こんにちは。日本XRセンターの林 建一(はやし けんいち)です。
2025年4月の入社以来、東京を拠点としながら、インド・香港・シンガポール・台湾・カナダのグローバルチームと連携してVRトレーニングシステムやXRアトラクションの開発をしています。AWE Asia 2024 VR部門最優秀賞を受賞した「バトルワールド2045」や、大阪・関西万博2025で公開予定の「SAMURAI:XR 蒼天綺譚」など、多くの方に実際に体験していただけるプロダクト開発に関わることができ、毎日が新たな発見と成長の連続となっています。
本記事では、私が VR と出会った学生時代から現在のグローバル開発現場に携わるまで、そしてこれからの挑戦のストーリーを書きました。ぜひ最後までご覧ください!
1. 学生時代―VRとの出会い
1.1 初めてのVR体験
高校3年生の頃、SNSで話題になっていた VRChat の動画を目にしたことが私のVRとの最初の出会いでした。360°を埋め尽くす仮想空間と、世界中のユーザーが自作アバターで交流する光景に惹かれ、Meta Quest 2 を購入して実際に体験するきっかけとなりました。
実際に体験してみると、360°すべてが仮想空間になるという衝撃や、自作アバターで世界中のクリエイターたちと複数のワールドを行き来しながら交流した経験は、「XRは国境も時差も越える」ことを肌で感じるきっかけになりました。
「これを仕事にしたい」と思ったのも、この時です。
ちょうど進路を決めるタイミングで、当時香川で唯一XRの開発について学べる学校を調べ、穴吹デザインカレッジを知り、入学を決意しました。
1.2 穴吹デザインカレッジでの挑戦
入学後は体系的な技術習得を進めました。1年次はプログラミングの基礎となるC++での2Dゲーム開発から学び、2年次には3Dゲーム開発、そして3年次には本格的なVRアプリ制作へとステップアップしていきました。
Unity と Unreal Engine 5 を学び、企画から開発までチームや個人で回す力を養いました。
主な挑戦:
- ネットワーク実装を独学で習得
2年次後期から、マルチプレイヤーゲームの可能性に魅力を感じ、ネットワーク実装の独学を開始しました。MonobitからMirrorまで学び、試行錯誤しながら、最大4人の協力プレイで12種類のキャラクターから選択して戦う協力型3Dアクションを単独で開発しました。12キャラクターそれぞれを一人でテストする経験を通じて、「設計段階からテスト容易性を考える」学びました。
初めて開発したマルチプレイゲーム
- コミックマーケットC104出展
3年次に入り、技術的な基礎が固まってきたタイミングで新たなことにチャレンジしようと思い、3Dアクションゲームを開発し、冬コミに初参加して自作ゲームを出展しました。個人で開発したゲームを出展し販売まで挑戦することができ、一生忘れられない経験になりました。
実際に出店した作品。
2. 日本XRセンターとの出会い
2.1 ポートフォリオ投稿から始まった“ご縁”
就職活動中、FacebookのUnityエンジニアと募集をしている企業をマッチングするグループに作品集を投稿しました。そこで代表の小林社長と出会い、オンラインで面談を行うきっかけとなりました。
2.2 実技試験&面談
- Unity 実技テスト
インドメンバーのマネージャーから出されたVRアプリ開発課題に挑戦し、無事合格しました。学生時代の開発経験を活かすことができ、自信を持つ機会になりました。 - 小林社長との面談
二次面接で、岡山のスタバまで小林社長がきて、アトラクションVRの未来像を直接話してくれ、「ここなら多くの人に体験して貰えるVR開発が出来る」と確信し、入社を決意しました。
3. 現在の取り組み
3.1 プロジェクト開発の現場
日本XRセンターは、主に開発をインドオフィスで行っています。他にもリモートで香港など様々な国のメンバーと連携しながら、日々開発に取り組んでいます。
インドオフィスの風景
毎朝のプロジェクトミーティング→フィードバック→改善という流れで、インドのテスターチームとも連携し、フィードバックを活かして開発を進めています。
3.2 コードレビューチームのリーダーとして
当社では週1回、エンジニア同士がペアでコードレビューを行う時間を設けています。メンバー全員で知識を共有し、フィードバックを行うことで開発品質の向上を図る仕組みです。入社数ヶ月という短期間で、私はこのレビューチームのリーダーに抜擢されました。
リーダーとしての取り組み:
- レビュースケジュール調整:全員が忙しい中でも、毎週確実にレビューを実施できるよう、メンバーの状況を把握しながら柔軟にスケジュール調整を行っています。
- ナレッジ共有:レビューで発見された課題や改善案をその場限りで終わらせることなく、テキストで体系的にまとめてチーム全体に共有しています。これにより、個人の学びをチーム全体の資産として蓄積し、継続的な品質向上につなげています。
年齢に関係なく、技術力と積極性を評価してもらえる環境で、チーム全体のコード品質向上に貢献しています。
3.3 AIタスクフォースのリーダーとして
開発効率化の一環として、AIタスクフォースのリーダーも担当しています。生成AIの活用の提案や共有により、チーム全体の生産性向上を推進しています。
AIタスクフォースでの取り組み:
- AI活用例の共有:単なるツール紹介に留まらず、「どの開発場面でどのAIツールを使うべきか」という具体的な指針を策定・共有しています。
新人でありながら2つのチームリーダーを任されていることは、当社が年齢や経験年数ではなく、実績と成果への意欲を重視して人材を評価している証拠だと考えています。
3.4 “新人”でも任されるプロジェクトでのやりがい
入社後、関わることができたプロジェクトをいくつかご紹介します。
主なVRアトラクション
🥽 バトルワールド2045
(東京ドーム様)
世界初、Meta Quest 3を活用した常設型マルチプレイヤーMRシューティング。
AWE Asia 2024 VR部門 最優秀賞を受賞。
・取り組んだ内容
現地でのテストやバグ修正、いただいたフィードバックの追加実装を担当。来場者の笑顔を目の当たりにし、"体験を生む瞬間"に立ち会えたことは、忘れられない経験になりました。
🥷 SAMURAI:XR 蒼天綺譚
(NTTデータ ヘルスケア共創ラボ様)
AIにより、プレイヤーごとに体験をパーソナライズするMRアトラクション。
大阪・関西万博2025 で公開 (5/10に終了)。
実際に現地に向かい、バグ対応やオペレーションをスムーズに進められるよう現地スタッフとコミュニケーションを取りつつ、アプリの改善に取り組みました。
🧟 ZOMBIE STORM
『ZOMBIE STORM』は、最新のMR(複合現実)とVR技術を融合した、XRゾンビシューティングアトラクションです。
Meta Quest 3を装着し、4×6mの専用エリアを自由に動き回りながら、仲間と連携して襲い来るゾンビを殲滅し、リアルと仮想が交錯するスリル満点の戦場を体感できます。
・取り組んだ内容
マップギミックの開発とゾンビAIの挙動開発を担当。また、毎週のフィードバックミーティングを通じて継続的な改善を実施し、より完成度の高いアトラクション体験の実現に貢献しています。
4. これからの歩み
Unityエディタ拡張で、開発をもっとスムーズに
現在のグローバル開発において、まだまだ自動化できる作業が多く残っています。プロジェクトセットアップやビルド作業における手作業による時間ロスと繰り返し作業が課題となっています。
そこで、問題となっている箇所を自動化することで、別の作業に取り組める時間を増やせるよう開発環境の整備を行っています。
- シーンセットアップや各オブジェクト設定の自動化
- ビルド対象プラットフォームに応じたプロジェクト設定の自動切り替え
上記の内容に取り組み、今後チーム全体の生産性を底上げしていきます。
複数AIを“並列開発パートナー”に
生成AIの進化により、これからの開発では人とAIが「チーム」として並走して作業する時代になりました。私自身も、AIを役割ごとに使い分けることで、スピードと品質の両立を目指しています。
- ChatGPT:
→ 議事録整理や、アイデア出しの壁打ちに活用。
複数のアイデアを即座に提示してくれる - Claude:
→ 長文の仕様書レビューに強く、論理の矛盾や要件漏れの確認などに活用。設計段階での"ダブルチェック要員"として活躍しています。
今後は、こうしたAIをタスクごとにスイッチしながら活用し、
スピードアップしたXR開発に挑戦していきます。
おわりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
日本XRセンターは「ベストバリューでXR実装を促進する」ことを理念に、常に挑戦を続けています。
私もその一員として、これからも“現場で使えるXR”を追求してまいります。
この先、どこかのプロジェクトや現場で、皆さんとお会いできる日を楽しみにしています!
参考リンク
- 日本XRセンター(公式)
https://www.vrarri.com/ - VRアトラクション事例
https://www.vrarri.com/assets/vr-attraction.html - VRトレーニング事例
https://www.vrarri.com/assets/vr-training.html - PR TIMES プレスリリース一覧