【代表インタビュー】感情の振れ幅は、才能だ。AI時代を勝ち抜くための「熱量」の正体<後編> | 株式会社インスパイア
前編では、松山代表の「本質を問い続ける」原点と、創業期の挫折を経て辿り着いた「顧客満足への執念」をお伝えしました。後編では、インスパイアの「現在」と「未来」についてお届けします。盤石な基盤を持つ...
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「感情の振れ幅が大きい人こそが主役になれる」
そんな熱いメッセージを掲げる株式会社インスパイア。代表の松山は、社員から「判断が音速」「鉄人」「本質を見抜く人」と評される強烈なリーダーシップを持つ人物です。
しかしその原点は、決して順風満帆なエリート街道ではなく、「自分のエネルギーをどこにぶつければいいのか」を模索し続けた学生時代にありました。
本記事では、松山代表のルーツから創業の経緯、そしてインスパイアが大切にしている「仕事の流儀」について迫ります。
――まずは、松山社長の学生時代について教えてください。どんな学生だったのでしょうか。
高校時代はサッカー部に所属していましたが、監督にとっては少し「扱いにくい学生」だったかもしれません。というのも、練習メニューや試合の采配に対して、「これにはどういう意味があるんですか?」「問題の根本的な解決策として合っているんですか?」と、本質を問うような議論を吹っかけていました。
これは私の特性で、物事の表面だけを見るのではなく、本質はどこにあるのかを常に疑い、追求したくなるんです。当時から、納得できないことには動けない、逆に納得すれば誰よりも熱量を持って取り組む、そんな「批判性(クリティカルシンキング)」を持った学生でした。
――「本質を問う性格」は、大学生活でも発揮されたのでしょうか?
そうですね。おかげで自分のエネルギーを中途半端に消費せずに済みました。
サッカー選手になる道には区切りをつけ、その分のエネルギーを「社会に出てからどう爆発させるか」に注いでいました。正直なところ、私は学生時代のアルバイトなどの枠にはあまりハマらなかったんです。
ただ、「人一倍働く気はあるのに、なぜうまくいかないんだ」という悔しさは常にありました。だからこそ、就職して社会人になったら「絶対に結果を出してやる」という強い野心を抱えていましたね。
――その後、新卒で光通信に入社されます。なぜその会社を選んだのですか?
大学のゼミの先生に内定を報告したときのことです。内定をいただいた会社に入社する旨を伝えたところ、「やめとけ、とにかくブラックだぞ」と猛反対されました。しかし、その言葉が逆に私の着火剤になったんです。
学生時代の私は、中途半端な環境では燃え尽きることができませんでした。高校の部活でも、「もっと死ぬほど走らせてくれ、もっと追い込んでくれれば全国に行けたかもしれないのに」という不完全燃焼感がありました。そのため、「厳しい環境」「数字がすべて」と言われる場所なら、自分の中に溜め込んだエネルギーを解放し、死ぬほど追い込んで才能を開花させてくれるのではないか、と思ったんです。
――実際に入社してみて、いかがでしたか?
想像通りの世界でした。「今日中に結果が出るまで帰れない」と、夜遅くまでテレアポを続けることもありました。普通なら「辛い」と感じる場面かもしれませんが、私にとってはそれが嬉しかったんです。口先だけでなく、本気で数字を追い、ビジネスに向き合っている会社だと感じられたからですね。徹底的にやれる環境があることに、有り難みを感じていました。
――厳しい環境の中で、どのように頭角を現していったのでしょうか?
入社して最初の2年くらいは、上司の指示通りに動いていました。しかし、それだけでは突き抜けた数字が出ないことに気づいたんです。上司は絶対的な存在でしたが、あるとき「言われた通りにやって結果が出ないなら、やり方を変えるしかない」と腹を括りました。
例えば、無駄な夜の残業を切り上げてチームで食事に行ってリフレッシュしたり、効率の悪い架電リストを見直したり。良い意味で上司の顔色をうかがうのをやめ、「結果を出すための最短ルート」を自分で考えて実行し始めました。
「なぜ売れないのか」「本質的な課題は何か」を追求する私の性格が、ビジネスの現場では「成果への執着」として機能したのだと思います。結果として、入社6年目には130名の組織を任され、子会社の社長としてビジネス全般を手掛けるまでになりました。
――順風満帆なキャリアに見えますが、なぜ独立を選んだのでしょうか。
会社が目指す方向性と、自分のやりたいことの間に致命的なズレが生じたからです。当時、親会社の方針は特定の領域に集中することでした。しかし、私が手掛けていたのは全く違う領域のソリューション事業。どれだけ売上や利益目標を達成しても、「その事業は求めていない」と言われてしまう。
会社の枠組みの中でうまく立ち回る、優秀なサラリーマンにはなれないと悟った瞬間、レールを降りる決意をしました。転職も考えましたが、また同じことの繰り返しになると思い、5秒後には「起業しよう」と決めていましたね。
――創業当初はどのようなスタートだったのでしょうか?
前職のノウハウを活かして、コピー機のリース販売から始めました。しかし、ただ前職と同じことをやって小銭を稼ぐだけの事業には、何の独自性もありませんでした。みるみるうちに資金は底をつき、1,200万円あった資本金があっという間に残り数百万円まで減ってしまったんです。
――それは相当な焦りがあったのではないでしょうか?
いえ、実は「どうも思っていなかった」というのが正直なところです。落ち込むというよりは、「コストが高すぎるからオフィスを移転しよう」「事業を変えよう」と、淡々と次の手を考えていました。
そこで、ここなら新しい旗を立てられるかもしれないと直感し、現在のWeb・IT事業へと大きく舵を切ることにしたんです。前職の延長線上ではなく、未知の領域で勝負する。それが功を奏し、会社はなんとか軌道に乗りました。
――順調に回復したのですね。
そうですね。しかし、本当の壁はその後に来ました。創業から数年経過し、資金繰りの危機を脱したとき、急に虚無感に襲われたんです。「なんで会社を経営しているんだっけ?」と。
食うには困らない。でも、そこには熱狂がない。そのとき初めて「稼ぐ手段」ではなく「成し遂げたいビジョン」が自分に欠けていることに気づきました。それから経営者勉強会などで学び直し、「自分たちが提供する価値で、お客様を感動させること」こそが目的だと腹落ちしたんです。インスパイアが掲げる「顧客感動」という理念は、実はどん底の時ではなく、安定の中で生まれた第2の創業だったんです。
――現在のインスパイアの強みや、仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
最大の特徴は、「顧客満足度」への徹底したこだわりです。営業会社の中には、とにかく「量」を売ることが正義で、顧客のフォローが後回しになってしまうケースも少なくありません。しかし、私は「売って終わり」ではなく、「お客様に感動してもらうこと」こそがビジネスの本質だと考えたのです。
私たちはお客様の成功を命綱と考え、高い目標を掲げながらも、顧客のためにあらゆる手を尽くしてやり切る。「感情の振れ幅」を大切にするのも、それがお客様の心に寄り添い、心を動かすための原動力になるからです。この熱量こそが、AIには真似できない私たちの最大の武器となっています。
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「納得できないことはやらない」。その誠実さと内に秘めたマグマのような熱量が、現在のインスパイアの「顧客満足度への執念」に繋がっていることがお分かりいただけたかと思います。
しかし、インスパイアの挑戦はここで終わりではありません。後編では、現在まさに泥臭く立ち上げている「AI事業のリアル」や、松山代表が求める「腹を括れる仲間」について深掘りします。
綺麗事だけではない、「昨日の決定が今日変わる」ようなカオスな環境で、インスパイアはどう戦おうとしているのか?次回も、飾らない言葉で語られるインスパイアの“現在地”をお届けします。お楽しみに!