方の医療法人の経営支援を行っています。
「CVIC」はこれまでに、大学病院や総合病院から保険診療で累計10万人を超える患者様をご紹介いただいた実績があります。心臓MRIによる心臓病リスクの発見は予防行動につながるとともに、働く人の突然死のリスクを減らします。これは、社会全体にとっても非常に重要だと考えています。
過疎地域の医療機関経営支援は、地方医療の崩壊という社会課題に向き合う中で、持続可能な経営体制構築のためのDX支援や、リンケージのサービスを活用し、大都市圏の患者を地方病院が引き受けるビジネスモデルを見据えたものでもあります。この事業の成功が実現すれば、世の中みんながハッピーになると信じています。
このように、予防医療の様々なサービスを持っていて、それらをプラットフォーム化していくためのビジネス感覚や技術力に、リンケージの強みがあると思っています。
――事業の推進や意思決定の際に、大切にしていることはありますか?
事業においては、まず「それが本当に世の中の役に立つのか」というWhyを重視しています。
「社会がやさしくなっていく方向にそのプロダクトって寄与するんだっけ?」という想いはリンケージならではの価値観ですね。そこに並行して、役員やボードメンバーとディスカッションしながら、ビジネスとして成立するか、実現までのスピード感、リスクの最小化といったことも意識しながらジャッジしていきます。
私個人としては、幼少期から続けている「考えることをやめない」ことや、プロフェッショナルファームで培った「絶対にやり切る」という意識が染み付いています。一方で、事業会社となると多様な働き方をする人が集まるため、そのあたりのバランスには苦心してきたかもしれません。
今は、マネジメントは曽根(取締役CTO)や吉田(取締役CPO)といった信頼できるメンバーに任せて、私自身はアライアンスや新しいビジネスの創出、キャッシュフローを生み出すためのプロジェクトに注力しています。
長く投資の世界にいましたが、実際にオーナーとして事業をやっていくと、投資とはまったく違った視点や戦い方が必要だと肌身で感じます。社会で起こることをどう紡いでいって、どう事業を大きくして、どう協力者を増やして……といった「地上戦」の感覚を持ちながら、ここ数年は奮闘しています。
――リンケージが思い描く成功の実現には、何が必要だと思いますか?
経営については力不足を感じることも多々ありましたが、投資家の皆さまやメンバーに支えられながら、今はやっと成長曲線が回復し売上が伸びてきているというフェーズです。
自分たちの価値が世の中に届けられている数だけ社会のハッピーの総量が上がっているということなので、お客様の声を大切にしながら事業と売上をしっかり伸ばしていけるように追求していきます。
リンケージのプロダクトが社会にやさしい存在であるということは、「売れば売るほど社会貢献につながる、だから売っていこう」という、非常にわかりやすい論法を書けると思っています。「迷いなく売上を伸ばせる」ことが、私がヘルスケアにコミットしている理由であり、走り続けるための原動力です。
ヘルスケア事業会社が目指すべき最終ゴールは「適切な治療や予防によって病気にならない人、健康な人を増やす」ことだと私は考えます。
事業の売上が上がれば社会全体も幸せになるという「循環」を理解し、社会の幸福度を上げるために自分は何ができるのかを真剣に考え、「貪欲に売り上げていこう」という気概を持つことが必要不可欠だと考えています。
リンケージのカルチャーコードのValueに「Extreme Ownership(究極の責任感・仕事をやりぬく)」というものがあります。
これらを当たり前だと考えて、社会課題の解決にもビジネスにもまっすぐに向き合っていきたい。そんな私たちの姿勢に共感いただけたら、ぜひ応募いただきたいと思います。