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経理未経験から上場企業の経営管理マネージャーになるまでに役に立った本のまとめ

訪問いただき、ありがとうございます!クラウドワークスで経営管理グループのマネージャーをしてます高田といいます。このブログはクラウドワークスコーポレートDiv.アドベントカレンダーのブログです。

もうすぐクリスマスですね。皆さんはどのように過ごされる予定でしょうか?特に今年は明日から3連休ですので、旅行に行くもよし、思いっきりまったりするもよしと、過ごし方に関して悩みが尽きないかと思います。

僕ですか?僕はもちろん過ごし方は決まってます。せっかく三日間も休みが続きますので、図書館に籠って思いっきり勉強する予定です。


というわけで、本日のテーマは勉強に関してです。非常にまじめなテーマで恐縮ですが、こちらはクラウドワークスのコーポレートDiv(いわゆる管理部門)のアドベントカレンダーです。管理部門は専門性が求められる以上、実務をしっかりこなしていくことは当然のこととして、アドオンで業務時間外での勉強時間の確保も非常に重要になってくると思います。たまには、まじめな話題があってもいいんじゃないかなーと思い、こちらのテーマで本日は書こうと思います。

自己紹介が遅くなりましたが、自分は上場前の2014年4月にクラウドワークスに入社し、その後、未経験の状態でコーポレートDiv.に配属となり、経理を軸として、管理部門での様々な業務を担当してきました。

ちょうど自分の管理部門でのキャリアと会社の成長が重なり、会社が上場したり、成長していく過程で次々と新しい取引を経験し、なおかつ休日は遭遇した新しい取引に対応するため、20代半ばの素敵な思い出を犠牲にひたすら勉強してきたことで、月並みな言葉で恐縮ですが、会社の成長とともに実務での自分の経験の幅も広がり、自分も成長できたなと思っております。

ただ、せっかくの休日(やクリスマスの3連休)、楽しんだり、出かけてリフレッシュしたり、寝て疲れをとることもせず、選んだ本等が間違っていたがために、図書館に籠って1日勉強したにも関わらず、「何も得るものが少なかった」となった時のガッカリ感たるや、個人的には半端ないと思ってます。

どうせ勉強するならば、効果的に勉強したい。amazonをはじめとした色々なレビューを見ることで、良書に出会う可能性を高める、ということは多くの人がされているかと思いますが、その時の自分の経験値や会社のフェーズによって最適な本が変わっていく、というのはすごく感じます。
※1年前に買った本が全然役に立たないと思ったものの、1年後に読んだらすごく役に立ったことや、「この本、半年前に出会いたかった!」と思った回数は数知れずです。

前置きが長くなりましたが、以下からがブックガイドになります。就職やキャリアチェンジ等で、事業会社(特にベンチャー企業)で経理のキャリアを開始しようと思っている人や、ゼロベースから会計を勉強しようと考えている方の参考になれば幸いです!

1.超入門編

会社の状況:上場準備~上場後3カ月程度。
自分の状況:管理部門就任~半年程度。

急ピッチで上場へ向けての体制構築が進んでいた時期に管理部門に就任したため、最初の半年程度は一つ一つの業務の内容を把握してにじっくり取り組む、と言うよりかは大量の業務のシャワーが降ってきてそれに対してがむしゃらに対応した半年間でした。

ここでは、「目の前の処理をがむしゃらにこなすだけ」の状態から、「目の前の処理が、全体感からみてどのような影響を与えるのか、ということを意識しつつがむしゃらにこなす」状態に出来る限り早くなることが重要だと思います。

管理部門配属になった際、真っ先に簿記の勉強を開始する方が多いかと思います。個人的には簿記が無くとも実務は出来ると思ってますし、僕自身は簿記の資格は持っていないです。一方で、自分がたどった道とは異なりますが、経理未経験の人が実務を遂行するための土台として、本当に最低限の知識を手っ取り早く身に付けるためには、簿記三級の勉強から始めるのが効率的じゃないかなと思っております。

簿記三級程度の知識を身に付けた後に、真っ先におすすめする本は以下になります。
財務三表一体理解法https://www.amazon.co.jp/dp/4022731443

読んだのはもうだいぶ前のため、初めて読んだ時の感想は忘れつつはありますが、会計の勉強でかじったバラバラの知識が、有機的に自分の中で結びついて、新しい取引が発生した際も、頭の中で各会計処理が財務諸表に与える影響をイメージできるようになりました。※管理部門以外の人でも、難しい話は出てこないですので、財務諸表を読めるようになりたいと考えている人にはお勧めです。

具体的に目の前の処理が財務諸表にどのような影響を与えるかといった点をイメージしつつ、実務に取り組むようになったことで、会計的には一段深く考えられるようになったと思ってます。


2.頭の中で会計処理の目次表を作る編

会社の状況:上場して一気に人が増えて事業も拡大して、取引の種類の幅が一気に急拡大。
自分の状況:管理部門就任半年~1年程度。既存業務は一通りこなせるようになったものの、初めて経験する新しい取引に次々と対応して行かないといけない。

半年程度たちますと、既存の業務に関しては一通り問題なくこなせるようにはなった一方、会社が上場し、従業員数が大幅に増加し、会社としても積極的に新しい取り組みにチャレンジを初めている状態でした。

結局、個々の新しい取引に関しては都度調べたり確認して対応することになったのですが、確認方法の目途を付けたり、調査の方向性を間違えないために、「どのような取引があって、それぞれどのような処理が必要で、注意点や論点となりうる点はどういったものか」ということを広く浅く把握し、自分の頭の中で会計処理の目次表を作成しておくことが重要になってきました。

その際に、非常に役立ったのは以下の本でした。
新・現代会計入門https://www.amazon.co.jp/dp/4532134633

これ一冊で様々な処理が出来るようになる、というわけではないですが、世の中にはどのような取引があり、それにどのような会計処理が紐づいているかといった、会計処理の目次表みたいなものが自分の中で出来るため、会社が新しい取引を開始した際も、「あーこれか!」といった形で、なんとなくのイメージがすぐにわき、確認方法の目途がたちました。

また、単純に処理の内容だけでなく、そのような処理が出来た背景や国際比較、重要な論点の紹介等も併せてされているため、ただ処理を覚えるだけでなく、各頭の中の目次項目に関してより深い理解を持つことができました。


3.チームリーダー業務やプロジェクト遂行に必要な知識を深堀する編

会社の状況:引き続き事業が拡大し、新しい取引の種類が増加。
自分の状況:管理部門就任1年~2年。プロジェクトリーダーをしたり、決算毎の重要論点への対応を検討する機会が急増。

1年弱程度経過したころより、明確にチームリーダーとして様々なプロジェクトを引っ張ったりですとか、決算の取りまとめをし、重要な会計上の論点を整理したり、開示資料の確認をするといった機会が増加しました。

プロジェクトと言っても色々あると思いますが、特にベンチャー企業にいる場合は新規事業や新しい取り組みが次々と始まるため、新規事業の管理面でのサポートに関連するプロジェクトが非常に多くなってきます。そのような、プロジェクト等で頻繁に利用する点に関してはより一層深い知識を身に着け、状況に応じた判断や提案をすることが重要になってきました。

新規事業や新しい取引が開始する際は、深い知識を持っておいた方がよいことは数多くありますが、個人的には特に以下の2点がより重要だという感覚です。

収益認識
新規事業の話をする際に、経理として真っ先に検討しないといけないことは「何をもって売上とするか」だと思ってます。新規事業のビジネスモデルを理解し、売上がどのタイミングでたつのか、売上を立てるためにはどういった状態でないといけないのか、といったところをある程度固めないと、事業計画も精度の低いものになる上、事務フローの策定等、新規事業立ち上げに必要な管理部門としての一連のサポートが出来ずと、何も進まなくなってしまいます。

もちろん、ビジネスモデルを理解した後に、「一回確認します」と持ち帰り、そこから調べたり専門家に聞いたりすることもありますが、一方で、そうすることで議論が一度中断してしまうため、スピード感をもって取り組めない上、議論自体も一旦盛り下がってしまいます。

収益認識に関する本は多々ありますが、以下の本の説明がわかりやすかったです。
トーマツ会計セレクション〈7〉収益認識https://www.amazon.co.jp/dp/4433576611

内部統制
特にスピード感が大事な業界では、コントロールを効かせすぎると競争力が落ちる一方、不正を防ぎ正確な財務報告をするため、過剰統制にならない範囲で、有効なキーコントロールを策定することが非常に重要になってきます。

その中で、以下の本は実務的な全体像をつかむために役に立ちました。
これですべてがわかる内部統制の実務https://www.amazon.co.jp/dp/4502139416

また、本のまとめからはそれますが、決算ごとの重要な論点の洗い出しや会計処理方法の検討等をするようになったため、このタイミングになってくると会計監査六法を手に取る回数が劇的に増加したのもこのタイミングです。

4.番外編:業界話題についていけるようになる編

ここでは直接的に実務には結び付かなかったものの、読んでおいてよかったものを紹介したいと思います。

起業のファイナンスhttps://www.amazon.co.jp/dp/4534052456/
起業のエクイティ・ファイナンスhttps://www.amazon.co.jp/dp/4478028257/

革新的なことをしようとしたり、新しい市場を開拓する場合は先行投資が重要になってくるため、スタートアップやベンチャー企業の経営にとって資金調達は間違いなく重要テーマの一つです。また、大型の資金調達は華があったり、対象企業や市場の勢いを感じるため、メディアに取り上げられることも多く、経営者や管理部門に所属している人でなくとも、ベンチャー界隈では関心を持つ人は多いと感じてます。

私自身、上場の1年弱前に入社したため、VCから出資を受ける等の、上場前の資金調達に直接は関わっていないのですが、ベンチャー界隈の人やベンチャーに興味を持っている人に「ベンチャー企業の管理部門で働いてます!」という自己紹介をすると、かなりの高確率で「○○社が10億円調達したらしいけど、どう思う?どのタイミングでIPOすると思う?」とか、「資金調達を検討してるんだけど、相談にのって!」という話をされます。

経験に基づく話はほとんど出来ないのですが、とはいえ一通りの話が出来ないと「こいつつまらないなー」と思われてしまいます。そこで一般的な内容を説明出来たり、上場前のベンチャーの資金調達に最低限の自分なりの考え方をもっていくことは、実務に直接結びつかなくとも損は無いと思います。

その際に、最低限の知識を身に着けたり、一通りのベンチャー企業のファイナンスに関する考え方を身に着けるのに非常に役にたったのが上記2冊になります。

管理部門の人向けに書かれた本ではないので、会計等の知識が無くともこの2冊さえ読み、後は最新の情報を追いつつ自分なりの考え方の軸さえつくれば、ベンチャーの資金調達に関して意見を求められた際に、経験したことがないことに関して質問されてもドヤッて答えるために必要な最低限の知識、が身につきますので、ベンチャー界隈の管理部門で働く場合は、是非読んでおくことをお勧めします。

5.最後に

と、ここまでつらつらとブックガイドを書きましたが、個人的には、座学よりも実務からの方が圧倒的に学べると思ってます。座学で学んだことも、実務で活かすことで理解が深まったりですとか、違った角度から考えるようになったりですとか、実務を経験しないと非常に浅い理解になってしまう、ということは常々感じます。

そういう意味では、日々新しい事象に遭遇する等、実務で幅広い経験が出来る環境に身を置きつつ、その補助的な意味で勉強等を通して、知識を身に着けていくということが重要であり、どちらか一方だけだと、ほとんど意味が無いと考えております。というわけでクラウドワークスでは現在、幅広い職種で現在募集をしております。

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