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【代表インタビューVol.2】どんな厳しい状況でも「社員第一主義」を貫きたい

私たちクイックサーブは、主に受託でのシステム開発・デジタルコンテンツ制作を軸に、ITコンサルタントから監視・障害対応、人財派遣業など幅広く事業展開しているシステム会社です。エンジニアファーストを掲げており、エンジニアとして様々な経験が積める環境を整えています。

今回は当社代表の丹生にインタビューを実施!クイックサーブ誕生の軌跡や共に歩む社員への思いを語っていただきました。

―クイックサーブでは、お客様にどのような価値を提供されていますか?

弊社の一つの大きな特徴は、規模の割にITのフルラインサービスを提供していることです。

一般的に、私たちのような50人程度の会社では、専門特化した方が仕事はしやすいものです。ランチェスターの法則にもあるように、小規模なら小規模なりの戦い方があります。しかし、私たちは多岐にわたるITサービスを提供し、お客様からはコンビニのような利便性があると評価されています。

私たちが提供する価値は、企画、ITコンサルティング、デザイン、設計、開発、テスト、運用保守、インフラ、セキュリティ、ネットワーク、データベースといったサービスを、一括りにして提供することです。個別にさまざまなベンダーに依頼する場合、それらを管理するのに非常に優秀な人材が必要ですし、そうでなければ別途コンサルタントを雇う必要があり、トータルコストがかさむことになります。しかし、一社に全てを任せることで費用を半額程度に抑えることが可能です。

また、何か問題が生じた場合も、責任の所在がはっきりしているため、お客様にとっては分かりやすいです。システムに不具合が生じた際、インフラやセキュリティ、アプリケーションの実装、テストのどこに問題があるのかを切り分けて対応する必要がありますが、これが非常に大変です。特に保守フェーズに入ってからの問題は、お客様にとって大きな負担となるので、その点を弊社が解決することが、最も大きな価値だと思います。


「感謝される」というのが1番のご馳走

―起業する前は何をされていたんですか?

実は前職も、立ち上げてまだ6ヶ月、社員が4人しかいないベンチャー企業でした。それより前の会社も、学生時代に友達と一緒に立ち上げた会社なんです。いずれも、新設されたばかりの小規模な会社からのスタートでした。小規模なので、社員一人ひとりが多岐にわたるスキルを持たなければならなかったんです。

お客様も専門的な知識はあまりなく、たとえばちょっとした打ち合わせの場で「社内ネットワークが重いんだけど、見てくれない?」と相談されることもしばしばでした。問題をエレガントに即座に解決できるかどうかは非常に重要で、私自身も最初は営業職だったのですが、プログラミングやデザイン、インフラ、セキュリティ、ネットワークなど、様々な分野に手を出しました。

一つ一つの分野でスペシャリストとは言えませんが、広く浅く多くのことができるようになりました。その多能性が、意外にもお客様に喜ばれたんです。それが私にとっても嬉しかったですね。

そういった経験が自然と私の業務スタイルとなり、実際に周りを見てもそういったサービスを提供している会社は少なかったです。だから自分で始めてみたところ、案の定お客様に大変喜んでいただけました。


―社長みたいにマルチにできる社員ばかりだったんですか?

最初は偶然だったと思いますが、スペシャリストではなくゼネラリストな人材が多かったんです。その後、スペシャリストも入社してきてくれて、チームにとって非常にありがたい存在でした。個々の案件だけではなく、5人や10人で取り組む案件もあるため、各々が専門分野を持っていても問題ないと思っています。

それ以降、私たちは意識してスペシャリスト志向の人材とゼネラリスト志向の人材をバランス良く採用しています。面接段階で志向について直接聞き、候補者がゼネラリストかスペシャリストかを判断しているんです。この比率は大体3対7で、ゼネラリストの方が多くを占めています。

ゼネラリストとして働くことで、社員は他の場所でも通用するスキルを身に付けることができます。実際に多くの社員がクイックサーブから独立し、自分の会社を立ち上げています。私の知る限りでは、5人が起業しており、中には取引関係のある人もいます。

我々はスタッフに対して転職が容易であるとは言いませんが、独立はしやすい環境を提供しています。また、技術の流行が変わっても、このようなスキルを持っていれば生活に困ることはないでしょう。効率よく働くことで、他人よりも多く収入を得て、早期退職や休暇を楽しむことも可能です。


全財産はたったの1000円

―立ち上げ時の思い出を教えてください。

どれもこれも思い出に残っていますが…。たとえば、私が起業したとき、持っていた全財産は1,000円だけでした。「この状態からスタートする」という気持ちを忘れないために、資本金を1,000円として会社を設立登記したんです。それはちょうど会社法が改正され、1円でも株式会社が設立できるようになった直後のことでした。もちろん電話もFAXもない、コピー機もない、オフィスすらなく、自宅をオフィスにして私一人でスタートしました。

最初のお客様が、仕事が終わってすぐに次の別のお客様を紹介してくださったことなど、すべてが思い出深いです。

そのお客様は、「私の知り合いでIT系で困っている人がいるので、ぜひ相談に乗ってほしい」と言ってくれたんです。それは本当にありがたい話で、その人からリピートして、さらに別の二人ぐらいの会社の社長さんを紹介されました。「困っているので、相談に乗ってもらえませんか」と。

本当にありがたいことで、営業活動を一切せずに、誰から誰を紹介されたかの樹形図のような相関図をずっと書いていて、これを十年ぐらい続けていました。紙のサイズで言うと、A0サイズまで相関図が大きくなったんです。私は、その人からこの人、そしてまた別の人への紹介を書き記していました。

ホームページにも書かれているとおり、リピート率は100%です。それが一番いいことだと思います。紹介は基本的に、紹介する方の信頼によるものですから、相手も受け入れやすいです。

私たちの会社は営業部がなく、技術者が97%を占めています。営業マンがいないのは、大手の会社も含め、すべてのお客様からの支持を得て、それがお客様に還元されているということです。

私は、社員が私のことを嫌っても構いませんが、お客様を嫌わないでほしいと思っています。仕事を獲得するのは大変ですが、創業時からお客様は私たちを信頼しています。私は、誰が誰から紹介されたかを社内で聞いたりすることがありますが、私がそれを書いていることを知っている人はいます。10年ぐらい前までは社内で公開していました。その紹介してくれた方々に恥をかかせないように、仕事に心を込めて取り組みましょうという話を10年ぐらい前に全社員に伝えていました。

しかし、情報が多すぎてカオスになってしまっています。もしもっと上手い表現方法があれば、今でもその情報を続けていきたいと思っています。電子データであれば拡大していって書き続けることはできますが、紙ではそれができません。それがさらに増えていくと…。まあ、そういった経緯からスタートしたんですね。


―最初のお客さんとのエピソードを教えてください。

最初のお客さんは偶然の出会いでした。私は以前、役員を務めていた会社を辞めた際に、すべての名刺を会社に残してきましたし、退職当日には携帯番号も変更したんです。また、独立したことを誰にも告げず、競合を避けるために3年間ホームページも作成しませんでした。それでも私を探し出し、連絡してきた方がいらっしゃいました。

その方は「何をしているのか、どうしても依頼したい仕事がある」と言い、データセンターの引越しの仕事を依頼されました。起業当初は外部のパートナーにも手伝ってもらっていましたが、基本的に一人でやっており、お客さんを見つけることができ、とても感謝しています。

仕事をする上での私のポリシーは、たまたま始まったわけではありません。紹介やリピートで仕事が増えれば営業コストがかからず、効率的で社員にも還元できると考えていました。しかし、どのようにしてそうなるかは最初は特に意識していませんでした。それを継続し、なぜリピートされたり、紹介されたりするのかを考えた時、10年後のある時期に、以前の取引先に理由を尋ねたところ、「便利だから」という回答が最も多かったんです。

私を紹介すると、問題があれば何でも解決できると感じていただけたようです。これが私の会社の価値の一部となりました。また、私の人柄やたまたまという回答もありましたが、大部分の人は私の提供する便利さを評価してくれています。

私はプログラム開発やネットワークスペシャリスト、データベースの資格を持っているので、多くの異なる仕事を依頼されることが多いです。最初は特定のスキルで仕事を始めましたが、今では何でも依頼されるようになっています。料金体系については、単純に一日いくらという形で、シンプルに設定しています。スキルがあり、コストもすぐに決まり、価格にブレがないことも私のサービスの特徴です。


「今日か今日でないか」は大きな違い

―仕事のポリシーが感じられますが、働き方が変わったきっかけはなんですか?

やはり大きな転機となったのは子どもが生まれたことです。結婚して子どもができると、運動会や学芸会など、見逃したら二度と見ることができない瞬間があります。そういったものを見逃したくない、という気持ちが強くなりました。仕事のスケジュールを多少変更してでも、そういった家族のイベントに参加したいと考えるようになりました。

お客様にとっては、打ち合わせが一日ずれることにそれほどの違いはないかもしれませんが、家族にとってはとても重要なことです。私や社員にとっても「今日か今日でないか」は大きな違いがあるんです。家族との関係を大切にすることで、子どもや配偶者との関係がうまくいかなくなることを避けることができます。

人生100年時代と言われていますが、20歳から60歳までの40年間を仕事に費やしても、その後にはさらに40年が残っています。ビジネスから離れた後の人生においては、家族が中心になるはずです。私は、誰にとっても優先順位は明確であり、それが同じだと信じています。

前職の社長には特に感謝しています。社長は私の家族を重視する態度を理解し、配慮してくれました。仕事をしている場合ではないときに、「行ってあげなさい」と言ってくれたことには、本当に衝撃を受けました。給料をもらっている以上、そう望むことはできないと思っていたので、その社長の影響は大きいと思います。


―クイックサーブをどんな会社にしていきたいですか?

まず未来に向けて、私たちの会社をもっと便利で利用者に寄り添ったものにしていきたいと思っています。IT業界は、昔はひとくくりにされてたけど、今はものすごく細分化されていて、その変化に応じて私たちも進化し続けなきゃいけないんです。便利さを担保し続けるために、IOTだろうがAIだろうが、最新技術はどんどん吸収していくつもりです。

「社員第一主義」についても、徹底的に貫きたいですね。リーマンショックの時みたいに大変な時期も、社員を最優先に考える姿勢は変わらなかったので。今の状態を維持できるのが理想ですが、どんな状況になったとしても、社員を第一に考えるっていうのは貫きたいです。

社員にとっても、会社にとっても、良いことをしたいですよね。社員が自分の理想とする働き方ができるように、週休三日制だろうが、給与は少なくても稼働時間を減らしたいという希望だろうが、それに応じる方向で考えたいと思います。

それから、社員の市場価値を高めたいです。これは会社の名前がブランドになるような状態を作ることにも繋がるんですよ。スキルアップのための研修にも力を入れていて、社員が望む研修はサポートするし、提携している研修会社からのセミナーも積極的に受けられるようにしています。

つまり、社員一人ひとりが自分自身の望むキャリアを描けるよう、私たちは支援していくつもりです。それが私たちの理念であり、その道をしっかりと歩んでいきたいですね。


―クイックサーブに合わない人はどんな人ですか?

目標意識がない人や、市場価値を上げたくないという人は、うちには合わないと思います。ただ、今を生きるという考えの人もいますし、それはそれで尊重しますよ。でも、うちの会社にはそういう人はちょっと合わないかなと。


―逆に、クイックサーブにピッタリ合う人はどんな人ですか?

今活躍している人は、学びたいと思っている人、自分の価値を高めたいと思っている人が多いですね。それぞれが自分のペースでパフォーマンスを発揮しています。給料が半分でもいいから休みを増やしたいという人もいますし、それぞれの人生があるわけです。各々の働き方に合わせて、自分にできることをうまく発揮し結果を出す、それが理想ですね。

世界に1億人以上いて、そんな中でうちみたいな小さい会社に縁があって来てくれるわけですから、それはもう運命的なものがあると思います。あまりスピリチュアルなことは考えていませんが、せっかく一緒に働くのですから、いい会社でいい時間を過ごして、勉強になり、スキルアップできるようにしたいと思います。それが私の願いです。

新入社員が夜遅くまで残って一生懸命議論しているのを見ると、「朱に交われば赤くなる」という言葉通りだなと思います。最初はそんなにやる気がなさそうに見えた人でも、他の同期に影響されて積極的になるんですよ。

私も50歳になりましたから、いつかは引退します。ですが、私がいるいないにかかわらず、働いた後に「社長の気持ちがわかった」と言っていただけたら嬉しいです。それが、その人の人生の価値になると思うからです。


社員は家族のように大切な存在

―経営者として大切にしていることはなんですか?

社員を家族のように大切にし、彼らの成長をサポートすることに力を入れています。私たちの支援はただの研修とは異なり、スパルタ式のアプローチに近いです。彼らが望むかどうかにかかわらず、市場価値を高めるべく、時には厳しくも彼らを押し上げます。

私はリーダーとして、自分が瞬時にできる仕事を他人に任せることに多大なストレスを感じていました。しかし、それを他人に委ねることで、リスクを負いながらも成長を促すことができます。失敗があった場合、それは私の責任です。社員が会社を出ることがあっても、辞める前にこの経験をして、人生の価値を変えてもらいたいと思っています。

私の理想は、会社を出た人々が、「元クイックサーブ」の名前で優秀な技術者として認知されることです。それが彼ら個人の成長につながり、結果として私たちの会社のブランド価値を高めることにもなるでしょう。

私たちの成長支援の方法がブラック企業かホワイト企業かは、見る人によって異なるかもしれません。しかし私にとっては、これは本当の親心であり、社員のために最善を尽くしていると信じています。


―評価制度について教えてください。

会社の評価制度では、1,000以上の技術分野を10段階で評価しています。「知っている」「まだこれから」など、単なる「知らない」というレベルではなく、「触れたことがないけれど知識はある」「実務で使用した経験がある」など、段階的に知識と経験を反映します。日々これらの項目を埋めていくことで、市場価値が高い人材になるわけです。

会社はこの点数をもとに評価を行い、給料の増減を決定します。ゲームのように、パラメーターを上げるという感覚で経験値を積んでいきます。経験値が上がると給料も上がる、というシステムは、単価の上昇と直結しています。なぜなら、単価は市場価値が高い人間になればそれだけ上がるからです。社内評価が市場と連動している透明性を持っています。

現代は、例えばプログラミングのスキルだけでは不十分です。ChatGPTのようなプログラムは、求められれば即座にコードを出力することができます。もうすぐそういった時代が来るでしょう。プログラミングだけがスキルであれば、生き残ることが難しくなるかもしれません。私たちは、世の中で評価されるポイントを会社の評価軸にし、分かりやすくすることで、社員が常に市場価値を高められるようにしています。


―今後、業界はどうなっていくと思いますか?

開発やテストの業務が日本でなくなるのは、もう避けられない流れだと考えています。オフショアリングのコストパフォーマンスはあまりにも高い。一人月20万円で、必要な人数がすぐに集まる。

このコロナ禍を経験し、リモートワークが日常化して、働き方が大きく変わりました。「ウィズコロナ」から「アフターコロナ」へと進む中で、多くの企業がリモートワークの可能性に気づいたんです。オフショアでも十分に機能する仕事のスタイルが確立されつつあります。そして、オフショアには実力のある人材がいます。

彼らは日本で長年キャリアを積んだ後、海外に移住し、日本向けのビジネスを展開している。これは非常に強力な競争力を持っていますよね。20万円で、東京の最低賃金を下回る費用で働けるのですから、国内の企業がこれに競争で立ち向かうのは難しい。

そうは言っても、オフショアにはできない、オンサイトのコンサルティングという領域があります。ここに注力し、新しい価値を提供することが、これからのキーポイントになるでしょう。私たちのような企業は、そういった人材を探し、育て、採用していく必要があります。経営課題の本質を見極め、解決策を提案できる能力を持った人物が求められる時代です。


―最後に、伝えたいメッセージをお願いします。

新卒や若者には、市場価値を高める機会が豊富にあると伝えたいですね。自分自身が経験したように、スキルを磨き続ければ、それは必ず価値に変わります。

私は1,000円からスタートして、スキルと努力により大きな成果を上げることができました。その経験を通して学んだのは、スキルを磨けば磨くほど、その分だけ自分の市場価値は高まるということ。そして、その市場価値の高まりは、会社の価値にも直結するのです。最終的には、一人ひとりがどれだけ自分のスキルを磨き、価値を高めることができるかが問われます。

誰もが一度きりの人生を歩んでいるわけですから、自分のキャリア、自分の価値に投資することの重要性をもっと理解してほしいです。それが結局は自分自身の幸せにつながるんですから。

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