「三方よし」という言葉を、一度は聞いたことがあると思います。
「売り手よし、買い手よし、世間よし」。
商売をする上で、関わる人たちみんなが良くなることを目指す考え方です。
PQDにも、それに近い考え方があります。
ただ、私たちが掲げているのは「三方よし」ではありません。
「四方よし」です。
なぜ、あえて一方増やしているのか。
そこには、私自身が創業当初に清掃現場に立っていた経験があります。
宿泊施設の最後の品質をつくっているのは、現場の人たち
PQDを始めた当初、私自身も客室清掃をしていました。
今だから言えますが、本当にいろいろな部屋がありました。
「これはちょっと目を背けたいな」と思うような状態の部屋もありましたし、
「どうやったらこんな使い方になるんだろう」と驚くこともありました。
それでも、次のゲストが来る時間は決まっています。
限られた時間の中でゴミを片付け、ベッドを整え、水回りを磨き、アメニティを補充し、もう一度誰かを迎えられる部屋に仕上げる。
自分でその仕事を経験したからこそ、強く感じたことがあります。
宿泊施設において、清掃は間違いなく最も重要な仕事の一つだということです。
どれだけ素晴らしい建物をつくっても、
どれだけマーケティングを頑張って予約を獲得しても、
最後に部屋がきれいでなければ、ゲストの満足にはつながりません。
逆に、清掃が行き届いた部屋に入った瞬間の気持ちよさは、
その宿泊施設そのものの印象を変えてくれます。
レストランで言えば、清掃スタッフは「コックさん」
私はよく、宿泊施設の清掃をレストランに例えます。
レストランでは、お客様から注文が入ると、厨房のコックさんが料理をつくります。
宿泊施設も同じです。
予約が入り、ゲストがチェックインする。
そのために客室という「商品」を最後に仕上げているのが、清掃スタッフです。
つまり私にとって、清掃スタッフは宿泊施設における「コックさん」なんです。
料理人がいなければレストランが成り立たないのと同じように、
清掃する人がいなければ宿泊施設は一日たりとも営業できません。
ところが世の中では、清掃という仕事がどこか裏方のように扱われたり、
場合によっては下に見られてしまったりすることがあります。
私は、それがずっと嫌でした。
自分自身が現場を経験しているからこそ、
創業当初から清掃スタッフの方々に対して強いリスペクトがあります。
この人たちがいなければ、PQDの事業は成り立たない。
その存在を会社が大きくなっても絶対に忘れたくない。
それが、PQDの「四方よし」の原点です。
PQDが考える「四方」とは何か
PQDが大切にしている四方は、次の4つです。
一方目は、PQD。
会社として適正な利益を出し、成長し続けること。
利益がなければ人を雇うことも、新しい挑戦をすることも、サービスを改善することもできません。
二方目は、オーナー様。
宿泊施設に投資するということは、大きな資金を投じ、リスクを取るということです。
その勇気に対して、私たちは運営という仕事を通じて、できる限り成果で応えなければならないと思っています。
三方目は、ゲスト。
せっかく時間とお金を使って旅行に来てくれた方に、「ここに泊まってよかった」と思ってもらえる宿泊体験を提供する。
これも当然、大切な責任です。
そして、四方目が現場を支えてくれている人たちです。
その中心にいるのが、清掃スタッフです。
ただし、今のPQDにとって「四方目」は清掃スタッフだけではありません。
リネンサプライ会社、アメニティ会社、ゴミ回収業者、OTAをはじめとする予約サイト、設備やメンテナンスに携わる方々。
そして、宿泊施設が存在する地域や、そこで暮らしている近隣住民の方々。
宿泊施設は、PQDだけでは絶対につくれません。
本当に多くの人の仕事の上に成り立っています。
だからこそ四方目には、宿泊施設を一緒につくり、
支えてくださっているすべての人への感謝とリスペクトを込めています。
なぜ「全方位よし」ではなく「四方よし」なのか
「それなら『全方位よし』でもいいのでは?」
そう思う人もいるかもしれません。
でも、私はあえて「四方よし」と言いたいと思っています。
なぜなら、
「四方って誰なんだろう?」
と一度考えてほしいからです。
「関係者全員を大事にしましょう」と言ってしまえば、
きれいな言葉として簡単に流れてしまいます。
でも、「四方目は誰なのか?」と考えれば、そこにいる一人ひとりの顔が見えてきます。
今日この部屋を仕上げてくれた清掃スタッフ。
シーツやタオルを届けてくれた人。
ゴミを回収してくれた人。
施設の近くで生活している人。
そうした存在を、具体的に想像できる会社でありたいと思っています。
「四方よし」は、きれいごとだけでは実現できない
もちろん、四方よしを掲げるだけなら簡単です。
実現するのは、とても難しい。
PQDが利益を出す。
オーナー様にも十分なリターンを出す。
ゲストにも満足してもらう。
そして現場で働く人にも、責任や仕事に見合った適正な対価が支払われ、
誇りや楽しさを持って働き続けてもらう。
どれか一つだけを良くすればいいわけではありません。
だからこそ、受け身では絶対に実現できない考え方だと思っています。
現場の人が「この仕事をやっていてよかった」と思える会社にしたい
特に私が大切にしたいのは、清掃をはじめとする現場の方々が、
「この仕事をやっていてよかった」
と思える環境をつくることです。
清掃は決して簡単な仕事ではありません。
時間との戦いもあります。
夏は暑い。
想像以上に汚れている部屋もある。
それでも、次に泊まる人のために一部屋ずつ仕上げていく。
そこには、もっと誇りを持っていいと思っています。
私たち運営会社も、その仕事に甘えてはいけません。
現場に無理を押し付けて、自分たちだけが利益を残すような会社にはなりたくない。
責任に見合った対価を支払い、働きやすい仕組みをつくり、
現場の声を聞き、一緒に良い宿泊施設をつくっていく。
PQDが大きくなればなるほど、この原点を大切にしたいと思っています。
地域社会もまた、宿泊施設を支える大切な存在
民泊や宿泊施設を運営していると、避けて通れないのが近隣との関係です。
時には厳しいご意見をいただくこともあります。
「宿泊施設をやめてほしい」と言われることもあります。
事業を行う以上、すべての摩擦をゼロにすることは簡単ではありません。
だからといって、近隣の方々の声を無視していいわけではありません。
大切なのは、問題が起きたときにどう向き合うかだと思っています。
そこで生活している方々の安心を守る。
一方で、価値のある宿泊体験をつくり、人を呼び、
地域にも経済的な価値を生み出していく。
その両方を成立させる努力を続ける。
問題が起きれば改善する。
できる限りの対策を講じる。
そして、近隣への迷惑を少しでも減らしていく。
それがPQDとしての誠実さだと考えています。
四方すべてが豊かになる宿泊施設をつくる
PQDが目指している「四方よし」は、簡単に完成するものではありません。
むしろ、永遠に追求し続けるものだと思っています。
会社が成長すれば、関わる人も増えていきます。
施設が増えれば、新しい課題も生まれます。
それでも、忘れたくない原点があります。
宿泊施設は、現場で働く人たちの力がなければ成り立たない。
私自身、創業当初に清掃をしていたからこそ、それを身をもって知っています。
PQDだけが良ければいいわけではない。
オーナー様だけでもない。
ゲストだけでもない。
そして、現場の人だけでもない。
PQD、オーナー様、ゲスト、そして現場や地域を支えてくれる人たち。
四方すべてが豊かになって初めて、長く続く宿泊施設になる。
その状態を本気でつくること。
それが、PQDの掲げる「四方よし」です。
これからPQDがどれだけ大きくなったとしても、
客室を一部屋ずつ仕上げてくれている人への感謝を忘れない会社でありたい。
そして、清掃をはじめ宿泊の現場で働く人たちが、
「PQDと一緒に仕事をしていてよかった」
と思える会社であり続けたいと思っています。