◆セヴァン・スズキの「伝説のスピーチ」からのインスピレーション
~会社を設立されたきっかけは?
荒深 社会人になって3年目の時に、ビデオでとあるスピーチを観たのが最初の発端です。それは1992年に開催された「リオ地球サミット」での、当時若干12歳だったセヴァン・スズキの「伝説のスピーチ」でした。
「どうやって直すのか分からないものをこれ以上壊さないで」というメッセージに心が大きく揺さぶられ、初めて環境問題について思いを巡らすようになったのです。「今、目の前にある豊かな生活を維持しようとし、将来何が起こるのかわからないのに環境を壊し続けているのは、他ならぬ自分ではないか」と。その時から、何か事業を通して持続可能な社会の実現に貢献できる方法はないかと考えるようになりました。
〜伝説のスピーチを聞いたことが、現在の事業モデルのヒントになったそうですが、環境問題を解決するために考えたことは何でしたか?
荒深 元々は、環境とは違う分野の仕事についていたので、ゼロからエコやリサイクルについて勉強をしました。その中で特に資源に着目するようになったのです。
〜なぜ資源問題を環境ビジネスとしようと思ったのですか?
荒深 最近は環境に優しいエネルギーや製品、フェアトレードやオーガニックな食品が増えていて、環境への配慮が人々の間で醸成されるようになってきています。
しかしモノの生産、消費、廃棄という経済社会の構造自体は何ら変わっていない、ということにふと気づかされたのです。「もっと新しいものを。もっと便利なものを」という人間の欲望を抑えることは難しく、現実的な解決策を模索した時、リサイクルの重要さを認識しました。捨てられるもの、つまり廃棄物をいかに大切に無駄なく扱うかが今の社会の枠組みの中でできる最良のサステナビリティであるという考えに至ったのです。
〜では実際に、事業化するまでの道のりを教えていただけますか。
荒深 伝説のスピーチを聞いてからおよそ10年の道のりでした。独自に勉強してからeco検定や廃棄物管理者検定を取得しました。そして廃棄物処理分野での事業プランを2年間に渡って検討し、創業セミナー等にも通いながら事業計画を洗練させていきました。
いろいろな事業アイデアを考えたのですが、最終的には私自身が得意なIT分野でのコンサルティングの経験を活かし、ウェブポータルサイトを核にした廃棄物処理・リサイクルのコーディネート事業を発想したのです。国の創業補助金にも応募し、運良く審査を通過。200万円の補助金を得られたことで、一念発起しビジネスプランを実現することになったのです。
◆サービスを立ち上げた背景と目指す世界
〜10年間の荒深さんの思いがつまった事業計画ですが、御社のサービス内容を教えてください。
荒深 廃棄物を排出する企業に対して、リサイクルを含めた最適な廃棄物処理のカタチを提案・提供しています。具体的には、廃棄物の特性や処理ニーズに合わせた処理業者のマッチングはもちろんのこと、その後の契約手続きやマニフェストの管理までワンストップで対応させていただいています。
〜実際に、産業廃棄物処理関連のサービスを立ち上げた理由はなんでしょうか?
荒深 産業廃業物処理業者(以下、産廃業者)による廃棄カツの不正転売事件がマスコミを賑わせたことは記憶に新しいですよね。多くの人々にとって産業廃業物業界は依然として「何をやっているのかよく分からない」業界であり、その複雑で不透明な世界に疑惑の目が向けられ続けてきました。
実際に産廃業者と取引している企業に詳しく聞いてみると、廃棄物の取引において様々な不満・不安を感じていることが分かりました。
〜どんな不満や不安を、廃棄物を処理したい企業は持っているのでしょうか?
荒深 企業にお話を伺うと、以下のような不満・不安を持っていらっしゃいました。
・産廃業者に関する情報がほとんど公に出ていないので、検討しようにも情報を集めるのに苦労する。
・企業のコンプライアンスを重視しようとすると、「リサイクル」視点での情報を開示している業者が少ない。
・インターネットに産廃業者のホームページはあっても、記載されている内容が各社様々で、客観的に情報を整理して比較検討をすることが困難である。
・取引している業者が信頼できる会社なのか不安。
しかし多くの産廃業者と直接会ってじっくり吟味するほど時間も取れないのが現状だそうです。そこでこのような悩みや不満に応えるべく立ち上げたのが「RECYCLE HUB(リサイクルハブ)」です。