株式会社Codence代表の西野です。「SIerとSES、どっちに行くべきですか?」──転職相談で最も多い質問の一つです。IT業界に入るとき、あるいはキャリアの方向転換を考えるとき、この2つの選択肢で悩むエンジニアは非常に多い。
SES企業を経営し、かつ受託開発も手掛ける立場から、SIerとSESの違いをキャリア・年収・成長の3つの観点で比較します。どちらが「正解」かは一概に言えませんが、判断材料を提供することはできます。
そもそもSIerとSESは何が違うのか
SIer(System Integrator)は、クライアントのシステム開発プロジェクトを「請負」で受注する企業です。プロジェクトの成果物(納品物)に対して責任を持ち、設計から開発、テスト、運用まで一貫して担当します。
SES(System Engineering Service)は、エンジニアの「技術力」をクライアントに提供するサービスです。エンジニアがクライアント先に常駐し、クライアントのチームの一員として働きます。契約は「準委任」が基本で、成果物ではなく「労働時間」に対して対価が支払われます。
この違いが、キャリア・年収・成長のすべてに影響を与えます。
キャリアの観点:一貫性 vs 多様性
SIerのキャリア:SIerでは、一つのプロジェクトに長期間(1年〜数年)携わることが一般的です。要件定義から運用まで一貫して関われるため、プロジェクト全体の流れを体験できます。上流工程の経験が積みやすく、PM(プロジェクトマネージャー)へのキャリアパスが明確。
SESのキャリア:SESでは、半年〜1年のスパンで複数のクライアント、業界、技術スタックを経験できます。多様な現場を知ることで「適応力」が磨かれ、自分に合った領域を見つけやすい。ただし、キャリアの一貫性を自分で作る努力が必要。
私の見解:キャリアの「深さ」を重視するならSIer、「幅」を重視するならSES。ただし、SESでも案件選定を戦略的に行えば、深さと幅の両方を手に入れることは可能です。Codenceでは、エンジニアのキャリアビジョンに合わせた案件選定を行い、SESの「幅」のメリットを活かしながら「深さ」も確保する設計を心がけています。
年収の観点:安定性 vs 流動性
SIerの年収:大手SIerの年収は、経験3年で400〜500万円、5年で500〜650万円、10年で600〜800万円が一般的です。年功序列の要素が強く、安定的に上がる傾向。ただし、上限も見えやすい。
SESの年収:SESの年収は、「単価×還元率」で決まります。スキルと案件次第で短期間に大きく上がる可能性がある一方、会社の還元率が低ければ、どれだけ高単価の案件に入っても手取りは増えません。
私の見解:安定性を重視するならSIer、上昇スピードを重視するならSES。ただし、SESの場合は「還元率の高い会社」を選ぶことが前提条件です。Codenceでは、エンジニアへの還元率を業界平均より高く設定し、スキルアップが年収に直結する仕組みを作っています。
成長の観点:体系的学習 vs 実践的学習
SIerの成長:大手SIerでは、研修制度や資格取得支援が充実していることが多い。社内の技術ナレッジも蓄積されており、体系的に学べる環境がある。反面、特定の技術やプロセスに固定されがちで、外の世界を知る機会が限られる。
SESの成長:SESの成長は「現場で学ぶ」スタイル。複数のクライアント先で、異なる技術スタック、開発手法、チーム文化に触れることで、実践的なスキルが身につく。反面、体系的な研修の機会は会社によって大きく差がある。
私の見解:「教えてもらう」環境を求めるならSIer、「自分で学ぶ」環境を求めるならSES。ただし、SES企業の中にもスキルアップ支援に力を入れている会社はあります。Codenceでは、1on1でのキャリア相談、技術共有会、AI活用の実践など、SESの実践的学習を補完する仕組みを用意しています。
「第三の選択肢」としてのCodece
SIerとSESの二者択一で悩む必要はないかもしれません。私たちCodenceは、SES事業と受託開発事業の両方を手掛けることで、「SIerの良さ」と「SESの良さ」を一つの会社で実現しています。
SESで多様な現場を経験し、適応力とクライアントワーク力を磨く。受託開発で上流工程の経験を積み、設計力と提案力を鍛える。この2つのキャリアパスを、転職せずに同じ会社の中で切り替えられる──これが、SIerでもSESでもない「第三の選択肢」としてのCodenceの提案です。
SIerとSESのどちらに行くべきか迷っているなら、まずは話を聞きに来てください。あなたのキャリアの目標に合った最適なパスを、一緒に考えましょう。