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ネットとリアルが交差する “あの”巨大イベントを統括!ドワンゴのイベントプロデューサーってどんな仕事?~ニコニコ超会議・ミュージック超会議・超パーティー~

この2022年は、まるで再起動するかのようにドワンゴのイベントが目白押しでした。3年ぶりにリアル開催された「ニコニコ超会議2022」は会場来場者9万6,160人、ネット総来場者1,389万1,680人を動員。ネットとリアルの大規模音楽フェス「ミュージック超会議2022」は全8イベントが大集結。リアルで4年ぶりに開催された「超パーティー2022」にはさいたまスーパーアリーナに総勢100組以上のアーティストが集結しました。

「ニコニコ超会議2022」公式イベントレポートはこちら

ミュージック超会議2022」「超パーティー2022」公式イベントレポートはこちら

今回は、ドワンゴの柱となるこれらのイベントの“影の立役者”、イベントプロデューサー3名の対談をお届けします。

株式会社ドワンゴ事業開発本部クリエイション&ビジネス企画部

第一セクションマネージャー 水津大

第二セクションマネージャー 小林泉

第三セクションマネージャー 内村沙織

久しぶりのリアルイベントで見た、情熱とインパクト

――コロナ禍でイベントが制限されてきた中、2022年は久しぶりにリアル開催が叶いましたね。

小林:私は「ニコニコ超会議」を担当していますが、2020年、2021年はネット開催にせざるを得なかったので、リアルでユーザー、協賛・出展企業様、、運営が一同に会するのは2019年以来3年ぶりでした。

内村:私は今回初開催となる「ミュージック超会議」を担当しました。このイベントは、例年個別で開催されてきた「ボカロ投稿祭」や「歌ってみた投稿祭」など全8イベントを結集させた試みで、イメージは音楽版「超会議」。ネットでの投稿祭の期間にはオリジナル楽曲がまずあって、最後の2日間でドカンと「超パーティー」がリアル開催されるという大きな文化祭のような仕組みでした。

水津:その9日間続いた「ミュージック超会議」最後の2日間、「超パーティー」を私は担当しています。これまで1日だけだった日程を2日間にするなど、より大掛かりで情熱的な音楽イベントになりましたね。

――それぞれのイベントでどんなところが見どころだったのでしょうか。

小林:まだ声出しNGなどの制約はありましたが、ペンライトや拍手によって一体感が醸成できたのはこのご時世ならではでした。またお客さんたちが一斉に入場する場面では「ただいま」と声を掛けていただき、お客さんがリアル開催を心から喜んでくれているのを感じました。

内村:「ミュージック超会議」の投稿期間、たとえば「ボカコレ(ボカロ投稿祭)」では4日間でオリジナル楽曲がおよそ5,000曲も投稿され、ひとつ見どころでしたね。さらに拡散や二次創作を含めたら何倍ものインパクトが生まれたので、かなりの盛り上がりを見せたイベントとなりました。

水津:今回の「超パーティー」はAdoさんをはじめKis-My-Ft2の宮田俊哉さん、日向坂46の齊藤京子さん、霜降り明星の粗品さんなど、キャスティングでインパクトを醸成できました。またユーザーさんが遊べるカラオケステージ、ストリートピアノなどの体験ブースをステージの周囲に散りばめるというのは初の試みで、多くの方に楽しんでもらえたと思います。



「ユーザーが楽しむ余白をつくる」「名もなき仕事の積み重ねる」「他の企画とつなげる」。ドワンゴの大規模イベントをまとめ上げる影の立役者・イベントプロデューサーの役割

――イベントはどんな体制で運営されていますか?プロデューサーの役割も教えてください。

小林:「ニコニコ超会議」のプロデューサーは、全体の進行管理を行う事務局ポジションと、ブースを担う企画ポジションの大きく2つに分かれます。私は事務局として、事前準備、予算管理、竣工スケジュールの策定、ディレクション、人員のアサイン、メンバー同士のハブといったイベント全体の取りまとめを行いました。超会議の事務局メンバーは今回8名で、過去最多の体制でした。チームは企画、営業、プロモーション、生放送など細分化され10以上あり、全体の人数は社内だけでも3桁を越えます。イベント当日にいるメンバーを含めると4桁はいきますね。

内村:「ミュージック超会議」は新生イベントとして3名の事務局メンバーで臨みました。全8つのイベントの全体統括という意味では、各企画は単独で成立しているので事務局が介入するシーンはあまりなかったです。我々は、全体のキービジュアル作りや配信、協賛企業の露出確保など全体が回るような調整がメインでした。

水津:「超パーティー」には今回事務局ポジションを置かなかったのですが、いた方が良かったと反省しているところです。コアメンバーは3人でした。

――企画はどのように生まれますか?

小林:「超会議」の例でいうと、ドワンゴの社員全員から企画を公募しているんです。収支が伴うもの、自部署の業務拡大につながるものなど規約はありますが、選考を経て通過したものはブース出展が叶います。極論を言えば、趣味嗜好でも面白ければ実現できるという夢がある。

水津:「超会議」は企画実現までのストーリーが独特ですよね。

小林:例年、大体50〜100企画ほどの応募があります。数年間実現に至らなかった企画が、担当者の熱い思いで2022年に実現したなんてこともありました。社員の企画とはいえ、身近なメンバーがいちユーザーとして意見をくれるので、切磋琢磨にもつながりますね。

――ユーザーを楽しませるために考えていることを教えてください。

水津:コンテンツは100%を作るのではなく、“余白”を残しておく。ニコニコ超会議の統括プロデューサーの言葉ですが、この考え方は僕の根幹にあって、いつも意識しています。「ニコニコ動画」って、1つの動画から「MAD」や「〇〇してみた」と呼ばれる二次創作に派生して広がっていく特殊な文化。この楽しみ方は、ユーザーさんが“余白”を楽しんでいるからこそだと思うんです。

内村:わかる。動画のコメントでひとつ文化が成り立っていますよね。

水津:「ニコニコ超会議」の統括プロデューサー曰く、アニメでよくある土管だけあるような空き地が余白のイメージに近いのだそうです。運営側は遊び場所と遊び道具だけ用意してユーザーさんに自由に遊んで頂く。それが「空き地」のイメージです。「超パーティー」でいうとその余白は体験ブースでしたね。

小林:あるある。もうひとつ私が意識しているのは、運営、クリエイター、ファンの3者がそろって初めて最高に楽しいイベントができるということ。この考え方って割とプロデューサー陣にはインストールされていて、企画を考えるときの軸になっている気がしますね。

――イベントプロデューサーの魅力はなんですか?

小林:事務局って、名前のない仕事がほとんど。たとえばミーティングの調整ひとつとっても、20〜30人規模のものになると結構骨が折れるんですよ。でもそれがあるからこそ無事に当日を迎えられる。自分が行った小さな調整の積み重ねで一つひとつ前進していく。日々そのモチベーションに支えられていますね。

内村:私は音楽系の企画を担当してきましたが、初期の投稿祭で投稿していたクリエイターが今や超売れっ子になっている。そんな姿を目の当たりにできるのはプロデューサーの醍醐味だと思います。また今回でいうと、他社とのアライアンス企画から超パーティーへあるアーティストさんのブッキングにつなげることができ、PJの枠を超えてやってきたことが実を結んだ瞬間でした。

水津:“好き”や“楽しい”だけでなく戦略的にイベントに取り組むことで定量的な規模感がどんどん大きくなっていくのがわかるのは、この仕事の魅力でもありやりがいでもありますね。


大事なのはのめり込む熱量とイベントを盛り上げるアイデア。一緒に働きたいプロデューサー像について聞いてみた

――このポジションで入社したらどんなキャリアステップを踏みますか?

内村:プロジェクトに対して企画が細かく分かれているので、まずは企画同士のハブ的な存在となって仕事の流れを知ってもらいます。そして徐々に企画を担当し、ボカロ投稿祭などのプロデューサーになるという流れですね。

小林:そうですね。最初は企画の補佐として全体を俯瞰で見てもらって、コミュニケーションや周囲との連携などができるとわかったら事務局ポジションとしてイベント統括をやってもらうイメージです。会社としても、適性に応じてメンバー全員にスポットが当たるよう評価してくれるので、それはありがたいですよね。

――共に仕事したい人物像を教えてください。

水津:エンターテインメントにビジネス視点を取り入れられる人に来てほしいです。イベントは楽しいだけではなく、事業として成り立たないと継続できないので…!

小林:その視点は本当に大事。でも一方で、逆もまた必要なのかなと思いますね。経歴は立派でも熱量や夢中なものがない人とは、何を一緒に目指せばいいのかイメージができません。経験が少なくてもそれをリカバリーできるポテンシャルがあれば、究極ありだと思うんです。その先にビジネス視点があったらより嬉しいですね。

内村:そういう意味では面白いことに挑戦できるポジションだと思います。ドワンゴのイベントを発展させるアイデアがある人は、ぜひ門戸を叩いてください!

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