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営業活動をしない制作会社がコンペを獲るための提案書の書き方 - 後編

前回は「コンペを獲る提案書」の骨子のうち要望、分析、立案までの要素をお話しました。続いて戦略立案で立てた方針に沿った具体的な施策へと話を進めましょう。

方針に沿った具体的な施策

方針に沿った具体的な解決策を提示します。
うちの会社では多くの場合、ビジュアルによる解決策を求められるケースが多いです。
しかしながら、分析と方針から導き出された解決策がビジュアルである場合、なぜそのビジュアルなのかを裏付けるための論理的な説明資料が必要です。
うちの会社では必ずそのような解説を提案書に入れるようにしています。

推進計画

課題を解決するプロジェクトに必要なスケジュール、コスト、体制などは一番最後に記述します。
クライアントの多くは、類似課題の解決にどれくらいの実績を持っているのかを注意深く検討しますので、それが判断できる資料となっていることが望ましいと思います。

1本のストーリーとして成立させる

と、ここまである程度一般的なことを書いてきましたが、コンペなどの提案時において、もっとも重要なことは何でしょうか?
具体的な解決策だと思われるかもしれませんが、決してそうではないと考えます。
前述のとおり、具体的な解決策が成立する背景は、ターゲットとコンセプトの関係が握っているのです。
ですので、ここがつながっていなければ具体的な解決も1本のストーリーとして成立しません。

オリエン後、最初に何をするか

もし仮にあなたが提案者だとして、オリエンテーションに参加してクライアントの要望を聞いたあと、2週間後に提案してくださいと言われたら、会社に帰って一番最初に何をしますか?
それは仮説を立てることです。
提案書に仮説は出てきませんが、使う立場に立ってベストなことは何なのかをまず考えることです。
当たり前のように聞こえますが、それを最後までブレずに1本のストーリーにすることは結構難しいことだと思います。
実は、ヒアリングを受けて分析に移る際に必要なアクションは、仮説に基づく検証なのです。
ゼロからの分析ではなく、立てた仮説が正しいかどうかを検証する視点で挑まなければなりません。

まずは仮説を立てる

提案まで2週間しかありません。
膨大なデータを拾って1つ1つ分析していたらキリがない。
必要なことは仮説に関連する該当データのみを調べて、短時間で結論まで持って行くことです。
そうでなければ、短期間で1本の強いストーリーは作れません。
この作業が勝敗を分けると言ってもいいでしょう。
しかし仮説には妄想の要素が含まれるのと、立案には消費者としての幅広い経験と知識が必要です。
仮説は感度と言い換えてもいい。
感度である以上、外れる場合があります。
ズレはオリエン内容の解釈の違い、読み間違いで起こります。
この精度を上げるためには、経験とデータ収集の訓練しかありません。
僕もフォーカスを誤り、提案の的が外れてコンペに落ちてしまったことは多々あります。
それは仮説自体が間違っていたからです。

必要なことは常に消費行動を見ていること

最後に1点。
相手の心を打つためには、自分が繰り返し検証し、点検し、最後の最後まで諦めず、考えを深くしていく必要があります。
表面的なことでは決してプレゼンは通らないのです。
最終的には自分の熱意が相手に伝わることが、提案には最も重要な要素かもしれません。
熱意もスキルなのです。

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