今回のGiGOOO ROUND TABLEのテーマは、
「インフラエンジニアのAI活用術」
これまで開発やQA領域におけるAI活用について議論してきましたが、今回はインフラ領域にフォーカスし、CopilotやGeminiなどを、
- 業務のどこで使っているのか
- どんな使い方が役立っているのか
- AIを使ううえで何に気をつけているのか
- 今後、インフラエンジニアの仕事はどう変わるのか
など、実際の現場での活用事例をもとに意見を共有しました🙌
インフラでは「壁打ち相手」としてAIを活用
今回、多くのメンバーに共通していたのが、
「分からないことをAIに相談する」
という使い方でした。
例えば、
- 初めて触るAWSの機能を分かりやすく説明してもらう
- Terraformのリファクタリングについて相談する
- シェルスクリプトの土台を作ってもらう
- 自分の認識が合っているか確認する
など。
すべてをAIに任せるのではなく、
自分の考えを整理したり、最初の土台を作ったりする相手
として活用しているケースが多く見られました。
特にTerraformのリファクタリングでは、いきなり完成形を求めるのではなく、
「まず構成のイメージを伝える」
↓
「AIに土台を作ってもらう」
↓
「イメージとのズレを修正する」
と、少しずつ形を整えていく方法も共有されました。
📝このパートの要点
AIに「完成品」を求めるのではなく、
壁打ちや土台作りに活用することで、考えるスピードを上げる。
スクリーンショットを使えば、質問もさらに効率的に
AIへの質問方法として紹介されたのが、スクリーンショットの活用です。
設定画面について質問したいとき、文章ですべて説明するのではなく、
画面をそのままAIに共有。
すると、
「どの画面について質問しているのか」
「どのバージョン・仕様なのか」
まで含めてAIが読み取ってくれることがあります。
文章で細かく状況を説明するよりも、スムーズに意図を伝えられるのがメリットです。
一方で、現場によってはAIに入力してよい情報の範囲が明確ではないケースもあります。
便利だからこそ、
「この情報をAIに渡して問題ないのか?」を判断することも欠かせません。
📝このパートの要点
画像を活用すれば、AIとのやり取りを効率化できる。
ただし、現場のルールや情報管理を守ることが大前提。
AIの回答を、そのまま正解にしない
今回の議論では、AIのハルシネーションについても話題になりました。
例えば、調査でAIを活用する際には、
- 情報の出典やURLも一緒に出してもらう
- 元の情報まで確認する
- 複数のAIに同じ質問をする
- 回答に一貫性があるか比較する
といった工夫が紹介されました。
AIがそれらしい回答を出していても、それが正しいとは限りません。
だからこそ、
「AIが作った情報を、人間が検証する」
ことが重要になります。
📝このパートの要点
AIは調査や情報整理を高速化してくれる。
しかし、最終的な確認・判断は人間が行う。
設計書・ログ解析にも広がるAI活用
インフラ領域では、今後さらにAI活用が広がりそうな事例も共有されました。
例えば、膨大な設計書。
すべてを人間が一から読むのではなく、AIに読み込ませて、
「この情報はどこに書いてある?」
「この設定はどうなっている?」
と質問することで、必要な情報へ素早くたどり着けます。
また運用保守では、障害発生時のログ解析にAIを使うケースも。
さらに、AIが情報を読み込みやすくなるよう、
Excelなどで作っていた手順書をMarkdown化し、Git上で管理する
という取り組みも紹介されました。
つまり今後は、
「AIを使う」だけでなく、「AIが使いやすい形で情報を残す」
ことも重要になっていくのかもしれません。
📝このパートの要点
AI活用は、質問するだけではない。
設計書・ログ・手順書など、インフラ業務そのものがAI前提に変わり始めている。
インフラエンジニアの仕事はどう変わる?
最後は、
「AIによって、インフラエンジニアの仕事は今後どう変わるのか?」
というテーマへ。
構成図のたたき台を作る、障害調査をサポートする、設計書を読み解くなど、これまで人間が時間をかけていた作業は、さらに効率化されていく可能性があります。
一方で、
- クリティカルな意思決定
- AIが出した結果の判断
- 現場ごとの状況に合わせた対応
- オンプレミス環境での物理的な作業
など、人間が担う部分も残ります。
AIに仕事を奪われるというより、
「AIに任せる部分」と「人間が判断する部分」が分かれていく
と考えた方が近いのかもしれません。
📝このパートの要点
定型的な作業はAIに任せられるようになる一方、
判断・責任・現場対応には、引き続き人間の力が必要。
インフラエンジニアにとって、AIは「考えるための相棒」へ
今回のラウンドテーブルを通して印象的だったのは、
インフラ領域では、AIを「全部やってもらうもの」ではなく、
「一緒に考える相手」として使っている
ということでした。
分からない技術を理解する。
構成を考える。
コードの土台を作る。
ログや設計書から必要な情報を探す。
こうした場面でAIを活用することで、
人間はより重要な「判断」に時間を使えるようになります。
そして今後は、AIそのものを使うことが特別ではなく、
当たり前の業務環境になっていくのかもしれません。
だからこそ大切なのは、
「どのAIを使うか」だけではなく、
「AIを使って、何を実現したいのか」
を考えること。
今回のラウンドテーブルは、インフラエンジニアとAIのこれからを考える時間となりました🙌✨