はじめまして。そうでない方もはじめまして。
2025年4月に新卒として入社いたしました齋藤と申します。現在は、事業再生アドバイザリーチームに所属しております。
私は理工学部に在籍し芸術表現の研究を行っていた、社内ではやや珍しい理系出身の新卒社員です。
目次
地方創生とものづくりに打ち込んだ学生時代
私が事業再生コンサルを選んだ理由
現在の業務と、理系のバックグラウンドが活きる瞬間
プレッシャーの中で、少しずつ成長を実感
地方や中小企業に関わる仕事に関心のある方へ
地方創生とものづくりに打ち込んだ学生時代
私の大学生活は、新型コロナウイルスの流行とともに幕を開けました。キャンパスに通うことができず、多くの活動が制限されるなかで、「オンラインでも、地元に貢献できることはないか」と考え、地元である埼玉県で活動する地方創生サークルに参加したことが一つの転機となりました。
同サークルでは、「農業を起点とした地方創生」を掲げ、JA職員の方々と協働しながら農産物直売所のマーケティングに取り組みました。地元出身・在住という立場を活かし、他の学生に代わって何度もJAや生産者の方々のもとへ足を運び、学生と地域の方々との橋渡し役を担っていました。
大学3年次には、サークルで出会った先輩が山形県で起業したことをきっかけに、数か月間山形に移住しました。住み込みでカフェ兼ゲストハウスの運営に携わり、新メニューの開発やイベント企画を担当していました。
一方で、キャンパスでは陶芸サークルに所属していました。往復6時間の長距離通学に苦労しながらも、電車内でオンデマンド講義の受講や課題に取り組むことで時間を捻出し、活動を継続していました。卒業制作に向けては、ほぼ毎月佐賀県の陶芸家のもとを訪れ、本物の唐津焼と向き合う時間を重ねることで、自らの表現を深めていきました。
埼玉・山形・佐賀と、都市部から少し距離のある場所で暮らし、そこで働く人々の生き方や価値観に触れるなかで、地方が持つ魅力と同時に、深刻な課題も見えてくるようになりました。
若い世代の人口減少に伴い、仕事や生活の選択肢が限られていく現実の中で、「このままでは、自分が好きになった場所が、確実に失われていく」という危機感を覚えるようになりました。中山間地域での暮らしを通じて、地域の消滅が決して抽象的な話ではなく、現実味をもって迫っていることを肌で感じるようになったのです。
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地元の名産、カリフラワーと私。
私が事業再生コンサルを選んだ理由
地域の消滅を完全に避けることは難しいかもしれません。しかし、そのスピードを少しでも緩やかにしたい。地方が抱える多面的な課題の解決に関わりたい。そう考えるようになったときに出会ったのが、「事業再生コンサルティング」という選択肢でした。
説明会や面接の場で特に印象に残っているのは、
「クライアント企業の従業員は数十人規模であっても、その家族や取引先まで含めると、数百人規模の人生を背負うことになる」という言葉です。
一社の事業を存続させることは、その企業が存在する地域に暮らす多くの人の日常を守ることにつながります。そのスケール感と責任の重さに、大きな魅力を感じました。
また、LBPの案件は北海道から沖縄まで日本全国に広がっており、通常の観光ではなかなか訪れる機会のない土地にも出向くことがあります。大学時代から、知名度の高くない地域に足を運び、その土地の文化や人々の暮らしに触れることが好きだった私にとって、「日本各地のローカルな現場に身を置きながら、地域と向き合える」という点は、非常に魅力的でした。
社員との交流会でこれまで訪れた地域の話をした際、社員の方々がその地名を知っており、地域の特産物などの会話が盛り上がったことも、「ここなら自分の原体験を活かして働ける」という確信につながりました。
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初出張での1枚。デビューは松江と米子です。
現在の業務と、理系のバックグラウンドが活きる瞬間
現在は、財務デューデリジェンスや事業デューデリジェンスの作成、将来数値予測のサポートといった業務を主に担当しています。対象企業の役員の方々と議論を重ねながら、会社の現状を多面的に把握し、再生に向けたシナリオをともに構築していく仕事です。
入社後に感じたギャップは、「理系の知識やスキルが想像以上に活きている」という点でした。売上や仕入内容など、取得可能なデータはできる限り収集して分析を行いますが、中小企業において整然としたデータが蓄積されているケースは多くありません。手打ちで入力された表記揺れの多いExcelファイルや、紙ベースの手書き資料などから情報を読み解くことも少なくありません。まずはそれらを「分析可能な形」に整えるところから業務が始まります。
このデータを整形するプロセスに、大学で学んだプログラミング、機械学習、データベースに関する知識が役立っています。どこで数値がずれているのか、どの粒度・組み合わせで集計すれば意味のある示唆が得られるのか。エラーや不整合の原因を一つひとつ潰していきながら、分析の土台となるデータを構築していく作業は、まさに理系的な思考そのものです。
今ではむしろ、「理系出身で良かった」「自分の強みを活かせている」と感じながら、日々の業務に向き合えています。
プレッシャーの中で、少しずつ成長を実感
正直なところ、まだ「これは本当に辛かった」と言い切るような出来事は経験していません。しかし、常に一定の不安やプレッシャーを感じながら仕事をしているのも事実です。
財務デューデリジェンスでは、企業が作成した決算書に誤りや不整合がないかを調査します。この資料は金融機関の意思決定にも用いられる重要なものであり、見落としや計算ミスは許されません。「本当に抜け漏れはないだろうか」と、何度もチェックを重ねても不安になることがあります。
そのような中で、自分が中心となって作成した財務デューデリジェンスについて、上司から「丁寧な仕事ぶりだった」と評価してもらえたことは、大きな励みになりました。事業分析の場面でも、自分が整えたデータベースや、読みやすさを意識して構成した資料が評価された経験は、自己効力感につながっています。
プレッシャーが完全になくなることはありませんが、その中で一つひとつの業務に丁寧に向き合い、「自分にできること」が少しずつ増えていく手応えがあります。その積み重ねこそが、日々の成長実感につながっているのだと思います。
地方や中小企業に関わる仕事に関心のある方へ
事業再生コンサルティングは、数字と向き合う仕事であると同時に、その数字の先にいる「そこで暮らす人々の生活」と向き合う仕事でもあります。
理系・文系の区別にかかわらず、地方や中小企業のリアルな実態に触れながら、誰かの役に立ちたいと考えている方にとって、非常にやりがいのあるフィールドだと感じています。
私自身、まだまだ学びの途上ではありますが、一つひとつの現場に真摯に向き合いながら、地域や企業の未来に少しでも貢献していきたいと考えております。
こうした現場に、いつか一緒に関わっていくことができれば、とても嬉しく思います。
LBPでは新卒採用を積極的に行っています。
興味を持っていただいた方は、下記リンクからご連絡ください。