■ 展示会には、「行かれないブース」がある
展示会に出展したことがある方なら、一度は感じたことがあるはずです。
自社のブースの前は通ってもらえる。でも、その先の通路までは足が伸びない。
来場者からすれば、会場は広く、時間は限られていて、目的のブースを回ったら帰路につく。出展する側からすれば、「見つけてもらえなかった」だけで機会が消えていく。
主催者も、出展企業も、来場者も、それぞれに損をしている。
けれど「もっと回ってください」と言って回ってもらえるほど、人の行動は単純ではありません。
私たちが今回取り組んだのは、この「あと10メートル」をどう埋めるか、という話でした。
■ 「ブースに来たら、ガチャが回せる」
2026年6月24日〜26日、東京ビッグサイト。
RX Japan主催「ライフスタイルWeek」の特別企画『推し活パーク』に、私たちはデジタルサイネージ搭載のガチャマシンを8台提供しました。
やったことは、拍子抜けするほどシンプルです。
ブースに立ち寄ると、ガチャが回せる。
カプセルの中に入っているのは、景品そのものではありません。
各企業ブースのノベルティ引換券と、会場限定ドリンクの引換券。つまり、カプセルを開けた瞬間に「次に行く場所」が決まる設計にしました。
回して、開けて、「え、ここ行かなきゃ」となる。
その一連が、来場者にとっては純粋に楽しい体験で、主催者にとっては回遊導線で、出展企業にとっては新しい接点になる。三者の利害が、同じ一つの動作の上で重なるようにしたかったのです。
■ 結果:800回転、協賛25社
3日間で、ガチャは800回回りました。
協賛としてご参加いただいた企業は、25社。
協賛の募集にあたっては、予定していた枠を上回るお申し込みをいただきました。
800回転という数字は、単に「800回楽しんでもらえた」ということではありません。
800回ぶんの"次の一歩"が、会場の中で発生したということです。来場者は複数のブースを巡り、出展企業には自力では届かなかったはずの人が訪れる。数字の意味は、そこにあります。
■ なぜ、ガチャだったのか
私たちがガチャマシンにこだわっているのは、レトロで可愛いからではありません。
ガチャには、「回す前の期待」と「開ける瞬間」という、極めて短くて強い体験の山があります。しかもその山は、本人が自分の手でハンドルを回さないと訪れない。受け身では成立しない仕組みなんです。
チラシを配れば、受け取ってもらえるかもしれない。でも読んでもらえるかは分かりません。
ガチャは、回した時点でその人が能動的に参加しています。だから、その先の行動につながる。
私たちはこれを、「アナログな"楽しい"を、テクノロジーで価値に変える」と呼んでいます。
マシンにはデジタルサイネージが載っていて、映像は遠隔で一括配信できる。キャッシュレス決済にも対応している。運用管理から決済まで、システムはすべて自社で内製しています。見た目はアナログ、中身は全部データで動いている——それがGTCHA Xです。
■ 同じ仕組みが、まったく違う現場で効く
面白いのは、この「回したくなる」という一点さえ押さえれば、目的は何にでも差し替えられることです。
神奈川県横須賀市のイベントでは、「アンケートに答えるとガチャが回せる」というELPの仕組みで、回収率ほぼ100%を実現しました(1日80件回収、満足度90%)。展示会では回遊導線に、自治体では来場者データの回収に。
直近では、2026年8月3日〜6日の「秋田竿燈まつり」で、公益財団法人秋田観光コンベンション協会さまにガチャマシンを計8台ご提供し、竿燈をモチーフにした「竿燈提灯キーホルダー」(1個500円)の販売に活用いただきました。ここでは、ガチャは物販の売り場になっています。
集客、データ回収、回遊、物販。
同じ一台が、置く場所と設計次第でまったく違う役割を果たす。私たちはこれまでに100件以上の導入実績を重ねてきましたが、正直なところ、可能性の底はまだ見えていません。
■ 一緒に、「回したくなる仕掛け」をつくる人へ
こうした案件は、待っていて生まれるものではありません。
「このイベント、回遊が課題では?」「この自治体なら、こういう使い方ができるのでは?」——現場を見て、仮説を立てて、提案する人がいて初めて形になります。今回の展示会も、その一つでした。
だから私たちが探しているのは、いわゆる「モノを売る営業」ではありません。
お客さまの課題を聞いて、体験そのものを設計できる人です。業界未経験でもまったく問題ありません。むしろ、「これ楽しいな」と自分が思えるかどうかのほうが、この仕事では大事だと思っています。
まだ小さな会社です。決まっていないことも多いし、任される範囲も広い。
その代わり、自分が考えた仕掛けが会場に並んで、目の前で人が笑う瞬間を見られます。
少しでも面白そうだと思っていただけたら、まずは話を聞きに来てください。