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とにかく設計が好き。コンサルティングの難しさをブレイクスルーできたのは「設計の考え方を正確に伝えたい」と思えたから。

大手メーカーで23年間に渡りポータブル機器の設計者として活躍後、「もっとたくさんの設計に携わりたい」という、設計への熱い思いからO2に入社。

とにかく現場が好き、「現場に仕事がある」という鷹啄さんは、前職でも他に類を見ない現場主義だったとか。O2では設計をキーワードに開発プロセスの改革や、製造に関わる人材育成を得意とするコンサルタントとして活躍されています。

航空機の設計から、世界最小最薄の設計へ。

――まずは鷹啄さんの設計者人生を紐解かせてください

前職はソニーという大手メーカーでした。社会人1年目から設計に携わってきたので、かれこれ28年ですね。学生時代は航空機の機体設計を学んでいたので、航空関連の企業に就職する人が多かったのですが、航空機系の製造業は愛知県や岐阜県に集中しています。今だから言えますが(笑)、私は東京に居たかったので、東京で設計ができる企業という理由と高校生の頃に創業者の井深大さんとの出会いもあり、ソニーに入社しました。

入社後はポータブルラジオの設計を行っていましたが、その後、PDA(携帯情報端)、PSP(プレイステーション・ポータブル)と、小型商品の設計に携わりました。

――航空機からポータブル機器の設計! 振り幅が大きいですね。どんな若手時代でしたか

そうですね。航空機は金属、ポータブル機器は樹脂ですから素材もサイズも全く違います。ただ、対象は違っても、“先ずはやってみる” “現場で学びながら自分のものにしていく” というチャレンジ精神はひと一倍だったので、世界最薄最軽量の実績も残せましたし、そういう姿を見てくれる人が周りいたので、社内で声をかけてもらい様々な商品の設計に携われました。入社13年目で参画した設計改革プロジェクトもその一つです。

周りからは、設計者として脂が乗っている時期に現場を離れるのはもったいない!と言われましたが、2年間の期間限定プロジェクトなので、いずれ現場に戻れることは分かっていましたし、全社目線で見渡して設計を良くしていける、またとない機会と考え迷わず参画しました。

紆余曲折はありましたが、設計の現場社員が役員陣にプレゼンテーションするという貴重な経験も出来ました。その当時、上司や役員によく言われていたのは「お前は情熱だけはひと一倍だな!」でした。

もっと、たくさん設計がしたい。設計に携わる人に経験を伝えたい。

――前職ではさまざまな経験をされていますが、なぜ転職を考えたのですか

たしかに、他の社員とは違った経験が出来ましたし、いろいろと試してきました。例えば前出のプロジェクトで社内ポータルを企画した時は、当時日本に入ってきたばかりのイントラ版Google検索エンジンを導入にしました。とにかく開発志向が強いので、新しいものを試してみたいという気持ちで動いていましたね。

一方で、社内では他の社員よりも稀有な経験をさせてもらっていたものの、もっとたくさん設計がやりたいという気持ちが常にありました。特に大手メーカーに居ると、ある程度決まった時間軸・商品群の中で開発を行うので、会社員生活で設計できる数というのは決まっています。

部下の指導も経験し、設計のノウハウを伝えられているという自負もあったので、自分の経験と設計開発のやり方をより多くの設計従事者に伝えて行きながら、設計の現場に携わっていきたい、これが次にやるべきことじゃないかと考えたのです。

とは言え、O2に入社を考えた当時は製造業向けコンサルティングの仕事を明確には理解していませんでした。ただ、創業者の松本(現:代表取締役会長CEO)と知り合いだったこともあり、O2のビジョンが自分の考えに近い事は認識していたので、 転職するならO2と決めていました。

――技術者からコンサルタント。職種も環境も違う中で、どのようにコンサルティングを行って来たのですか

今でこそ、コンサルタントに必要なのは「傾聴力」と「対応力」と思えていますが、最初はお客様に気付かされ、教えていただくことの連続でした。

忘れもしない実話ですが、とある企業様とセッションをさせていただいた際に、アップルコンピュータを例に出したことがありました。しかし、お客様からすると商材・顧客・規模、何から何まで違うグローバル企業の話を出されても、ピンと来ない。私が伝えたかったことが伝わっていなかったのです。

この時、コンサルティングは自分の知っている世界だけで語ってはダメだと気づかされました。

自分の世界で話を進めない、自分のことは置いておく。

そして、お客様がどんな気持ちでコンサルティングを頼んでくれているのかを考え、何を話したいのかを知り、とにかく傾聴することを肝に銘じました。たぶんこの問題は、私以外のO2コンサルタントも通っている道だと思います(笑)

O2のコンサルタントは元技術者が多いので、最初は自分の経験と技術を活かして、課題を抱えている企業様のコンサルティングを行うんだ、と意気込みます。しかも中途入社なので過去の経験を買われて入社しているので、即戦力を期待されていると思いますよね。だから、なおさら自分の経験を・・!となる。で、お客様とのセションを通して自分の世界がすべてではない、と気付く。

ほとんどの技術者は新しい事を知りたい人種だから “どうやれば出来るのか?”を考えるのが好きなので、実験を繰り返しながら乗り越えられるんです。

――他にもコンサルタントとして大切にしていることはありますか

コンサルタントは “お客様がやりたくともできないことを解決する人” です。解決するために必要なのは、業種・製品を問わず、またお客様の状況に合わせてセッションの方法を変えていく「対応力」だと考えています。

加えて言うなら、“お客様と一緒に考える/一緒にやる/一緒に決める”。

このスタイルは、設計者としてのキャリアにおいて今の昔もまったく変わりません。ソニー時代も年間100日くらいは中国の工場に居たので、「管理職なのに、なんで現場に行くんだ?」と思われていたはずですが、答えは単純です。“仕事は現場にあるから” です。

O2にも成功のためのメソッドはありますが、課題を解決するには、お客様の意識が変わって、行動となり自走できてゴールです。メソッドを伝えることだけが仕事ではなく、意識と行動を変えてもらうために伝えるべき言葉を選び、現場で一緒に解決していくこを大切にしています。

――最後に。設計、製造業に対するに対する熱い思いを聞かせてください

“設計の考え方を伝えたい” これがコンサルタントになったきっかけ、スタートです。

ちょうど入社から5年が経ち、およそ20社のプロジェクトに携わってきましたが、どのプロジェクトに於いても私の軸は「設計に関わる人材の育成」です。コンサルティングを通じて時代に即した柔軟性のある設計人材になっていただきたいと思っています。かくいう私も、凝り固まっていた思考をお客様に気づかせてもらい、今があります。ITで製造業の効率化が進んでも、それを実行するのは人。人をマネジメントするのも、また人です。

今後も現場主義をモットーに、設計に関わる人、製造に関わる人の成長のきっかけになれると嬉しいです。

                                 インタビュー日:2020年5月11日

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